飯田有抄
飯田 有抄(いいだ ありさ、1974年[1] - )は、日本のクラシック音楽ファシリテーター[2]。音楽ライター・翻訳家・ラジオパーソナリティ・トイピアノ奏者などとして活動する。
人物・来歴等
編集北海道小樽市生まれ。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院音楽研究科修士課程修了(武満徹研究)。東京芸術大学音楽研究センター助手[3]を経て、マッコーリー大学通訳翻訳修士課程修了[1][4]。
活動
編集音楽ライターとして、雑誌「ムジカノーヴァ」「CDジャーナル」「ぶらあぼ」などにインタビューやレポート記事を執筆。CDの楽曲解説やコンサートのプログラムノートなども手がける[1]。
翻訳家としては、楽譜の作曲者による解説の英語訳やCDのライナーノーツの日本語訳を行う[1]。
ブルクミュラー探求ユニット「ぶるぐ協会」広報としても活動する[5]。
鍵盤楽器奏者・菅谷詩織とのユニット「一番町小町」では主にトイピアノを担当。
「音楽を愛する人のプレゼンテーション会」(音プレ)実行委員会の代表をつとめている[6]。
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでは、「公式レポーター」の一員として演奏会の様子や会場のあれこれを取材して発信した。2016年には公式ブログ隊[7]の、2017年には公式Facebook隊[8]の「隊長」をつとめた。
2020年5月2 - 4日には、オンラインで開催された音楽祭「丸の内GWミュージックフェスティバル2020」[9][10]の総合司会をつとめた。
その他、音楽イベントでの司会やプレトーク、教育イベントやワークショップのファシリテーター、セミナー講師、アドヴァイザーとして活動する[11]。
著書
編集- 河合楽器製作所『あなたがピアノを続けるべき11の理由』(構成・解説、ヤマハミュージックメディア、2011年)
- 『あなたがピアノを教えるべき11の理由』(構成・解説、ヤマハミュージックメディア、2013年)
- 『ブルクミュラー25の不思議:なぜこんなにも愛されるのか』(前島美保との共著、音楽之友社、2013年)[5]
- 『マンガで教養【CD付き】 はじめてのクラシック』(共著、朝日新聞出版、2017年)
- 『ようこそ!トイピアノの世界へ 世界のトイピアノ入門ガイドブック』(カワイ出版、2020年)
連載
編集ラジオ
編集- NHK-FM放送 あなたの知らない作曲家たち(日本放送協会、2014年8月14日[17]) - ゲスト出演
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA OTTAVA Domenica[18](OTTAVA株式会社、2015年2月15日) - ゲスト出演、ナントのラ・フォル・ジュルネの報告をした
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA OTTAVA ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015 SPECIAL(OTTAVA株式会社、2015年5月3日・5月4日) - ゲスト出演、「公式レポートブログ隊」の一員として見どころを紹介した
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA OTTAVA Salone(OTTAVA株式会社、2016年1月14日 - 2020年3月26日) - 木・金曜日(2016年1月 - 2017年3月)、木曜日(2017年4月 - 2020年3月26日)プレゼンター
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA OTTAVA ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2016 Special 総集編[19](OTTAVA株式会社、2016年5月29日) - プレゼンター
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA PrimeSeat Salon[20](OTTAVA株式会社、2016年6月 - 2017年3月) - ゲスト・プレゼンター[21]
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA OTTAVA Navi[22](OTTAVA株式会社、2017年3月4日[23]・6月10日) - プレゼンター。3月4日は小室敬幸と、6月10日は長井進之介とともに斎藤茂の代演
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA OTTAVA Mall[24](OTTAVA株式会社、2017年5月) - プレゼンター
