電球をめぐる陰謀
『電球をめぐる陰謀』(でんきゅうをめぐるいんぼう、原題: The Light Bulb Conspiracy、仏: Prêt-à-jeter)は、2010年に制作されたドキュメンタリーである[1]。
概要
編集2010年にスペインとフランスが共同し、Media 3.14、ARTE France Cinéma、TV3、TVEなどの制作会社が協力し、Cosima Dannoritzer監督・脚本のもとで制作されたドキュメンタリー映画である[2][3]。
2012年には日本のBS世界のドキュメンタリーで放送されている[4]。
内容
編集昔は消費財を如何に長持ちされることができるかという競争が起こっており、1881年に1500時間の耐久時間を持つ電球を作り出したトーマス・エジソンや、同じように画期的な電球の開発者として名を馳せたアドルフ・シャイエを始めとした発明家はより長い寿命を持つ電球を推し進めていた。しかし、白熱電球の寿命が伸びると販売量が減ってしまうことに気がついた人々は、1924年12月23日にポイボス・カルテルを設立した。そして、1924年には2500時間に伸びていた電球の最大寿命を1000時間に制限することを同団体は定め、ゼネラル・エレクトリック、オスラム、フィリップスなどの電球メーカーがそれに賛同する形で白熱電球の寿命を制限した。この体制は1928年の「消耗されることを拒む製品はビジネスにとって悲劇である(A product that refuses to wear out is a tragedy of business)」という言葉にもみられる。それにあたり、メーカーは積極的に電球の寿命を下げるために意図的に壊れやすい電球を作り上げ、競合他社によって寿命の基準を守っているかを監視される仕組みを作り上げられた。結果的に、ポイボス・カルテル自体は第二次世界大戦後の混乱と競争の激化で解散した。しかし、電球以外にも壊れやすいプリンター、破れやすいストッキングなど、この電球の例を受けて、現在も続く「失敗するエンジニアリング」は数多くみられる。それらを環境問題と経済的視点の両面を取り上げつつ、消費社会に警鐘を呼び掛けているのがこの作品である[2][4][5][6][7][8]。
キャスト
編集監督・脚本 - Cosima Dannoritzer
製作総監督 - Patrice Barrat、Joan Úbeda
映像撮影 - Marc Martinez Sarrado
音楽 - Marta Andrés、Joan Gil Bardagi
編集者 - Georgia Wyss
プロダクション・マネジャー - Davina Breillet
ナレーター - Molly Malcolm
出演 - Steve Bunn、Michael Braungart、マイク・アナネ、Nicols Fox、MIKE GURMAN
脚注
編集- ^ “Mike Anane Top Must Watch Movies of All Time Online Streaming” (英語). Binged. 2021年2月22日閲覧。
- ^ a b “The Light Bulb Conspiracy - Movie” (英語). www.moviefone.com. 2021年2月22日閲覧。
- ^ a b “The Light Bulb Conspiracy – Cast & Crew on MUBI”. mubi.com. 2021年2月22日閲覧。
- ^ a b 日本放送協会. “電球をめぐる陰謀|BS世界のドキュメンタリー|NHK BS1”. BS世界のドキュメンタリー|NHK BS1. 2021年2月22日閲覧。
- ^ Dannoritzer, Cosima (2010-11-30), Prêt-à-jeter, Molly Malcolm, Marcos López Merayo, Lynn Owens, Richard Jones, ARTE, Article Z, Media 3.14 2021年2月22日閲覧。
- ^ “Planned Obsolescence: The Light Bulb Conspiracy” (英語). Economics Student Society of Australia (ESSA) (2012年9月12日). 2021年2月22日閲覧。
- ^ “The Light Bulb Conspiracy” (英語). United Nations Western Europe (2012年4月24日). 2021年2月22日閲覧。
- ^ “Light Bulb Conspiracy” (英語). Video Project. 2021年2月22日閲覧。
- ^ “The Light Bulb Conspiracy - Cast and Crew” (英語). www.moviefone.com. 2021年2月22日閲覧。
- ^ The Light Bulb Conspiracy (2010) - IMDb 2021年2月22日閲覧。