ときわ台駅 (東京都)
ときわ台駅(ときわだいえき)は、東京都板橋区常盤台一丁目にある東武鉄道東上本線の駅。駅番号はTJ 06。
ときわ台駅* | |
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北口駅舎(2019年8月8日撮影) | |
ときわだい Tokiwadai | |
◄TJ 05 中板橋 (0.7 km) (1.3 km) 上板橋 TJ 07► | |
所在地 | 東京都板橋区常盤台一丁目43-1 |
駅番号 | TJ06 |
所属事業者 | 東武鉄道 |
所属路線 | ■東上本線 |
キロ程 | 4.7 km(池袋起点) |
電報略号 | トワ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面2線 |
乗降人員 -統計年度- |
[東武 1]41,939人/日 -2023年- |
開業年月日 | 1935年(昭和10年)10月20日[1] |
備考 | * 1951年(昭和26年)に「武蔵常盤駅」から改称。 |
年表
編集- 1935年(昭和10年)10月20日:武蔵常盤駅として開業[1]。
- 1950年(昭和25年):南口開設[2]。
- 1951年(昭和26年)10月1日:ときわ台駅に改称[1]。
- 1976年(昭和51年):10両編成列車停車対応として、駅構内地下通路の位置を池袋方の端からホーム中央に変更。
- 2007年(平成19年)
- 2012年(平成24年)3月17日:TJ 06の駅ナンバリングを導入。
- 2018年(平成30年)5月30日:北口駅舎のリニューアル工事が完成[3]。外壁にギャラリースペース「武蔵常盤小径」設置[3]。
- 2019年(令和元年)11月29日:北口に商業施設「EQUiAときわ台」がオープン[4]。
駅名の由来
編集当駅南口より徒歩1分の場所に位置する旧・上板橋村の鎮守、天祖神社に伝わる祝詞および境内の「常磐松」から「武蔵常盤駅」と名付けられた。武蔵野台地に位置する駅であることにも由来する[5]。
駅構造
編集島式ホーム1面2線を有する地上駅。ホームと北口との間は地下道で、南口とは跨線橋で連絡している。北口駅舎は開業時のものを2018年にリニューアルした、大谷石造りの瀟洒な洋風建築である。また、北口駅舎隣にはリニューアルの一環として「EQUIA(エキア)ときわ台」が2019年11月29日にオープン[4]。南口は2階に改札コンコースを置くビルで、商業施設などのテナントが入居している。
ユニバーサルデザインの一環として、駅ホーム中央に多機能トイレと、南口コンコースに連絡するエレベーターが設置されている。また、2020年3月末に北口側にはこれまで無かった改札口とホームを繋ぐエレベーターおよび連絡通路(高架)が開設された。
過去に存在した駅構造
編集構内踏切 - ホーム連絡地下道開設以前、ホーム池袋方の端に設置されていた。1950年代に撮影された写真で確認できる[6]。
のりば
編集番線 | 路線 | 方向 | 行先[7] |
---|---|---|---|
1 | 東上線 | 下り | 上板橋・成増・志木・川越方面 |
2 | 上り | 大山・池袋方面 |
-
北口改札(2019年5月)
-
リニューアル前の北口駅舎(2012年2月)
-
南口(2004年11月)
-
ホーム(2012年2月)
-
ときわ台駅より池袋方面を見る。中板橋駅が見える。
利用状況
編集2023年度の1日平均乗降人員は41,939人である[東武 1]。
近年の1日平均乗降・乗車人員の推移は下表の通り。
年度 | 1日平均 乗降人員 [9][東武 2] |
1日平均 乗車人員 [10] |
出典 |
---|---|---|---|
1935年(昭和10年) | 124 | ||
1978年(昭和53年) | 57,670 | ||
1990年(平成 | 2年)27,332 | [* 1] | |
1991年(平成 | 3年)27,757 | [* 2] | |
1992年(平成 | 4年)27,460 | [* 3] | |
1993年(平成 | 5年)26,989 | [* 4] | |
1994年(平成 | 6年)54,670 | 26,710 | [* 5] |
1995年(平成 | 7年)26,314 | [* 6] | |
1996年(平成 | 8年)25,573 | [* 7] | |
1997年(平成 | 9年)25,353 | [* 8] | |
1998年(平成10年) | 49,709 | 24,649 | [* 9] |
1999年(平成11年) | 49,012 | 24,276 | [* 10] |
2000年(平成12年) | 48,770 | 24,110 | [* 11] |