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA OTTAVA ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 Special 総集編[25](OTTAVA株式会社、2017年6月3日) - プレゼンター
- ミュージックバード music book café(株式会社ミュージックバード、2018年1月10日[26][27]) - ゲスト出演
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA 「濃厚、濃密!ロシア音楽の世界」クラウドファンディングお礼の特別番組[28](OTTAVA株式会社、2018年4月15日) - プレゼンター
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA The World of OTTAVA(OTTAVA株式会社、2019年7月) - プレゼンターとして下記3本を担当
- 12星座☆クラシック その1
- 12星座☆クラシック その2
- リコーダー音楽、そのチャーミングな世界
- レインボータウンFM いいね情報局「斎藤雅広のトキメキ!開運クラシック」(2020年1月19日) - ゲスト出演[29]
テレビ
編集CD
編集- 『OTTAVA Selection vol.9 濃厚、濃密!ロシア音楽の世界』(クラウドファンディングにより制作されたコンピレーション・アルバム、2018年3月) - 選曲・構成・ライナーノーツ
- 『心が育つ だれなに?クラシック』シリーズ(でじじ発行/パンローリング発売、2021年 -) - クラシック音楽の作曲家について音源を交えつつやさしく話すシリーズ
トイピアノ奏者としての活動
編集トイピアニストとして須藤英子(ピアニスト)や駒久美子(音楽教育学者)とユニット「トイピアネット」を結成し、演奏活動を行っている[34][35]。
『OTTAVA Salone』でも、スタジオにトイピアノを持ちこむ。オンエア中に実際に音を出してみせながら調や和音などの解説を行うほか、リスナーのリクエストに応じて楽曲を演奏する。
- 初代:フラ男くん[36](2016年1月21日 - 3月31日) - 飯田のコレクションの中では小型であったため選ばれたが、鍵盤数が少なく弾ける曲が限られた。
- 3代目:ユカリちゃん[39][40](2016年9月15日 -) - OTTAVAのクリスマス・コンサート(後述)にも出演した。飯田のほか、番組内では本田聖嗣(『PrimeSeat/OTTAVA Salone』2017年1月5日の延長放送)や小室敬幸(『OTTAVA Navi』2017年4月15日[41])が演奏している。
- ゲスト出演:きらきらすずこさん[43](2017年7月13日、2017年12月28日、2018年4月12日) - KAWAIのトイピアノ。上記と同一のものかどうかは不明。名無しであったが、7月13日の番組内で名前を募集し、命名された。
『OTTAVA Salone』の菅谷詩織[44](鍵盤ハーモニカ)の出演回には、菅谷が作曲・編曲した楽曲を合奏する。好評なため、二人でユニット「一番町小町(いちばんちょうこまち)」を結成。2016年12月13日の「Buon Natale! OTTAVAクリスマス・コンサート2016」でユニット名を発表、お披露目演奏を行った。2017年9月28日の「小町と子分のUNISON CONCERT vol.1」や2017年10月19日の「森トラスト・ランチタイムコンサート 第311回」では、「一番町子分」(いちばんちょうこぶん、長井進之介と小室敬幸のユニット)と共演した。
その他
編集- 趣味は猫情報を収集すること、猫と昼寝すること、ピアノ小品を愛すること、着物選び、三味線端唄(松永流端唄師範として「松永花有」の名を許される)[1]。
- ロシア音楽を愛好する。『OTTAVA Salone』では、主にニコニコ動画の延長放送枠(飯田の担当回では「放課後」と呼ばれる)にミャスコフスキーをはじめとするロシアの作曲家の楽曲を紹介した。また、2017年11月23日から12月28日まで、コンピレーション・アルバム『OTTAVA Selection vol.9 濃厚、濃密!ロシア音楽の世界~Denseness of Russian Soul』制作のためのクラウドファンディングの募集が行われた。CDが制作可能な60万円を12月19日に達成。最終的には、のべ409人から86万1600円が寄せられ[45]、2018年3月にリリース。リターン(応援のお礼)の一つとして、飯田によるロシアの作曲家イラスト集が用意された。
- 『デジタル毎日』(毎日新聞社)内『クラシックナビ』の連載「OTTAVAの顔たち」で、「リスナーの心のお散歩の同伴者」として紹介された[3]。
- 2016年12月30日の『PrimeSeat/OTTAVA Salone』では、延長放送枠で三味線端唄「春風が」「三下がりさわぎ」を演奏した。
- 2017年1月7日付東京新聞夕刊「ペット大好き」欄で、愛猫「まーくん」「ミネ子」、愛犬「わっち」とともに紹介された[46]。
