2006 ワールド・ベースボール・クラシック・ベネズエラ代表
2006 ワールド・ベースボール・クラシック・ベネズエラ代表(2006 - だいひょう)は、2006年3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック第1回大会に出場したベネズエラ代表である。MLBニューヨーク・ヤンキース傘下Adv-A級のタンパ・ヤンキースでコーチを務めるルイス・ソーホーが、代表監督としてチームを率いた。
経緯
編集ヨハン・サンタナ、フレディ・ガルシア、カルロス・ザンブラーノ、フランシスコ・ロドリゲスなどを擁する投手陣は、ソーホー監督自ら世界有数と認めるほど強力なものだった[1]。しかし、2次リーグでキューバやドミニカ共和国に敗れ敗退した。チーム打率が.186と貧打(2次リーグ進出8チームの中で最低)で、さらに主砲のボビー・アブレイユとミゲル・カブレラが2次リーグ以降スランプに陥ったのが響いた。
最終成績
編集1次リーグ敗退(大会通算成績:3勝3敗)
1次リーグ
編集POOL D を2勝1敗で2位通過。
- 3月7日:ドミニカ共和国戦(クラッカー・ジャック・スタジアム / 3時間16分 / 10,645人)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 H E ドミニカ共和国(1勝) 0 2 0 0 4 0 0 0 5 11 13 1 ベネズエラ(1敗) 0 0 0 1 2 1 1 0 0 5 10 1
- 勝:バートロ・コローン(1勝) 敗:ヨハン・サンタナ(1敗)
- 本塁打:[ドミニカ共和国] デビッド・オルティーズ1号(ソロ、ヨハン・サンタナ) 2号(2ラン、ホルヘ・フリオ) エイドリアン・ベルトレ1号(3ラン、カルロス・ザンブラーノ) 2号(2ラン、ホルヘ・フリオ) [ベネズエラ] ミゲル・カブレラ1号(2ラン、ミゲル・バティスタ) エドガルド・アルフォンゾ1号(ソロ、ミゲル・バティスタ)
- ベネズエラ投手陣がデビッド・オルティーズ、エイドリアン・ベルトレに2本塁打ずつを浴びるなどドミニカ共和国打線を抑えられずに計11失点。ベネズエラ打線もミゲル・カブレラの本塁打などで追い上げたが、追いつくには至らず。ベネズエラはWBC初戦を落とした。
- 3月8日:イタリア戦(クラッカー・ジャック・スタジアム / 2時間48分 / 10,101人)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 H E イタリア(1勝1敗) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 1 ベネズエラ(1勝1敗) 1 0 1 1 1 0 2 0 X 6 9 2
- 勝:フレディ・ガルシア(1勝) 敗:レニー・ディナルド(1敗)
- 本塁打:[ベネズエラ] ミゲル・カブレラ2号(ソロ、ケイシー・オレンバーガー)
- 先発フレディ・ガルシアが3回1/3を無失点に抑えると、続くカルロス・シルバ、ラファエル・ベタンコート、フランシスコ・ロドリゲスもイタリアに得点を許さず。打線もミゲル・カブレラの先制適時打やソロ本塁打などで小刻みに得点をあげ、6-0で大会初勝利をあげた。
- 3月9日:オーストラリア戦(クラッカー・ジャック・スタジアム / 2時間45分 / 10,111人)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 H E ベネズエラ(2勝1敗) 0 1 0 0 0 1 0 0 0 2 4 0 オーストラリア(2敗) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0
- 勝:ケルビム・エスコバー(1勝) S:フランシスコ・ロドリゲス(1S) 敗:フィル・ブラシントン(1敗)
- 本塁打:[ベネズエラ] ラモン・ヘルナンデス1号(ソロ、フィル・ブラシントン)
- ベネズエラ投手陣がオーストラリア打線を1安打完封。打線も2回にラモン・ヘルナンデスのソロ本塁打で先制すると、6回には押し出し四球で追加点をあげ、逃げ切った。この勝利でベネズエラの2次リーグ進出が決定した。
2次リーグ
編集POOL 2 で1勝2敗の3位に終わり敗退。
- 3月12日:キューバ戦(ヒラム・ビソーン・スタジアム / 2時間56分 / 13,697人)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 H E キューバ(1勝) 0 1 0 0 0 5 1 0 0 7 10 1 ベネズエラ(1敗) 0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 5 0