2001年(平成13年) | 48,785 | 24,433 | [* 12] |
2002年(平成14年) | 48,555 | 24,296 | [* 13] |
2003年(平成15年) | 48,547 | 24,290 | [* 14] |
2004年(平成16年) | 48,314 | 24,169 | [* 15] |
2005年(平成17年) | 48,225 | 24,146 | [* 16] |
2006年(平成18年) | 48,202 | 24,111 | [* 17] |
2007年(平成19年) | 48,755 | 24,373 | [* 18] |
2008年(平成20年) | 48,424 | 24,232 | [* 19] |
2009年(平成21年) | 47,321 | 23,673 | [* 20] |
2010年(平成22年) | 46,297 | 23,172 | [* 21] |
2011年(平成23年) | 45,628 | 22,823 | [* 22] |
2012年(平成24年) | 45,899 | 22,958 | [* 23] |
2013年(平成25年) | 46,710 | 23,395 | [* 24] |
2014年(平成26年) | 46,664 | 23,352 | [* 25] |
2015年(平成27年) | 47,966 | 24,014 | [* 26] |
2016年(平成28年) | 47,714 | 23,868 | [* 27] |
2017年(平成29年) | 48,527 | 24,258 | [* 28] |
2018年(平成30年) | 48,647 | 24,326 | [* 29] |
2019年(令和元年) | 47,894 | 23,956 | [* 30] |
2020年(令和 | 2年)35,856 | ||
2021年(令和 | 3年)37,998 | 19,022 | [東武 3] |
2022年(令和 | 4年)40,737 | 20,388 | [東武 4] |
2023年(令和 | 5年)41,939 | 21,001 | [東武 1] |
駅周辺
編集北口側には、1935年(昭和10年)に東武鉄道が沿線開発事業の一環として初めて行った宅地分譲により整備された「常盤台住宅地」が広がっている。内務省地方局が1907年(明治40年)に出版した書籍により日本に紹介された、米国の「田園都市」思想に基づいて設計された住宅地である[11]。
先行して1920年代に目黒蒲田電鉄(東急電鉄の前身企業)が現在の大田区で開発・分譲した田園調布と比較されることもあるが、田園調布とは異なる、ほぼ楕円形のプラタナスプロムナードを中心とした道路網や、随所に設置されたクルドサック、ロードベイ、フットパスと呼ばれる構造物など独特な町並みを持っており、当時目指していた理想的な住宅地の姿が窺える[12][13]。周辺幹線道路と直接の接続が果たせなかったことが不便とされ、加えて分譲直後に日中戦争・太平洋戦争といった混乱の時期を迎えたが、幹線道路に面していないことによりかえって静謐な生活環境が保たれ、今なお昭和初期の面影を残す美しい住宅地といえる。
常盤台住宅地の敷地は、当初東上線と伊勢崎線との接続(西板線計画)に伴う操車場用地確保のために、東武鉄道が1927年(昭和2年)頃に買収していた場所であった。しかし採算面・土地買収・橋梁建設などの問題から1932年(昭和7年)以降西板線計画は起業廃止され、その代替案として住宅地建設が決定された[11][12][13]。
2000年代に入るとマンション建設が活発になる一方で、開発業者と既存住人との間で建設の是非をめぐり対立する、いわゆる「マンション紛争」が起こっている。その契機となった北口ロータリー前の銀行跡地には業者の計画通り11階建てマンションが建設されたが、常盤台住宅地は2004年(平成16年)に東京都から「街並み景観重点地区」の指定を受け、2007年(平成19年)に「ときわ台景観ガイドライン」が制定され、翌年から運用されている[14]。
南口周辺はもと天祖神社の境内であったが、1949年(昭和24年)に駅南口および住宅・商業地建設のため、東武鉄道および地元に土地の一部が割譲されたことにより形成された市街地である[2]。
周辺施設
編集※銀行、民間商業施設、医療施設については省略。
- 板橋区立中央図書館
- 常盤台公園
- 板橋区立常盤台小学校
- 帝都幼稚園 - 常盤台住宅地分譲当時は同地に「帝都学園女学校」が開設されたが、1946年火災により大半が焼失、閉校。残存した建物にて1951年幼稚園を開園[12] 付門柱は板橋区文化財に登録されている[15]。
- 天祖神社
- 板橋消防署常盤台出張所
- 板橋常盤台郵便局