- 2018年1月4日の『OTTAVA Salone』では、延長放送枠で三味線端唄「梅は咲いたか」「玉川」「相撲甚句」「深川くずし」「ストトン節」「三下がりさわぎ」を演奏した。
- 2019年1月3日の『OTTAVA Salone』では、三味線端唄「夜桜や」「せつほんかいな」を演奏した。
- 2019年度の大阪国際大学・同短期大学部の一般入試(国語)で、共著書『ブルクミュラー25の不思議〜なぜこんなにも愛されるのか』の一文が出題された[47]。
- 2020年1月2日の『OTTAVA Salone』では、延長放送枠で三味線端唄「六段くずし」「奴さん」を演奏した。
- 2020年1月19日の『斎藤雅広のトキメキ!開運クラシック』ゲスト出演時には、三味線端唄「梅と松」を演奏した。
脚注
編集- ^ a b c d e “ブログ「生活之音楽ピース社」”. 2016年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月14日閲覧。
- ^ “Facebookへの投稿(2018年1月15日)”. 2018年1月15日閲覧。
- ^ “飯田 有抄/Arisa Iida(「ピティナ・ピアノ曲事典」音源提供ピアニストプロフィール)”. 2016年2月29日閲覧。
- ^ a b “ブルクミュラー25の不思議(音楽之友社)”. 2016年2月29日閲覧。
- ^ “音楽を愛する人のプレゼンテーション会 公式サイト”. 2016年3月20日閲覧。
- ^ “Vol.5「公式ブログ隊LIVE!」ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの会場から「1日4時間 合計12時間」生放送を行いたい! - クラウドファンディングのMotionGallery”. 2016年3月28日閲覧。
- ^ “Facebookへの投稿(2017年5月3日)”. 2017年5月3日閲覧。
- ^ “【アーカイブ公開中】『丸の内GWミュージックフェスティバル2020』動画配信!(Marunouchi.com)”. 2020年5月14日閲覧。
- ^ “丸の内GWミュージックフェスティバル2020の裏側(技術レポート)(一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ))”. 2020年5月14日閲覧。
- ^ “プロフィール・活動(公式サイト)”. 2018年1月15日閲覧。
- ^ “飯田有抄の音楽でつながる仕事人たち。(ONTOMO)”. 2018年4月2日閲覧。
- ^ “Facebookへの投稿(2017年7月15日)”. 2017年7月15日閲覧。
- ^ “飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」(ONTOMO)”. 2020年5月14日閲覧。
- ^ “Facebookへの投稿(2020年3月27日)”. 2020年5月14日閲覧。
- ^ “Facebookへの投稿(2018年12月17日)”. 2018年12月17日閲覧。
- ^ “8月14日・NHK-FM「あなたの知らない作曲家たち」で音源放送(Takashi Sato, pianist - 佐藤卓史 公式ウェブサイト)”. 2018年1月15日閲覧。
- ^ 2014年10月 - 2015年9月に放送された、高野麻衣と林田直樹、2人のプレゼンターのかけあいを基調にした録音番組。主な内容は、クラシック音楽の最新情報や音楽家のインタビュー、プレゼンターおすすめの本の紹介など。“OTTAVA Domenica on demand(公式サイト)”. 2015年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月27日閲覧。
- ^ “OTTAVA ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2016 Special 総集編(ottava japan 公式YouTubeチャンネル)”. 2016年11月13日閲覧。
- ^ この番組のために都内のサロンで開催されたスペシャルライヴをダイレクトレコーディングによって完全収録した録音番組。PrimeSeatとの共同制作。“新番組 PrimeSeat Salon(OTTAVA公式サイト)”. 2017年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月27日閲覧。
- ^ 2016年6月12日と19日(いずれも本放送日、演奏者:ルイス=フェルナンド・ペレス)、9月18日と25日(同、演奏者:おんがくしつトリオ)、10月30日と11月6日(同、演奏者:宮谷理香)に斎藤茂とともに出演。
- ^ 毎日新聞社『デジタル毎日』内『クラシックナビ』との協業により、「季節感やその日感覚を大切としつつ、国内外のクラシック・シーンの最新情報を、総力を挙げてお届けする」クラシック情報ワイド番組。2017年3月4日時点での正式な番組名は『PrimeSeat/OTTAVA Navi』であった。“OTTAVA Navi(OTTAVA公式サイト)”. 2018年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月27日閲覧。
