1988年の西武ライオンズ(1988ねんのせいぶライオンズ)では、1988年の西武ライオンズにおける動向をまとめる。

1988年の西武ライオンズ
成績
日本一
日本S 4勝1敗(対中日[1]
パシフィック・リーグ優勝
73勝51敗6分 勝率.589[2]
本拠地
都市 埼玉県所沢市
西武ライオンズ球場
球団組織
オーナー 堤義明
経営母体 国土計画(コクド)
監督 森祇晶
スローガン
鍛える
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この年の西武ライオンズは、森祇晶監督の3年目のシーズンであり、4年連続11度目のリーグ優勝と3年連続8度目の日本シリーズ制覇を果たした。

概要

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パ・リーグ3連覇、日本シリーズ2連覇ともはや負け知らずのチームはこの年、得点力強化のため中日の切り込み隊長平野謙小野和幸とのトレードで獲得し、前年途中入団ながらも外国人枠の都合で二軍生活だったタイラー・バンバークレオ(バークレオ)がスタメン入りするなど打線をテコ入れ。しかし、1987年のオフに大エースの東尾修が麻雀賭博で書類送検され、パ・リーグから1988年度の出場停止2か月、球団から2000万円以上の減俸を受けたこともあり「優勝は無理だろう」という声も聞かれた。東尾の不在時は若きエース工藤公康をはじめ、渡辺久信郭泰源森山良二が埋めた。平野、バークレオといった新戦力の投入でチームは開幕から順調に勝ち進み、6月終了時点で2位近鉄に8ゲーム差をつけるなど、順風だった。しかし7月に入ると近鉄がラルフ・ブライアントを加入させたこともあり6勝10敗3分で負け越し、ゲーム差が詰まった。それでも8月は11勝7敗と持ち直すも9月に7勝9敗と負け越し。終盤の10月は9勝4敗と勝ち越すも、近鉄がマークし近鉄×ロッテ10.19ダブルヘッダーによっては近鉄優勝が予想された。ロッテ×近鉄第1試合は近鉄が勝ったものの、第2試合は痛恨の引き分け。最終的に西武4連覇が決まった。日本シリーズは6年ぶりに中日との対決となったが、東尾・渡辺らの先発陣や、山根和夫小田真也らのリリーフ陣が中日の打線を封じこめて4勝1敗でモノにした。シーズン終了後、麻雀賭博の影響で勝ち星の減った東尾が引退した。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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オーダー変遷
開幕:4/9 5/1 6/1 7/1 8/2 9/1
1 石毛宏典 石毛宏典 石毛宏典 石毛宏典 広橋公寿 平野謙
2 平野謙 平野謙 平野謙 平野謙 平野謙 広橋公寿
3 秋山幸二 秋山幸二 秋山幸二 バークレオ 秋山幸二 秋山幸二
4 清原和博 清原和博 清原和博 清原和博 清原和博 清原和博
5 安部理 安部理 バークレオ 秋山幸二 石毛宏典 石毛宏典
6 伊東勤 バークレオ 西岡良洋[注 1] 安部理 伊東勤 笘篠誠治[注 2]
7 バークレオ 伊東勤 伊東勤 伊東勤 田辺徳雄 伊東勤
8 清家政和 田辺徳雄 清家政和 田辺徳雄 辻発彦 清家政和
9 辻発彦 辻発彦 辻発彦 辻発彦 北村照文 辻発彦
工藤公康 郭泰源 渡辺久信 渡辺久信 渡辺久信 松沼博久

[3]

1988年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 --
2位 近鉄 1.5 近鉄 4.5 近鉄 7.5 近鉄 5.0 近鉄 4.0 近鉄 1.5 近鉄 0.0
3位 ロッテ 2.0 ロッテ 8.0 日本ハム 11.5 日本ハム 8.5 日本ハム 12.0 日本ハム 9.0 日本ハム 12.5
4位 日本ハム 3.0 日本ハム 9.5 ロッテ 11.5 阪急 10.0 南海 13.0 阪急 12.5 阪急 15.0
5位 阪急 6.5 南海 10.0 南海 11.5 南海 10.5 阪急 13.0 南海 13.5 南海 17.5
6位 南海 8.0 阪急 13.0 阪急 15.0 ロッテ 11.0 ロッテ 15.0 ロッテ 14.5 ロッテ 21.0
期間
成績
12勝5敗
勝率.706
16勝8敗1分
勝率.667
12勝8敗
勝率.600
6勝10敗3分
勝率.375
11勝7敗
勝率.611
7勝9敗
勝率.438
9勝4敗
勝率.692

[4][5][6][7][8][9]