- 板橋南常盤台郵便局
- 板橋常盤台三郵便局
- 水久保公園
- 常盤台バプテスト教会
- 日本書道美術館
- 日本教育書道連盟本部
- 宗教法人冨士大石寺顕正会(東京会館、芙蓉会館) - 新宗教団体。
- 宗教法人金光教常盤台教会 - 教派神道系新宗教団体。
- 学校法人大乗淑徳学園
- 淑徳大学 東京キャンパス
- 淑徳大学短期大学部
- 淑徳中学校・高等学校
- 淑徳小学校
- 淑徳幼稚園
バス路線
編集本項目では、2019年9月現在の営業路線について記述する。
ときわ台駅
編集乗り場は北口ローターリーおよび旧フエンテ常盤台店跡地前の通りに設置されている。
南常盤台
編集乗り場は駅南口から南東方向に約350メートル(公道歩行距離)の環七通り上に設置されている。
ときわ台駅入口
編集乗り場は駅南口から南方向に約500m(公道歩行距離)の川越街道上に設置されている。
2007年の踏切事故
編集2007年2月6日19時30分ごろ、当駅ホームのすぐ脇にある踏切に自殺志願者の女性が侵入しているとの通報を受け、警視庁板橋警察署常盤台交番の警視庁巡査部長(殉職後二階級特進で警視庁警部[注釈 1])が交番に保護した。しかし、女性は隙を見て交番から逃げ出し、「死んでもいい、死んでやる」などと叫びながら再び踏切に侵入した。巡査部長がこれを救助しようとして女性をホーム下の退避スペースに押し込んだものの、巡査部長自身は間に合わず、当駅を通過する下り急行小川町行き(10030系11642F+11447Fの10両編成)にはねられて重体になり、同年2月12日に意識が戻らないまま板橋区内の病院で死去した[18]。なお、巡査部長による命を顧みない勇敢な行動により、女性は腰を骨折する重傷を負ったものの、一命を取り留めた。
この一件を知った当時の内閣総理大臣・安倍晋三(第1次内閣在任時)から、事故殉職した巡査部長を緊急叙勲[注釈 2]対象にする異例の指示が警察庁に出され、同年3月1日に正七位・旭日双光章授与。そして、同年6月16日に巡査部長を讃える記念碑「誠の碑」[注釈 3]の除幕式が、常盤台交番に隣接する当駅北口前で行われた。
この事故にまつわるエピソードは、事故から1年後の2008年2月に山口秀範により『伏してぞ止まん』のタイトルで絵本になり、巡査部長の母校である札幌市立幌北小学校でも授業に取り上げられた。さらに、同年2月15日にフジテレビ系列で放送された『千の風になって ドラマスペシャル』シリーズの『死ぬんじゃない! 実録ドラマ・宮本警部が遺したもの』としてテレビドラマ化され、三宅裕司が巡査部長役を演じた。
殉職から2年後の2009年2月には、絵本による反響が大きかったことから、絵本の作者である山口によって、伝記『殉職』が出版された。
付記
編集隣の駅
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c 東武鉄道年史編纂事務局 編『東武鉄道六十五年史』東武鉄道、1964年、211頁。全国書誌番号:64010839。
- ^ a b 『昭和30年代・40年代の板橋区 なつかしい青春の記録』三冬社、2009年
- ^ a b 『5月30日(水)に、東上線ときわ台駅の駅舎リニューアルが完成! 〜地域の魅力を発信するギャラリースペース「武蔵常盤小径」を新設します〜』(PDF)(プレスリリース)東武鉄道、2018年5月24日。オリジナルの2018年8月31日時点におけるアーカイブ 。2020年3月9日閲覧。
- ^ a b 『EQUiAときわ台11月29日(金)グランドオープン! 〜開業時のデザインを復元したときわ台駅舎と調和したデザインを取り入れます〜』(PDF)(プレスリリース)東武鉄道、2019年10月31日。オリジナルの2020年3月9日時点におけるアーカイブ 。2020年3月11日閲覧。
- ^ “東武鉄道ポータルサイト/路線図・駅情報/ときわ台駅”. 東武鉄道株式会社. 2018年8月30日閲覧。
- ^ 『写真集 板橋区の昭和』いき出版、2017年
- ^ “ときわ台駅 構内マップ”. 東武鉄道. 2023年6月4日閲覧。
- ^ 板橋区の統計 - 板橋区
- ^ レポート - 関東交通広告協議会
- ^ 東京都統計年鑑 - 東京都
- ^ a b 中湖康太『常盤台住宅地物語』 (電子書籍)、GCS出版、2018年。
- ^ a b c 『常盤台住宅物語』板橋区教育委員会、1999年。
- ^ a b 東武鉄道社史編纂室 編『東武鉄道百年史』 本編、東武鉄道、1998年9月。全国書誌番号:20043141。
- ^ “ときわ台しゃれ街協議会ホームページ”. NPO法人 ときわ台しゃれ街協議会. 2018年9月1日閲覧。
- ^ “板橋の文化財一覧”. 板橋区 (2024年3月28日). 2024年8月19日閲覧。 “帝都幼稚園 付門柱”
