1960年イタリアグランプリ
1960年イタリアグランプリ (1960 Italian Grand Prix) は、1960年のF1世界選手権第9戦として、1960年9月4日にモンツァ・サーキットで開催された。
レース詳細 | |||
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1960年F1世界選手権全10戦の第9戦 | |||
モンツァ・サーキット(バンク併用、1955–1961) | |||
日程 | 1960年9月4日 | ||
正式名称 |
XXXI Gran Premio d'Italia XX Gran Premio d'Europa | ||
開催地 |
モンツァ・サーキット イタリア モンツァ | ||
コース | 恒久的レース施設 | ||
コース長 | 10.000 km (6.214 mi) | ||
レース距離 | 50周 500.000 km (310.700 mi) | ||
決勝日天候 | 晴(ドライ) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | フェラーリ | ||
タイム | 2:41:4 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | フィル・ヒル | フェラーリ | |
タイム | 2:43.6 | ||
決勝順位 | |||
優勝 | フェラーリ | ||
2位 | フェラーリ | ||
3位 | フェラーリ |
当レースには「ヨーロッパグランプリ」の冠がかけられた[1]。
レース概要
編集1956年以来4年ぶりにバンクコースとの複合レイアウトが採用され、イギリスのワークスチーム(クーパー、ロータス、BRM)は、バンク部分の路面が荒れていることとマシン各部に負担がかかりすぎて危険だという理由で本レースをボイコットした。参加台数を増やすため急遽F2マシンも寄せ集められたが、ワークスカーはフェラーリ(3台の246と1台のF2用ミッドシップ車156P)とポルシェ(2台のF2用マシン718)だけだった[2]。
レースはフェラーリの独壇場で、F1初勝利を挙げたフィル・ヒルはアメリカ人初のF1ウィナーとなった。これがフェラーリにとってこの年唯一の勝利で、フロントエンジン車による最後の勝利であった。2位にリッチー・ギンサー、3位にウィリー・メレスが続き、3台の246が表彰台を独占したが、イギリス勢が欠場した中での結果であり手放しでは喜べないものであった。なお、156Pを走らせたヴォルフガング・フォン・トリップスも5位に入賞している。ポルシェはハンス・ヘルマンが6位に入賞して、初のポイントを獲得した[3]。
エントリーリスト
編集チーム | No. | ドライバー | コンストラクター | シャシー | エンジン |
---|---|---|---|---|---|
スクーデリア・カステロッティ | 2 | ジュリオ・ガビアンカ | クーパー | T51 | カステロッティ 2.5L L4[4] |
4 | ジーノ・ムナロン | ||||
36 | ジョルジオ・スカルラッティ | マセラティ 250S 2.5L L4 | |||
J.B. ネイラー | 6 | ブライアン・ネイラー | JBW | 59 | マセラティ 250S 2.5L L4 |
アーサー・オーウェン | 8 | アーサー・オーウェン | クーパー | T45 | クライマックス FPF 2.2L L4 |
ヴォルフガング・ザイデル | 10 | ヴォルフガング・ザイデル | クーパー | T45 1 | クライマックス FPF 1.5L L4 |
スクーデリア・コロニア | 12 | ピエロ・ドロゴ | クーパー | T43 1 | クライマックス FPF 1.5L L4 |
H.H. グールド | 14 | ホレース・グールド | マセラティ | 250F | マセラティ 250F1 2.5L L6 |
スクーデリア・フェラーリ | 16 | ウィリー・メレス | フェラーリ | 246 | フェラーリ Tipo155 2.4L V6 |
18 | リッチー・ギンサー | ||||
20 | フィル・ヒル | ||||
22 | ヴォルフガング・フォン・トリップス | 156P 1 | フェラーリ Tipo171 1.5L V6 | ||
ポルシェ KG | 24 | エドガー・バース | ポルシェ | 718 1 | ポルシェ 547/3 1.5L F4 |
ポルシェ・システム・エンジニアリング | 26 | ハンス・ヘルマン | |||
カモラーディ・インターナショナル | 28 | フレッド・ギャンブル | ポルシェ | ベーラ 1 | ポルシェ 547/3 1.5L F4 |
エキップ・プリドー | 30 | ヴィク・ウィルソン | クーパー | T43 1 | クライマックス FPF 1.5L L4 |
スクーデリア・セントロ・スッド | 34 | アルフォンソ・シール | クーパー | T51 | マセラティ 250S 2.5L L4 |
ソース:[5] |
- 追記
結果
編集予選
編集順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 20 | フィル・ヒル | フェラーリ | 2:41.4 | - |
2 | 18 | リッチー・ギンサー | フェラーリ | 2:43.3 | + 1.9 |
3 | 16 | ウィリー・メレス | フェラーリ | 2:43.9 | + 2.5 |
4 | 2 | ジュリオ・ガビアンカ | クーパー-カステロッティ | 2:49.3 | + 7.9 |
5 | 36 | ジョルジオ・スカルラッティ | クーパー-マセラティ | 2:49.7 | + 8.3 |
6 | 22 | ヴォルフガング・フォン・トリップス | フェラーリ | 2:51.9 | + 10.5 |
7 | 6 | ブライアン・ネイラー | JBW-マセラティ | 2:52.4 | + 11.0 |