1988年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 西武ライオンズ 73 51 6 .589 優勝
2位 近鉄バファローズ 74 52 4 .587 0.0
3位 日本ハムファイターズ 62 65 3 .488 12.5
4位 阪急ブレーブス 60 68 2 .469 15.0
5位 南海ホークス 58 71 1 .450 17.5
6位 ロッテオリオンズ 54 74 2 .422 21.0

[2]

日本シリーズ

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1988年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月22日(土) 第1戦 西武ライオンズ 5 - 1 中日ドラゴンズ ナゴヤ球場
10月23日(日) 第2戦 西武ライオンズ 3 - 7 中日ドラゴンズ
10月24日(月) 移動日
10月25日(火) 第3戦 中日ドラゴンズ 3 - 4 西武ライオンズ 西武ライオンズ球場
10月26日(水) 第4戦 中日ドラゴンズ 0 - 4 西武ライオンズ
10月27日(木) 第5戦 中日ドラゴンズ 6 - 7 西武ライオンズ
優勝:西武ライオンズ(3年連続8回目)

[1]

オールスターゲーム1988

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  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
監督 森祇晶
投手 渡辺久信 3
捕手 伊東勤 5
一塁手 清原和博 3
二塁手 辻発彦 2
三塁手 石毛宏典 8
外野手 秋山幸二 4
平野謙 2
  • 太字はファン投票による選出。

個人成績

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投手成績

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  • 色付き規定投球回(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/渡辺久信 28 25 14 3 0 15 7 0 754 185.0 163 29 59 3 123 4 0 79 74 3.60 1.20
/森山良二 28 24 10 2 2 10 9 0 706 169.0 166 12 41 4 77 3 0 72 65 3.46 1.23
/工藤公康 24 20 11 2 0 10 10 1 694 159.0 164 18 70 1 94 4 0 77 67 3.79 1.47
/郭泰源 19 18 15 1 3 13 3 1 583 149.1 113 10 23 2 76 0 0 50 40 2.41 0.91
/松沼博久 23 19 4 2 0 6 6 0 481 113.2 107 16 34 8 48 2 0 61 54 4.28 1.24
/東尾修 19 15 5 1 0 6 9 0 463 105.2 121 21 30 3 30 2 0 63 57 4.85 1.42
/山根和夫 32 0 0 0 0 5 0 2 199 49.1 36 4 17 0 39 0 0 8 7 1.28 1.07
/黒原祐二 33 0 0 0 0 2 0 1 192 47.1 50 5 12 0 17 2 0 21 18 3.42 1.31
/高山郁夫 11 5 1 0 0 3 2 0 159 36.2 42 4 10 0 13 2 0 24 19 4.66 1.41
/原口哲也 18 1 0 0 0 1 2 0 146 36.0 32 5 11 0 12 0 0 17 15 3.75 1.19
/小田真也 41 0 0 0 0 1 1 5 132 33.2 28 2 11 1 16 0 0 14 13 3.48 1.16
/森繁和 21 0 0 0 0 0 1 2 109 26.0 25 4 7 1 9 0 0 13 11 3.81 1.23
/西本和人 5 2 0 0 0 0 0 0 42 9.1 10 2 3 1 2 1 0 5 3 2.89 1.39
/前田耕司 6 0 0 0 0 1 0 0 36 8.2 10 2 1 0 5 0 0 3 2 2.08 1.27
/岡田展和 8 0 0 0 0 0 1 0 39 8.0 12 0 4 0 6 0 0 7 7 7.88 2.00
/広瀬新太郎 5 0 0 0 0 0 0 0 37 7.2 10 0 5 1 1 1 0 5 3 3.52 1.96
/小川宗直 8 1 0 0 0 0 0 0 37 7.1 9 1 7 0 5 0 0 3 3 3.68 2.18
/市村則紀 11 0 0 0 0 0 0 0 25 6.1 9 1 0 0 3 0 0 4 4 5.68 1.42
/亀井猛斗 2 0 0 0 0 0 0 0 16 2.1 4 0 5 0 1 1 0 3 3 11.57 3.86
/松沼雅之 1 0 0 0 0 0 0 0 9 1.2 4 0 0 0 1 0 0 2 2 10.80 2.40

