ながつき (護衛艦)

海上自衛隊の護衛艦、たかつき型護衛艦の4番艦

ながつきローマ字JDS Nagatsuki, DD-167)は、海上自衛隊護衛艦たかつき型護衛艦の4番艦。艦名は、「長月」(旧暦9月の異称)に由来し同じ名を持つ艦艇としては旧海軍の神風型駆逐艦 (初代)長月」、睦月型駆逐艦8番艦「長月」に続き3代目。

ながつき
米国ニューヨーク港にて (1986年)
米国ニューヨーク港にて (1986年)
基本情報
建造所 三菱重工業長崎造船所
運用者  海上自衛隊
艦種 護衛艦(DDA)
級名 たかつき型
艦歴
発注 1965年
起工 1968年3月2日
進水 1969年3月19日
就役 1970年2月12日
除籍 1996年3月19日
その後 1997年8月3日、実艦標的として海没処分
要目
基準排水量 3,100 トン
全長 135.5m
最大幅 13.4m
深さ 8.7m
吃水 4.36m
ボイラー 三菱CE型2胴水管ボイラー × 2基
主機 三菱WEC型衝動反動式蒸気タービン × 2基
出力 60,000PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
最大速力 32ノット
乗員 270名
兵装 73式54口径5インチ単装砲 × 2基
アスロック8連装発射機 × 1基
71式ボフォース対潜ロケット4連装発射機 × 1基
68式3連装短魚雷発射管 × 2基
搭載機 QH-50 DASH 2機(1978年廃止)
FCS 72式射撃指揮装置1型A × 2基
レーダー OPS-11B 対空
OPS-17 水上
ソナー OQS-3
電子戦
対抗手段
NOLR-5 ESM
→NOLR-6C(1985年換装)
OLT-3 ECM(1985年装備)
OLR-9C RWR(1985年装備)
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艦歴

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「ながつき」は、第2次防衛力整備計画に基づく昭和41年度計画3,000トン型甲II型警備艦、2307号艦として三菱重工業長崎造船所で1968年3月2日に起工され、1969年3月19日に進水、1970年2月12日に就役し、第3護衛隊群に直轄艦として編入され舞鶴に配備された。以降、定繋港は舞鶴から変更されることはなかった。

1976年、練習艦「かとり」とともに遠洋練習航海に参加し、その際、ニューヨークで行われたアメリカ建国200周年記念観艦式に参加した。

1982年6月15日足摺岬沖の洋上で離着水訓練中だった第31航空群所属のUS-1飛行艇が着水時に左フロートを折損し離水不能となり漂流したため、近くで訓練中だった本艦が曳航して岩国基地に帰投させた。

1984年3月30日第3護衛隊群隷下に第2護衛隊が新編され「もちづき」とともに編入。

1986年、遠洋練習航海に参加し、その際、ニューヨークで行われた自由の女神100周年記念国際観艦式に参加した。

1989年1月25日、第2護衛隊が舞鶴地方隊隷下に編成替え。

1994年6月から11月まで練習艦隊旗艦として護衛艦「たかつき」、「もちづき」、「しらゆき」とともに北米方面遠洋練習航海に参加。このため、礼砲の装備(終了後撤去)、士官室の備品パネル等に木目柄のシートの貼付けが行われた。

1996年4月1日、除籍。

1997年8月3日、若狭湾北方の訓練海面で護衛艦「ひえい」、「たかつき」などによる砲撃、潜水艦なつしお」の雷撃により沈められた[1]

エピソード

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本艦に装備されていた時鐘は、コロンバンガラ島ベネット入江に擱座した先代の旧海軍睦月型駆逐艦長月」に装備されていた時鐘である。戦後長月は解体されたがその時鐘は現地人が保管しており、その後、日本に持ち帰られたものを当時の呉地方総監・筑土龍男海将の尽力により海上自衛隊に引き渡され、1970年11月17日に本艦に装備された[2]

本艦の退役後、駆逐艦長月の時鐘と護衛艦ながつきの号鐘は共に舞鶴海軍記念館に保存されている[3]

脚注

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  1. ^ 「ニュース・フラッシュ」『世界の艦船』第531号、海人社、1997年11月、64頁。 
  2. ^ 海上自衛隊ニュース「長月の時鐘がながつきに復活」『世界の艦船』第164号、海人社、1971年4月、 81頁。
  3. ^ @JMSDF_mrh (2019年11月15日). "舞鶴地方総監部【公式】のツイート". X(旧Twitter)より2019年11月16日閲覧

参考文献

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  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
  • 『世界の艦船 第750集』海人社、2011年11月号

外部リンク

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