イギリス鉄道380形電車
380形はスコットランドで運行されるイギリスの電車である。アベリオ・スコットレールによってエアシャー及びインヴァークライドの路線を中心に使用されている。
イギリス鉄道380形電車 | |
---|---|
グラスゴー・セントラル駅にて(2018年) | |
基本情報 | |
運用者 | アベリオ・スコットレール |
製造所 |
シーメンス・モビリティ (クレーフェルト、ドイツ) |
製造年 | 2009年 - 2011年 |
製造数 |
3両編成(380/0形)22本 4両編成(380/1形)16本 |
運用開始 | 2010年12月3日 |
投入先 |
エアシャー・コースト線 インヴァークライド線 カスカート・サークル線 ペイズリー・キャナル線 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,435 mm (4 ft 8 1⁄2 in) 標準軌 |
電気方式 | 交流25kV 50Hz 架空電車線方式 |
最高速度 | 100 mph (161 km/h)[1] |
起動加速度 |
1 m/s2 (3.6 km/h/s 2.2 mph/s)[1] 0.9m/s2 (3.2km/h/s 2.0mph/s)[1] |
編成定員 |
191人 265人 |
編成重量 |
132.8 t (130.7ロングトン; 146.4ショートトン)[2] 167.5 t (164.9ロングトン; 184.6ショートトン)[2] |
編成長 |
71.13 m (233 ft 4+3⁄8 in) 94.70 m (310 ft 8+3⁄8 in) |
車体長 |
先頭車:23.78 m (78 ft 1⁄4 in)[1] 中間車:23.57 m (77 ft 4 in)[1] |
全幅 | 2.80 m (9 ft 2+1⁄4 in)[2] |
全高 | 3.78 m (12 ft 4+7⁄8 in)[2] |
出力 | 1,000 kW (1,341 hp)[2] |
備考 | デジロUKシリーズ |
主要諸元については2段の場合、上段が380/0形(3両編成)、下段が380/1形(4両編成) |
シーメンスが製造するデジロUKシリーズの車両であり、同シリーズには当形式の他に185形、350形、360形、444形、450形が含まれる。
概要
編集380形は中止となったグラスゴー・エアポート・レール・リンク用として計画されたものであり、2008年7月11日にシーメンスとの契約締結がトランスポート・スコットランドによって発表された[3]。
編成両数の増加のため、3両編成22本と4両編成16本が発注され、これに備えてエアシャー・コースト線とインヴァークライド線ではホームの延長工事が行われた[4]。仕様面では障碍者の利用に制限が発生しないことのほか、流線形としつつ前面に貫通路を設けることが規定された。1本目の公開では、3両編成に380/0形、4両編成に380/1形の形式区分が与えられることが明らかにされた[5]。
2010年9月には、技術的問題の発生により車両の受領が停止された[6]。これにより、新たに再開業したエイドリー - バスゲイト・レール・リンクを含むスコットレールの路線網の一部で減便が発生している[7]。
380形はグラスゴー・シールズ・ロード車両基地に配置され、エアシャー・コースト線とインヴァークライド線で運行されていた334形及び318形を置き換えた[8]。これにより、334形はノース・クライド線に、318形はアーガイル線に転属となった。また、ノース・ベリック線で使用されていた322形も置き換えられ、ノーザン・レールに転属した。
運用
編集2019年現在、380形はグラスゴー・セントラル駅発着のエアシャー・コースト線インヴァークライド線、カスカート・サークル線列車で運行されている。また、必要な場合にはクロイ線にも入線可能である。
380形は2010年12月8日に営業運転を開始した。
2012年11月21日からは新たに電化されたペイズリー・キャナル線でも運行されている。この電化計画は2012年7月にファースト・スコットレールとネットワーク・レールによって開始されたものであり、工事は同年9月29日に開始、月曜日から木曜日の夜間と週末を中心に行われ11月8日に完成した[9][10][11]。電化後は380形と314形によって運行が開始され、同年12月のダイヤ改正を持ってそれまで使用されていた156形は他路線に転属している。
2014年12月のダイヤ改正では、ウィフレット線の電化に伴いアーガイル線ラナーク(英語版・街)発着列車がグラスゴー・セントラル駅上層階を発着するようになった。これらの列車には所定の318形や320形の他に380形もしばしば用いられる。
385形の増備の遅れにより、2017年12月から2019年12月までの間、一時的措置としてグラスゴー - フォルカーク - エディンバラ線やノース・ベリック線などでも使用されていた[12]。
編成表
編集形式 | 運用者 | 編成両数 | 製造本数 | 製造期間 | 編成番号 |
---|---|---|---|---|---|
380/0形 | アベリオ・スコットレール | 3両 | 22本 | 2009 - 2011 | 380001 - 380022 |
380/1形 | 4両 | 16本 | 380101 - 380116 |
脚注
編集- ^ a b c d e “Class 380”. Eversholt Rail. 21 April 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。21 April 2019閲覧。
- ^ a b c d e “Class 380”. www.railway-centre.com. 22 April 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。22 April 2019閲覧。
- ^ “New Electric Trains for Scotland's Growing Railways”. Transport Scotland (11 July 2008). 17 December 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。11 July 2008閲覧。
- ^ “New trains bring 9,000 more seats”. BBC News (11 July 2008). 22 September 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。29 July 2008閲覧。
- ^ “Siemens introduce the new Class 380 'Desiro'” (PDF). Railway Herald (202): p. 3. (23 November 2009). オリジナルの27 July 2011時点におけるアーカイブ。 13 July 2010閲覧。
- ^ “Rail network hits buffers as trains fail”. The Scotsman (Edinburgh). (9 October 2010)
- ^ Damien Henderson (9 October 2010). “Train shortage fears as £200m fleet is refused”. The Herald (Glasgow). オリジナルの12 October 2010時点におけるアーカイブ。 9 October 2010閲覧。
- ^ “Desiros unveiled ready for ScotRail services”. Rail (648). (14 July 2010)
- ^ "£12m "alliance" investment for Paisley Canal line" (Press release). First Group. 11 July 2012. 2014年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年6月28日閲覧。
- ^ “Alliance cuts cost of Paisley Canal line electrification”. Railway Gazette International (London). (11 June 2012). オリジナルの15 November 2013時点におけるアーカイブ。 28 June 2013閲覧。
- ^ “Paisley Canal timetable changes”. First ScotRail. 13 November 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。28 June 2013閲覧。
- ^ “ScotRail's AT200 EMU interior unveiled at Edinburgh Waverley”. Global Rail News. (10 February 2016). オリジナルの22 March 2016時点におけるアーカイブ。 16 March 2016閲覧。