- 勝:ヤデル・マルティ(1勝2S) S:ペドロ・ラソ(1S) 敗:ヨハン・サンタナ(2敗)
- 本塁打:[キューバ] フレデリク・セペダ1号(3ラン、ジョバンニ・カラーラ) アリエル・ペスタノ1号(ソロ、ジョバンニ・カラーラ) [ベネズエラ] エンディ・チャベス1号(2ラン、ペドロ・ラソ)
- ベネズエラ先発のヨハン・サンタナが5回を1失点に抑えた。しかし6回から登板の2番手ジョバンニ・カラーラがフレデリク・セペダ、アリエル・ペスタノに連続本塁打を浴びるなど5失点を喫する乱調。ベネズエラは2次リーグ黒星スタートとなった。
- 3月13日:プエルトリコ戦(ヒラム・ビソーン・スタジアム / 3時間9分 / 19,400人)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 H E ベネズエラ(1勝1敗) 0 0 0 0 2 0 0 4 0 6 6 2 プエルトリコ(1勝1敗) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 0
- 勝:カルロス・ザンブラーノ(1勝) 敗:ジョエル・ピネイロ(1敗)
- 本塁打:[ベネズエラ] エンディ・チャベス2号(2ラン、ジョエル・ピネイロ) ビクター・マルティネス1号(満塁、イバン・マルドナド)
- ベネズエラは4回、エンディ・チャベスが2点本塁打を放ち先制すると、8回にはビクター・マルティネスが満塁本塁打を放ち4点を追加する。投手陣も先発カルロス・ザンブラーノから抑えのフランシスコ・ロドリゲスまで計7人のリレーでプエルトリコ打線を完封した。
- 3月14日:ドミニカ共和国戦(ヒラム・ビソーン・スタジアム / 3時間2分 / 13,007人)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 H E ベネズエラ(1勝2敗) 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 1 1 ドミニカ共和国(2勝1敗) 1 0 0 0 0 0 1 0 X 2 6 1
- 勝:ミゲル・バティスタ(1勝) S:デュアネル・サンチェス(1S) 敗:ケルビム・エスコバー(1勝1敗)
- 両者にとって勝ったら準決勝進出、負けたら2次リーグ敗退となる試合。初回に1点を先制されたベネズエラは、6回表に一死二、三塁からボビー・アブレイユの三塁ゴロの間に三塁走者が生還し同点に追いつく。しかし7回裏に二死満塁のピンチを招くと、捕手ラモン・ヘルナンデスがパスボール。これが決勝点となりドミニカ共和国が勝利した。ベネズエラは2次リーグ敗退が決まった。
代表選手
編集以下が代表選手であり[2]、所属は同大会期間中のものとする。
背番号 | 氏名 | 所属球団 | 投 | 打 | 備考 | |
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監督 | ルイス・ソーホー Luis Sojo |
|||||
コーチ | デーブ・コンセプシオン Dave Concepción |
|||||
オスカー・エスコバー Oscar Escobar |
||||||
ロベルト・エスピノーザ Robert Espinoza |
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オマー・マラベ* Omar Malavé |
||||||
ルイス・サラザー Luis Salazar |
||||||
投手 | 15 | ビクトル・モレノ Víctor Moreno |
オークランド・アスレチックス傘下 | 右 | 右 | |
23 | リカルド・パルマ Ricardo Palma |
アグアスカリエンテス・レイルロードメン | 左 | 左 | ||
27 | カルロス・ヘルナンデス Carlos Hernández |
ヒューストン・アストロズ傘下 | 左 | 両 | ||
28 | ジョバンニ・カラーラ Giovanni Carrara |
ロサンゼルス・ドジャース | 右 | 右 | ||
29 | ホルヘ・フリオ Jorge Julio |
ニューヨーク・メッツ | 右 | 右 | ||
31 | ビクター・ザンブラーノ Víctor Zambrano |
ニューヨーク・メッツ | 右 | 両 | ||
