MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間
『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』(マイルス・アヘッド/マイルス・デイヴィス くうはくのごねんかん、原題: Miles Ahead)は、2015年のアメリカ合衆国の伝記映画。1970年代後半のマイルス・デイヴィスを描いており、監督・脚本・主演をドン・チードルが務めている[4]。
MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間 | |
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Miles Ahead | |
監督 | ドン・チードル |
脚本 |
スティーヴン・ベーグルマン ドン・チードル スティーヴン・J・リヴェル クリストファー・ウィルキンソン |
製作 |
ダリル・ポーター ヴィンス・ウィルバーン ダニエル・ワグナー ロバート・オグデン・バーナム ドン・チードル パメラ・ハーシュ レノアー・ザーマン |
製作総指揮 |
マーク・アミン カシアン・エルウィズ ウィリアム・ハイタワー スティーヴン・J・リヴェル クリストファー・ウィルキンソン ジョナサン・ガードナー ブライアン・ポープ スティーヴン・ベーグルマン シェリル・デイヴィス エリン・デイヴィス ロバート・ルイス |
出演者 |
ドン・チードル ユアン・マクレガー エマヤツィ・コーリナルディ キース・スタンフィールド マイケル・スタールバーグ |
音楽 | ロバート・グラスパー |
撮影 | ロベルト・シェイファー |
編集 |
ジョン・アクセルラッド ケイラ・M・エムター |
製作会社 |
Bifrost Pictures Miles Davis Properties, LLC IM Global Films Sobini Films Yellowsaw Productions Limited Crescendo Productions |
配給 |
ソニー・ピクチャーズ クラシックス ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
公開 |
2015年10月11日(ニューヨーク映画祭) 2016年4月1日 2016年12月23日 |
上映時間 | 100分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $350,000[1] |
興行収入 |
$4,883,967[2] 3000万円[3] |
あらすじ
編集ジャズの帝王として人気絶頂だったマイルス・デイヴィス。しかし1970年代の今、長い隠蔽生活を過ごしていた。ある日、彼の自宅にローリング・ストーン誌の若い記者が訪れる。それは社の命令でカムバックを計画しているマイルスの現在を取材するというものだった。始めは慇懃に扱っていたマイルスだがやがて意気投合する。記者はマイルスが別れた妻・フランシスを忘れられないのだと推測する。その通りでマイルスは過去の思い出に囚われていた。ところが、マイルスの新作のテープがギャングに強奪されてしまう。怒り狂ったマイルスは記者を同行させボスの元に乗り込み銃撃戦の挙げ句、テープを強奪する。たちまち追跡が始まる。二人はボクシング会場に逃げ込む。しかし、銃撃戦が始まってしまう。大混乱する会場でリングにいたのは若くスーツ姿で「ソー・ホワット」を自分のバンドと演奏しているマイルスだった・・・。
キャスト
編集※括弧内は日本語吹替[5]
- マイルス・デイヴィス - ドン・チードル(滝藤賢一[6])
- デイヴ・ブレイデン - ユアン・マクレガー(森川智之)
- フランセス・テイラー - エマヤツィ・コーリナルディ(折井あゆみ)
- ジュニア - キース・スタンフィールド(海老名翔太)
- ハーパー・ハミルトン - マイケル・スタールバーグ(てらそままさき)
製作
編集ドン・チードルは映画 『ALI アリ』のオーディションを受けた際、脚本家のクリス・ウィルキンソンからマイルス・デイヴィスを演じるよう勧められた[7]。デイヴィスがロックの殿堂入りを果たした2006年、デイヴィスの甥にあたるヴィンス・ウィルバーンは「ドン・チードルだけが私のおじを演じられる役者であり、彼は間もなく演じるであろう」と記者に語った[7]。チードルは、そのニュースを聞いて驚いたが、デイヴィスの家族との会議に参加した[7]。
会議の中で、デイヴィスに関わった5名の女性たちを中心とする物語など、複数の構想が明かされたが、これらに対してチードルは難色を示した[7]。彼は「マイルス・デイヴィスをギャングスターとして描いた映画にするべきである」と語り、その言葉にデイヴィスの家族は同意した[7]。帰り道、チードルは自ら監督することを決意した[7]。また、自らマイルスを演じようと考えた。彼のインタビュー映像や各時代の演奏シーンを見てを動きやしぐさをものまねしインタビューの音源を聞き喋り方をものまねした。