- ^ a b c “路線バス/国際興業バス”. 国際興業株式会社. 2018年8月31日閲覧。
- ^ “都営バス/東京都交通局”. 東京都交通局. 2018年8月31日閲覧。
- ^ 「踏切内で人命救助、警察官魂受け継ぐ 後輩「躊躇しない覚悟」(3/3)」『産経新聞』2017年2月5日。2019年10月3日閲覧。
利用状況
編集- 東京都統計年鑑
- ^ 東京都統計年鑑(平成2年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成3年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成4年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成5年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成6年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成7年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成8年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成9年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成10年) (PDF)
- ^ 東京都統計年鑑(平成11年) (PDF)
- ^ 東京都統計年鑑(平成12年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成13年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成14年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成15年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成16年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成17年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成18年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成19年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成20年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成21年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成22年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成23年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成24年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成25年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成26年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成27年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成28年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成29年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成30年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成31年・令和元年)
- 東武鉄道の1日平均乗降人員
- ^ a b c 『駅別乗降人員 2023年度』(PDF)(レポート)東武鉄道、2024年、13頁。オリジナルの2024年5月18日時点におけるアーカイブ 。
- ^ “駅情報(乗降人員)”. 東武鉄道. 2024年7月30日閲覧。
- ^ 『駅別乗降人員 2021年度』(PDF)(レポート)東武鉄道、2024年、13頁。オリジナルの2024年5月18日時点におけるアーカイブ 。
- ^ 『駅別乗降人員 2022年度』(PDF)(レポート)東武鉄道、2024年、13頁。オリジナルの2024年5月18日時点におけるアーカイブ 。