打撃成績

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  • 色付き規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/石毛宏典 130 594 508 84 144 15 1 21 224 63 22 4 12 6 66 7 2 79 10 .283 .364 .441 .805
/平野謙 130 589 508 75 154 24 2 7 203 46 18 8 41 3 37 0 0 59 9 .303 .349 .400 .748
/秋山幸二 130 577 517 93 151 23 2 38 292 103 20 12 0 2 50 5 8 132 11 .292 .362 .565 .927
/清原和博 130 551 451 97 129 21 0 31 243 77 5 4 0 3 82 7 15 102 10 .286 .410 .539 .949
/伊東勤 129 506 429 51 108 16 5 11 167 56 2 4 24 2 50 5 1 68 11 .252 .330 .389 .719
/辻発彦 130 460 419 45 110 19 1 3 140 39 13 12 9 1 28 0 3 51 5 .263 .313 .334 .647
/バークレオ 118 453 366 67 98 10 2 38 226 90 3 4 0 1 82 3 4 120 4 .268 .406 .617 1.024
/安部理 107 361 319 39 84 17 3 8 131 49 1 3 8 2 31 3 1 57 7 .263 .329 .411 .739
/田辺徳雄 74 214 198 25 51 8 2 7 84 23 1 0 10 0 6 0 0 27 6 .258 .279 .424 .704
/清家政和 94 205 181 13 35 12 1 1 52 19 0 2 8 1 13 1 2 25 6 .193 .254 .287 .541
/西岡良洋 56 93 87 12 31 4 0 4 47 11 1 2 1 1 4 1 0 8 2 .356 .380 .540 .921
/笘篠誠治 56 83 71 17 20 3 1 2 31 10 3 2 7 0 5 0 0 9 2 .282 .329 .437 .766
/広橋公寿 50 80 74 12 18 0 0 3 27 12 4 1 3 0 3 0 0 10 2 .243 .273 .365 .638
/立花義家 67 72 65 1 16 3 0 1 22 7 1 0 0 0 6 0 1 7 1 .246 .319 .338 .658
/駒崎幸一 50 56 55 1 13 2 0 0 15 3 0 0 0 0 1 0 0 9 1 .236 .250 .273 .523
/藤野正剛 28 32 28 5 4 1 0 1 8 2 0 0 2 0 2 0 0 6 1 .143 .200 .286 .486
/白幡隆宗 12 20 19 1 1 0 0 0 1 1 0 1 0 1 0 0 0 3 1 .053 .050 .053 .103
/吉竹春樹 12 19 18 0 3 0 0 0 3 0 0 0 0 0 1 0 0 3 1 .167 .211 .167 .377
/北村照文 29 15 12 2 3 0 0 0 3 1 1 1 1 0 2 0 0 1 1 .250 .357 .250 .607
/大久保博元 13 13 10 1 1 0 0 0 1 1 0 0 1 0 2 0 0 5 0 .100 .250 .100 .350
/金森永時 4 13 11 1 1 0 0 0 1 0 0 0 2 0 0 0 0 1 0 .091 .091 .091 .182
/仲田秀司 20 8 8 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .000 .000 .000 .000
/行沢久隆 24 7 7 2 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .143 .143 .143 .286

選手・スタッフ

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表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
森山良二 新人王
清原和博 最多勝利打点[注 3] 15点 初受賞
渡辺久信 最多勝利 15勝 2年ぶり2度目
郭泰源 最高勝率 .813 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
伊東勤 捕手 4年連続4度目
清原和博 一塁手 初受賞
秋山幸二 外野手 3年連続3度目
平野謙 初受賞
ゴールデングラブ賞
選手名 ポジション 回数
伊東勤 捕手 4年連続4度目
清原和博 一塁手 初受賞
辻発彦 二塁手 2年ぶり2度目
石毛宏典 三塁手 2年連続2度目[注 4]
平野謙 外野手 2年ぶり4度目
秋山幸二 2年連続2度目

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 渡辺智男 投手 NTT四国 入団
2位 石井丈裕 投手 プリンスホテル 入団
3位 垣内哲也 捕手 日高高中津分校 入団
4位 青野信二 投手 佐伯豊南高 入団
5位 小久保浩樹 外野手 泉尾高 入団

脚注

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注釈

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  1. ^ 偵察メンバーの高山郁夫と交代。
  2. ^ 偵察メンバーの森山良二と交代。
  3. ^ 最多勝利打点の表彰はこの年が最後となった。
  4. ^ 遊撃手部門で5度受賞しており、通算7度目。

出典

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  1. ^ a b 1988年度 日本シリーズ”. 日本野球機構. 2015年6月4日閲覧。
  2. ^ a b 年度別成績 1988年 パシフィック・リーグ”. 日本野球機構. 2015年6月4日閲覧。
  3. ^ 『日本プロ野球記録年鑑 ベースボール・レコード・ブック1989』ベースボール・マガジン社、1988年。ISBN 4-583-02720-6 
  4. ^ 『読売新聞』1988年5月1日付朝刊、14版、17面
  5. ^ 『読売新聞』1988年6月1日付朝刊、14版、19面
  6. ^ 『読売新聞』1988年7月1日付朝刊、14版、19面
  7. ^ 『読売新聞』1988年8月1日付朝刊、14版、19面
  8. ^ 『読売新聞』1988年9月1日付朝刊、14版、19面
  9. ^ 『読売新聞』1988年9月30日付朝刊、14版、19面
  10. ^ 西武ライオンズ公式HP 背番号の歴史”. 埼玉西武ライオンズ. 2015年6月8日閲覧。