当初は『Kill the Trumpet Player』と題されていたが、正式な題名は『Miles Ahead』となった[8]。これはマイルス・デイヴィスの1957年のアルバム『マイルス・アヘッド』にちなんでいる[9]。音楽はマイルスの実際の演奏が使用されている。
上映
編集ニューヨーク映画祭のクロージング作品として、2015年10月10日、本作のプレミア上映が行われた[10][11]。アメリカ合衆国では2016年4月1日に一般公開された[12]。公開第1週の週末は4スクリーンで122,751ドル、1スクリーンあたり30,688ドルの興行収入を記録している[13]。
評価
編集Rotten Tomatoesには154件の批評家レヴューがあり、支持率は73%、平均値は6.4点となっている[14]。Metacriticには38件の批評家レヴューがあり、平均値は64点となっている[15]。
本作のコンピレーション・サウンドトラックは、第59回グラミー賞の最優秀コンピレーション・サウンドトラック賞にノミネートされた[16]。
脚注
編集- ^ Obenson, Tambay A. (2015年1月29日). “Indiegogo Video: ‘Dear White People’ Breaks Domestic Box Office Record for a Crowdfunded Film”. IndieWire. 2016年12月10日閲覧。
- ^ “Miles Ahead”. The Numbers. 2016年12月10日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報』2018年3月下旬 映画業界決算特別号 p.54
- ^ Brooks, Brian (2016年4月1日). “Don Cheadle Brews Miles Davis Pic; Richard Linklater Loves The ’80s – Specialty Preview”. Deadline. 2016年12月10日閲覧。
- ^ “MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間 ブルーレイ&DVDセット”. ソニー・ピクチャーズ. (2017年3月24日) 2017年3月24日閲覧。
- ^ “マイルスの吹替は滝藤賢一が担当! 映画『MILES AHEAD』、DVD/ブルーレイでリリース決定”. Billboard JAPAN. (2017年3月24日) 2017年3月24日閲覧。
- ^ a b c d e f Fear, David (2016年3月14日). “Don Cheadle: Why I Had to Make My Miles Davis Movie”. Rolling Stone. 2016年12月10日閲覧。
- ^ McNary, Dave (2014年6月4日). “Don Cheadle Turns to Crowdfunding for Miles Davis Movie”. Variety. 2016年12月10日閲覧。
- ^ McNary, Dave (2016年2月3日). “Don Cheadle Channels Miles Davis in ‘Miles Ahead’ First Trailer”. Variety. 2016年12月10日閲覧。
- ^ McNary, Dave (2015年7月22日). “Don Cheadle’s ‘Miles Ahead’ to Close New York Film Festival”. Variety. 2016年12月10日閲覧。
- ^ Cox, Gordon (2015年10月11日). “Don Cheadle’s ‘Miles Ahead’ Feels the Love at New York Film Festival”. Variety. 2016年12月10日閲覧。
- ^ Kaye, Ben (2016年2月2日). “Don Cheadle is beyond cool in Miles Ahead trailer — watch”. Consequence of Sound. 2016年12月10日閲覧。
- ^ Obenson, Tambay A. (2016年4月4日). “Box Office: A Healthy Opening for Don Cheadle’s ‘Miles Ahead’”. IndieWire. 2016年12月10日閲覧。
- ^ “Miles Ahead”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2016年12月10日閲覧。
- ^ “Miles Ahead”. Metacritic. CBS Interactive. 2016年12月10日閲覧。
- ^ Unterberger, Andrew (2016年12月6日). “Here Is the Complete List of Nominees for the 2017 Grammys”. Billboard. 2016年12月10日閲覧。