のど自慢狂時代
『のど自慢狂時代』(のどじまんきょうじだい)は、1949年(昭和24年)、斎藤寅次郎が監督し、東横映画が製作、大映が配給して公開した日本の長篇劇映画である[1][2][3][4]。美空ひばりの映画デビュー作として知られる[5]。
のど自慢狂時代 | |
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公開当時のポスター。 | |
監督 | 斎藤寅次郎 |
脚本 | 八住利雄 |
原作 | サトウハチロー |
製作 |
牧野満男 企画 吉田信 |
出演者 |
花菱アチャコ 並木路子 灰田勝彦 |
音楽 | 山田栄一 |
撮影 |
友成達雄 照明 西川鶴三 |
編集 | 宮本信太郎 |
製作会社 | 東横映画 |
配給 | 大映 |
公開 | 1949年3月28日 |
上映時間 | 89分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
略歴・概要
編集第二次世界大戦後、従来興行会社であった東横映画が大映との協定を結び、1947年(昭和22年)、「大映第二撮影所」(現在の東映京都撮影所)を借りて同撮影所を「東横映画撮影所」とし、製作を開始、3年目に製作された現代劇が本作である[1][2][3][4][5]。同社の製作開始第16作である。1946年(昭和21年)に放送を開始した人気ラジオ番組『のど自慢素人演芸会』(現在の『NHKのど自慢』)を題材にしたコメディ映画である[5]。「ピアノの先生」役を演じた和田肇は、俳優和田浩治の父である[5]。のちに東映名誉会長となる若き日の岡田茂が、「進行係」として本作に携わった[6]。
本作に「映倫番号」が付されているのは、公開直前の同年6月14日に「映画倫理規程管理委員会」(旧映倫)が結成されたからで、1954年(昭和29年)8月まではレイティングは行われていない[7]。東横映画を配給するために東京映画配給(現在の東映)が設立されるのは、同年10月1日なので、本作は従来通り大映が配給した[1][2][3][4]。
東京国立近代美術館フィルムセンターは、本作の上映用プリント等を所蔵しているが「48分」の不完全版である[5][6]。現存するのはこの不完全版のみであり、このヴァージョンは美空ひばりの登場シーンを欠損している[5]。
作品データ
編集スタッフ
編集キャスト
編集- アチヤコ - すし屋金六
- 並木路子 - 娘たま子
- 渡辺篤 - ホームラン喫茶店喜七
- 清川虹子 (新東宝) - 妻およし
- 杉狂児 - 八木医師
- 千早隆子 - 夫人ぬい子(大介の母)
- 灰田勝彦 - 息子八木大介
- 初音麗子 - 倉持かま枝
- 雛鶴京子 - 娘くら子
- 江戸川蘭子 - 大山うま代
- 美空ひばり - 妹ひばり
- 和田肇 - ピアノの先生
- 美ち奴 - 俗曲の師匠
- 日暮千代子 - 鴬なき子
- 志村道夫 - 歌野馬太郎
- 玉松一郎 - 漫才の男
- ミス・ワカナ(三代目、三崎希於子) - 漫才の女
- 奈美乃一郎 - 声帯模写の男(声の出演)
- 古賀政男
- 若原弓子
- 柳田一夫
- 太田一郎 - アナウンサー
- 柳家権太楼(初代)
- 水野浩 - 詐偽の男
- 古賀睦章
- 濱田秀雄
- 月京介
- 時田一男
- 藤澤彰
脚注
編集- ^ a b c のど自慢狂時代、日本映画情報システム、文化庁、2012年7月18日閲覧。
- ^ a b c d のど自慢狂時代、日本映画製作者連盟、2012年7月18日閲覧。
- ^ a b c のど自慢狂時代、日本映画データベース、2012年7月18日閲覧。
- ^ a b c のど自慢狂時代、キネマ旬報映画データベース、2012年7月18日閲覧。
- ^ a b c d e f 生誕百年特集 映画監督 斎藤寅二郎と野村浩将、東京国立近代美術館フィルムセンター、2012年7月18日閲覧。
- ^ a b のど自慢狂時代、東京国立近代美術館フィルムセンター、2012年7月18日閲覧。
- ^ 映倫の概要、映画倫理委員会、2012年7月18日閲覧。
参考文献
編集- 『クロニクル東映 1947-1991』、東映、1992年