334形(Class 334、クラス334)は、1999年から2002年にかけてスコットランド地域へ向けて導入されたアルストム製の交流電化区間用電車である[1][2][3]

イギリス鉄道334形電車
334009編成(登場時の塗装)

334038編成(新塗装)
基本情報
運用者 スコットレール (ナショナル・エクスプレス)1999年-2004年
ファースト・スコットレール(2004年-2015年
アベリオ・スコットレール(2015年-)
製造所 アルストム
製造年 1999年 - 2002年
製造数 120両(3両編成40本)
運用開始 2001年4月3日
主要諸元
編成 3両編成(DMS-PTS-DMS)
軸配置 2′Bo′+2′2′+Bo′2′
軌間 1,435 mm
電気方式 交流25 kV 50Hz
架空電車線方式
最高速度 145 km/h(90 mph)
編成定員 285人(着席183人)
編成重量 135 t
全長 21,010 mm(先頭車)
19,940 mm(中間車)
主電動機 アルストム
主電動機出力 270 kw
搭載数 4基
出力 540 kw
編成出力 1,080 kw
制動装置 回生ブレーキ空気ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3]に基づく。
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概要

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グラスゴーなどスコットランド西部の交通機関を管理するストラスクライド旅客交通営団(SPT)英語版[4]が、交流電化区間で使用していた303形電車英語版311形電車英語版の置換用として発注した形式。フランスアルストムがイギリス向けに展開していた鉄道車両ブランドであるコラディア・ジュニパーの1形式であり、計120両の発注は1999年の時点でのイギリス国鉄民営化後以降の最大両数であった[5][6]

流線型の前面を持つ車体を有しており、編成は3両編成(電動制御車付随車+電動制御車)で構成され、集電装置は中間の付随車に設置されている。車内にはクロスシートが配置されている他、バリアフリーに対応したトイレや椅子の手すりの形状などユニバーサルデザインを重点に置いた設計となっている。製造当初の座席配置は3列+2列であった[1][3][5]

運用

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2004年までスコットランド全域の旅客列車運営権を所有していたスコットレールナショナル・エクスプレス英語版所有企業)が納入した最初の編成(334001編成)は1999年8月3日グラスゴー・シールズ・ロード車庫英語版へ到着し、その後は試験的に旅客運用に用いられたが、機器の不具合が頻発した事により正式な営業運転開始は2年後の2001年4月3日となった[2][5]

運営権がファースト・スコットレールへ移行された後、2012年から2014年にかけてリニューアル工事が実施され、塗装変更や座席のモケット、床面の変更が行われた他、ボックスシートの配置も2列+2列に改められた。更にアベリオ・スコットレールへ運営権が移行した2015年以降は監視カメラの更新、充電用ソケットの設置、wi-fi通信への対応などの近代化工事がアルストムによって実施されている[1][7][8]

2019年現在、エディンバラグラスゴーを結ぶエアドリー・バスゲイト線英語版やグラスゴー周辺の路線で使用されている[1]

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e CLASS 334 Abellio ScotRail 2019年8月16日閲覧
  2. ^ a b c Class 334 Scot-rail.co.uk 2019年8月16日閲覧
  3. ^ a b c The Class 334 fleet - ウェイバックマシン(2006年6月20日アーカイブ分)
  4. ^ 地下鉄の廃熱を使って、ロンドン500世帯に暖房を提供 livedoor ニュース 2013年12月10日作成 2019年8月16日閲覧
  5. ^ a b c Hugh Llewelyn (2016-4-15). EMUs A History. Amberley Publishing. pp. 2014. ISBN 1445649829 
  6. ^ 40 NEW JUNIPER TRAINS WELCOMED TO THE STRATHCLYDE RAIL NETWORK - ウェイバックマシン(2006年6月22日アーカイブ分)
  7. ^ Class 334 Relivery and Refurbishment 2011-2014 Scot-rail.co.uk 2019年8月16日閲覧
  8. ^ Alstom to refurbish Scottish EMUs IRJ 2014年9月1日作成 2019年8月16日閲覧