JR四国7000系電車

四国旅客鉄道の直流近郊形電車

7000系電車(7000けいでんしゃ)は、四国旅客鉄道(JR四国)の直流近郊形電車

JR四国7000系電車
7000形および7100形を使用した快速「サンポート」松山行
(2009年5月 讃岐塩屋駅 - 丸亀駅間)[注 1]
基本情報
運用者 四国旅客鉄道
製造所 近畿車輛
製造年 1990年 - 1992年
製造数 36両
運用開始 1990年11月21日
主要諸元
編成 両運転台付単行車(7000形)
片運転台制御車(7100形)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流 1,500 V
最高運転速度 110 km/h[2]
設計最高速度 110 km/h[2]
起動加速度 1.8 km/h/s(1M2T)[2]
編成定員 85(立)+64(席)=149名(1M)
170(立)+133(席)=303名(1M1T)
編成重量 38.0 t(1M)
64.0 t(1M1T)
全長 20,800 mm
全幅 2,800 mm
全高 3,570 mm
車体 ステンレス
台車 空気ばね式ボルスタレス台車[2]
主電動機出力 120 kW / 基
駆動方式 TD継手式平行カルダン駆動
歯車比 14:99 = 1:7.07
制御方式 VVVFインバータ制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
保安装置 ATS-SS
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概要

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1990年平成2年)の予讃線伊予北条駅 - 伊予市駅間の電化開業により、両運転台構造で制御電動車の7000形(cMc)が8両、片運転台構造(伊予市・琴平向き)の制御車7100形(Tc)が4両の計12両が新造され、日中の同区間を走行する気動車列車のほとんどを置き換えた。その後、1993年(平成5年)の予讃線観音寺駅 - 松山駅完全電化開業に備え、1992年(平成4年)の観音寺駅 - 新居浜駅間・今治駅 - 伊予北条駅間の電化開業時に7000形が17両、7100形が7両の計24両が新造された。36両全てが近畿車輛製である。

JRの近郊形車両では初めてVVVFインバータ制御を採用した。

車両概説

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軽量ステンレス車体で、乗降用ドアは片側3箇所で両端は片開き、中央は両開きである。また、ワンマン運転時は中央の扉が締め切り扱いとなる[3]。車内の座席はクロスシートとロングシートを点対称に配置。これらは先に登場した1000形気動車の構造を踏襲している。側窓は1000形の二段窓に対し、一段下降式となっている。

箕浦駅以西の狭小建築限界トンネルに対応するため、車体全体を低屋根構造とし、新たに開発された S-PS58形 パンタグラフを搭載することでパンタ折りたたみ高さを3,900 mmに抑えた。

ワンマン運転に対応するため整理券発行器が、運転台がある側には運賃箱運賃表示器も搭載されている。VVVFインバータ装置の制御素子GTOサイリスタ(4500 V/2000 A)が採用されたが、7000形の高松運転所に所属する7016号はIGBT素子に換装された。これは試験車として長期試験を行うことが目的であり、運用は他の車両と共通となっていた。2018年(平成30年)に他の7000系と同一のものに取り替えられたが、その後の機器更新によって日立製のものに交換されている。

運用

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2024年令和6年)10月1日現在

松山運転所[4]
  • 7000形:14両(7001 - 7002・7004 - 7014)
  • 7100形:6両(7101 - 7106)
高松運転所[5]
  • 7000形:11両(7015 - 7025)
  • 7100形:5両(7107 - 7111)

予讃線高松駅 - 伊予市駅間・土讃線多度津駅 - 琴平駅間で運用されている[6]トイレが設置されていないため本四備讃線瀬戸大橋線)での運用はない。通勤通学時間帯以外を中心にワンマン運転を実施している。

7000形単独で運転のほか、7000形または7100形を増結して運用されることもあり、確認されている中で回送臨時列車等を含み、最大で5両編成を組む[7][8]。また、6000系7200系との併結運用も可能である[9][10]

機器更新

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2017年(平成29年)頃から、VVVFインバータ装置が更新されている。2024年(令和6年)10月1日現在、7001・7002・7004・7006・7007・7008・7009・7013・7014・7016・7019・7024の12両が更新済み[4][5]

また、2022年(令和4年)9月頃から車両のドアシグナル設置(後付け・チャイム付)が施工されている。全車両に導入済み。[要出典]

加えて、2023年(令和5年)3月頃より、行先表示幕が更新されている(駅ナンバリング・英語表記・快速種別名追加)[11][12]。これにより、2023年(令和5年)3月17日限りで快速「サンポート」でのヘッドマークは使用されなくなった[1]

廃車

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2024年(令和6年)3月31日付で7003が廃車され、本系列の廃車第1号となった[13]

車歴表

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2024年(令和6年)10月1日現在[4][5]

車両形式 車両番号 所属 落成日 機器更新 廃車 備考
7000形 7001 松山 1990/10/30 2013/10/25
7002 2013/12/16
7003 1990/11/11 2024/03/31[13]
7004 2012/06/28
7005
7006 2013/06/27
7007 2012/11/27
7008 2014/03/07
7009 1992/06/27 2019年上期
7010
7011
7012
7013 2019年上期
7014 2014/10/21
7015 高松
7016 2019年上期
7017
7018
7019 2012/08/29
7020
7021 2015/01/07
7022
7023
7024
7025
7100形 7101 松山 1990/10/30  
7102 1990/11/11
7103
7104
7105 1992/06/27
7106
7107 高松
7108
7109
7110
7111

脚注

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注釈

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  1. ^ 2023年(令和5年)のダイヤ改正をもって「サンポート」号でのヘッドマークの取り付けを終了した(後述)[1]

出典

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  1. ^ a b 【2023ダイヤ改正】JR四国快速「サンポート」ヘッドマーク掲出終了」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2023年3月21日)
  2. ^ a b c d 『鉄道ファン』1991年1月号、PP.56-61
  3. ^ 『普通列車年鑑 2015-2016』、P.86
  4. ^ a b c 『JR電車編成表 2025冬』、P.197
  5. ^ a b c 『JR電車編成表 2025冬』、P.194
  6. ^ 『普通列車年鑑 2015-2016』、P.146
  7. ^ JR四国7000系+7200系の珍しい5両編成が走る(ただし回送です)!」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2022年10月29日)
  8. ^ 7000系+7200系の5両編成で「サイクリングしまなみ2022」臨時列車走る」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2022年10月31日)
  9. ^ 予讃線で6000系+7000系の4両編成が運転される」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2016年8月22日)
  10. ^ 『さぬき高松まつり花火大会』に合わせて増結運転」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2016年8月15日)
  11. ^ 7000系の前面行先表示に変化」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2023年3月26日)
  12. ^ 【JR四国】7000系前面幕、ついに「全部盛り」仕様が登場!?」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2023年3月15日)
  13. ^ a b 『JR電車編成表 2025冬』、P.297

参考文献

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  • 鉄道ファン1991年1月号(No.357)交友社
  • 『JR普通列車年鑑 2015-2016』、イカロス出版(2015年7月21日、ISBN 978-4-802-20030-1
  • ジェー・アール・アール『JR電車編成表 2025冬』、交通新聞社(2024年11月13日、ISBN 978-4-330-05824-5

関連項目

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