8 | 4 | ジーノ・ムナロン | クーパー-カステロッティ | 2:53.1 | + 11.7 |
9 | 34 | アルフォンソ・シール | クーパー-マセラティ | 2:56.6 | + 15.2 |
10 | 26 | ハンス・ヘルマン | ポルシェ | 2:58.3 | + 16.9 |
11 | 8 | アーサー・オーウェン | クーパー-クライマックス | 3:01.5 | + 20.1 |
12 | 24 | エドガー・バース | ポルシェ | 3:02.1 | + 20.7 |
13 | 10 | ヴォルフガング・ザイデル | クーパー-クライマックス | 3:07.0 | + 25.6 |
14 | 28 | フレッド・ギャンブル | ポルシェ | 3:10.6 | + 29.2 |
15 | 12 | ピエロ・ドロゴ | クーパー-クライマックス | 3:11.9 | + 30.5 |
16 | 30 | ヴィク・ウィルソン | クーパー-クライマックス | 3:16.5 | + 35.1 |
17 | 14 | ホレース・グールド | マセラティ | No Time | |
ソース:[6] |
決勝
編集順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | グリッド | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 20 | フィル・ヒル | フェラーリ | 50 | 2:21:09.2 | 1 | 8 |
2 | 18 | リッチー・ギンサー | フェラーリ | 50 | + 2:27.6 | 2 | 6 |
3 | 16 | ウィリー・メレス | フェラーリ | 49 | + 1 Lap | 3 | 4 |
4 | 2 | ジュリオ・ガビアンカ | クーパー-カステロッティ | 48 | + 2 Laps | 4 | 3 |
5 | 22 | ヴォルフガング・フォン・トリップス | フェラーリ | 48 | + 2 Laps | 6 | 2 |
6 | 26 | ハンス・ヘルマン | ポルシェ | 47 | + 3 Laps | 10 | 1 |
7 | 24 | エドガー・バース | ポルシェ | 47 | + 3 Laps | 12 | |
8 | 12 | ピエロ・ドロゴ | クーパー-クライマックス | 45 | + 5 Laps | 15 | |
9 | 10 | ヴォルフガング・ザイデル | クーパー-クライマックス | 44 | + 6 Laps | 13 | |
10 | 28 | フレッド・ギャンブル | ポルシェ | 41 | + 9 Laps | 14 | |
Ret | 6 | ブライアン・ネイラー | JBW-マセラティ | 41 | ギアボックス | 7 | |
Ret | 34 | アルフォンソ・シール | クーパー-マセラティ | 32 | ギアボックス | 9 | |
Ret | 4 | ジーノ・ムナロン | クーパー-カステロッティ | 27 | エンジン | 8 | |
Ret | 36 | ジョルジオ・スカルラッティ | クーパー-マセラティ | 26 | エンジン | 5 | |
Ret | 30 | ヴィク・ウィルソン | クーパー-クライマックス | 23 | エンジン | 16 | |
Ret | 8 | アーサー・オーウェン | クーパー-クライマックス | 0 | アクシデント | 11 | |
DNS | 14 | ホレース・グールド | マセラティ | 燃料システム | |||
ソース:[7]
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- ラップリーダー[8]
第9戦終了時点のランキング
編集
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- 注: トップ5のみ表示。ベスト6戦のみがカウントされる。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。
脚注
編集- ^ 当時は毎年各国の持ち回りにより、その年の最も権威のあるレースに対して「ヨーロッパGP」の冠がかけられていた。
- ^ (林信次 1999, p. 100)
- ^ (林信次 1999, p. 100-101)
- ^ ベースはフェラーリ Tipo106(553と555に搭載されていた)。 “Engine Castellotti”. statsf1.com. 2018年3月14日閲覧。
- ^ “Italy 1960 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年3月19日閲覧。
- ^ “Italy 1960 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年3月19日閲覧。
- ^ “1960 Italian Grand Prix”. formula1.com. 22 December 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。20 September 2015閲覧。
- ^ “Italy 1960 - Laps led”. statsf1.com. 2018年3月18日閲覧。
参照文献
編集- 林信次『F1全史 1956-1960』ニューズ出版、1999年。ISBN 4-938495-27-9。
外部リンク
編集前戦 1960年ポルトガルグランプリ |
FIA F1世界選手権 1960年シーズン |
次戦 1960年アメリカグランプリ |
前回開催 1959年イタリアグランプリ |
イタリアグランプリ | 次回開催 1961年イタリアグランプリ |
前回開催 1959年フランスグランプリ |
ヨーロッパグランプリ (冠大会時代) |
次回開催 1961年ドイツグランプリ |