34 | フレディ・ガルシア Freddy García |
シカゴ・ホワイトソックス | 右 | 右 | ||
36 | トニー・アーマス・ジュニア Tony Armas Jr. |
ワシントン・ナショナルズ | 右 | 右 | ||
37 | フランシスコ・ロドリゲス Francisco Rodríguez |
ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム | 右 | 右 | ||
38 | カルロス・ザンブラーノ Carlos Zambrano |
シカゴ・カブス | 右 | 右 | ||
39 | グスタボ・チャシーン Gustavo Chacín |
トロント・ブルージェイズ | 左 | 左 | ||
45 | ケルビム・エスコバー Kelvim Escobar |
ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム | 右 | 右 | ||
52 | カルロス・シルバ Carlos Silva |
ミネソタ・ツインズ | 右 | 右 | ||
57 | ヨハン・サンタナ Johan Santana |
ミネソタ・ツインズ | 左 | 左 | ||
63 | ラファエル・ベタンコート Rafael Betancourt |
クリーブランド・インディアンス | 右 | 右 | ||
捕手 | 19 | ラモン・ヘルナンデス Ramón Hernández |
ボルチモア・オリオールズ | 右 | 右 | |
21 | ヘンリー・ブランコ Henry Blanco |
シカゴ・カブス | 右 | 右 | ||
41 | ビクター・マルティネス Víctor Martínez |
クリーブランド・インディアンス | 右 | 両 | ||
内野手 | 1 | トマス・ペレス Tomás Pérez |
フィラデルフィア・フィリーズ | 右 | 両 | |
2 | カルロス・ギーエン Carlos Guillén |
デトロイト・タイガース | 右 | 両 | ||
9 | エドガルド・アルフォンゾ Edgardo Alfonzo |
ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム | 右 | 右 | ||
12 | マルコ・スクータロ Marco Scutaro |
オークランド・アスレチックス | 右 | 右 | ||
13 | オマー・ビスケル Omar Vizquel |
サンフランシスコ・ジャイアンツ | 右 | 両 | 主将 | |
24 | ミゲル・カブレラ Miguel Cabrera |
フロリダ・マーリンズ | 右 | 右 | ||
外野手 | 20 | フアン・リベラ Juan Rivera |
ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム | 右 | 右 | |
30 | マグリオ・オルドニェス Magglio Ordóñez |
デトロイト・タイガース | 右 | 右 | ||
47 | エンディ・チャベス Endy Chávez |
ニューヨーク・メッツ傘下 | 左 | 左 | ||
51 | ロベルト・ペレス Robert Pérez |
ユカタン・ライオンズ | 右 | 右 | ||
53 | ボビー・アブレイユ Bobby Abreu |
フィラデルフィア・フィリーズ | 右 | 左 | ||
56 | トニー・アルバレス Tony Álvarez |
ボルチモア・オリオールズ傘下 | 右 | 右 |
エピソード
編集- 珍プレー
2次リーグ初戦のキューバ戦、0-2で迎えた6回表一死一塁の場面で、遊撃手のオマー・ビスケルがオスマニー・ウルティアの打球を処理しようとするもユニフォームの中に入れてしまうという珍事が起こった。これが影響したのか、次打者ヨアンディ・ガルロボのセカンドゴロも二塁手エドガルド・アルフォンゾとの連携が上手く行かずに一死しか取れず、結果的にフレデリク・セペダの決勝3点本塁打を招いてしまった。
参考文献
編集- ^ 『月刊メジャー・リーグ3月号増刊 アサヒスーパードライ プレゼンツ 2006 WORLD BASEBALL CLASSIC アジアラウンド 公式プログラム』、ベースボール・マガジン社、2006年、雑誌08626-3、62-63頁。
- ^ 2006 Tournament Roster The official site of World Baseball Classic 2016年3月3日閲覧 [リンク切れ]