- ^ “3/4(土)PrimeSeat / OTTAVA Navi プレゼンター変更のお知らせ(OTTAVA公式サイト)”. 2017年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月27日閲覧。
- ^ 音楽やライフスタイルについての情報を雑誌感覚で紹介する録音番組。無料で24時間視聴可能。YouTubeで配信される。
- ^ “OTTAVAラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017Special総集編公開(OTTAVA公式サイト)”. 2017年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月27日閲覧。
- ^ “番組公式ブログ(2018年1月4日)”. 2018年1月15日閲覧。
- ^ “ミュージックブックカフェ 第41回(2018年1月10日)”. 2018年1月15日閲覧。
- ^ “Facebook「OTTAVA」アカウントの投稿(2018年4月15日)”. 2018年4月17日閲覧。
- ^ “Facebookへの投稿(2020年1月19日)”. 2020年1月19日閲覧。
- ^ “ベールを脱ぐ 練習曲の神~ブルクミュラーの「25の練習曲」~(番組公式サイト)”. 2016年10月8日閲覧。
- ^ “Facebookへの投稿(2016年9月24日)”. 2016年10月8日閲覧。
- ^ “ハノン嫌いじゃないぜ!宮川彬良が語る 超有名ピアノ教則本~(番組公式サイト)”. 2019年9月21日閲覧。
- ^ “Facebookへの投稿(2019年9月19日)”. 2019年9月21日閲覧。
- ^ “Facebook「トイピアネット」”. 2016年2月29日閲覧。
- ^ “パウゼ:新しくて懐かしい 「トイピアノ」コンサート(毎日新聞、2015年12月17日)”. 2016年3月7日閲覧。
- ^ “Facebook「OTTAVA」アカウントでの投稿(2016年1月22日)”. 2017年4月15日閲覧。
- ^ “Facebook「OTTAVA」アカウントでの投稿(2016年3月31日)”. 2016年3月31日閲覧。
- ^ “平井千絵さん、トイピアノのリハーサル 飯田有抄さんとOTTAVAスタジオにて(林田直樹によるYouTube投稿、2016年7月14日)”. 2017年4月15日閲覧。
- ^ “Facebook「OTTAVA」アカウントでの投稿(2016年9月23日)”. 2016年9月30日閲覧。
- ^ “Facebook「OTTAVA」アカウントでの投稿(2016年11月11日)”. 2016年11月11日閲覧。
- ^ “小室によるTwitter投稿(2017年4月14日)”. 2017年4月15日閲覧。
- ^ “Facebook「OTTAVA」アカウントでの投稿(2016年12月9日)”. 2016年12月10日閲覧。
- ^ “Facebookへの投稿(2017年7月13日)”. 2017年7月15日閲覧。
- ^ ピアニスト、鍵盤ハーモニカ奏者。クラシックベースな感性であらゆるジャンルにおいて演奏活動をするかたわら、オリジナル楽曲制作や、主にピアノや鍵盤ハーモニカ向けの編曲などを行う。ピアノ指導者のための鍵盤ハーモニカ講座を全国各地で行うほか、内藤晃、中村栄宏(- 2017年9月)、下中拓哉(2017年9月 -)らとともに「おんがくしつトリオ」としても活動するなど、鍵盤ハーモニカの魅力を広く発信している。
- ^ “低価格コンピレーションCDを作りたい!第5弾「濃厚、濃密!ロシア音楽の世界」(MotionGallery)”. 2017年11月26日閲覧。
- ^ “飯田有抄さんとまーくん、ミネ子、わっち 気持ちが通じる3匹との暮らし(東京新聞 TOKYO Web、2017年1月7日)”. 2017年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月26日閲覧。
- ^ 『2020年版 大学入試シリーズ No.471 大阪国際大学 大阪国際大学短期大学部』(共学社、2019年)
関連項目
編集外部リンク
編集- 公式サイト
- 飯田有抄 (arisa.iida.31) - Facebook
- 飯田有抄 (@arisaiida) - X(旧Twitter)
- 飯田有抄の 愛するモノブログ
- ブログ「生活之音楽ピース社」
- トイピアネット (toypianet) - Facebook
- 「みんなのブルグミュラー」 - 「ピティナ」(一般社団法人全日本ピアノ指導者協会)のWebサイトでの連載コラム
- 「みー子さんのピアノ・アレ・コレ」 - 「ピティナ」のWebサイトでの連載コラム(2008/06/23~2012/03/21)※絵は秀逸で、多才な一面を見せる。
- 「ピティナ・ピアノ曲事典」執筆者 解説一覧ページ