阿部裕幸
阿部 裕幸(あべ ひろゆき、1970年2月9日 - )は、日本の男性総合格闘家。修斗やDEEP、PRIDEのほか打撃格闘技のK-1に出場した経験もあり【阿部兄】の愛称として有名[1]。現在、総合格闘技クラブ「AACC」主宰、兼 トレーナー。7人(10タイトル)の世界チャンピオン、国内チャンピオンを輩出。愛知県一宮市出身。拓殖大学レスリング部出身。二児の父、妻はインフィニティリーグ2019王者の総合格闘家の杉本恵[2]。総合格闘家の阿部マサトシは実弟[3]。
基本情報 | |
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本名 | 阿部 裕幸 |
通称 | 兄ィ |
国籍 | 日本 |
生年月日 | 1970年2月9日(54歳) |
出身地 | 愛知県一宮市 |
所属 |
和術慧舟會 RJW CENTRAL →AACC |
身長 | 168cm |
体重 | 65cm |
階級 | フェザー級、ライト級 |
バックボーン | レスリング |
映像外部リンク | |
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阿部裕幸 出演メディア一覧 - YouTubeプレイリスト |
AACC Sports Academy | |
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YouTube | |
チャンネル | |
活動期間 | 2020年4月6日 - |
登録者数 | 250人 |
総再生回数 | 約2.4万回 |
チャンネル登録者数・総再生回数は 2022年7月18日時点。 |
概要
編集1970年(昭和45年)2月9日、愛知県一宮市出身。名古屋工業高校にレスリングを始め、拓殖大学に進学。
その後、総合格闘技ジムの和術慧舟會に入門。1999年(平成11年)5月29日、プロフェッショナル修斗の高山義幸戦でプロデビュー。レスリングテクニックを生かした組み技の強さとシャープな打撃で頭角を顕し、瞬く間にランキング入りを果たす。
2002年(平成14年)7月には、圧倒的な強さを誇っていた修斗ライト級王者アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラと対戦し、左フック一閃による劇的KO勝利を上げた。
その後、和術慧舟會 RJW CENTRALを経て独立。オクタゴンケージのある常設施設で自身のジムAACCを設立して、選手と指導者の両面で活躍。K-1、シュートボクシング、PRIDEなど様々な大会への出場を続けながら、多数の有力選手を育て、現役引退後はキッズやジュニアの指導にも力を入れ、日本レスリング界屈指の強豪チームとして活躍を続けている。
現在は、大森、原宿、東中野、行徳のゴールドジム内などでクラスを開設している[4]。一般会員向けに総合格闘技、キックボクシング、ブラジリアン柔術を指導する一方で、プロ選手のプロモーションや育成も行っている。キッズではオリンピックレスリングで多数の全国王者を輩出。また多数のプロ格闘家の指導を行い、チャンピオンを多数輩出、指導者として多くの格闘家に影響をもたらしている。
2020年(令和2年)8月現在、7人(10タイトル)の世界チャンピオン、国内チャンピオンを輩出。内訳は#主なトレーナー実績にて。女子選手の育成では日本随一の指導力を持つと呼ばれている[5] [6] [1][7][8][9]。
RIZINで活躍中の浜崎朱加[10]やRENA[11][12]など現役チャンピオンのコーチを務める[13]。また英語が堪能のためフランク・シャムロックのセコンドや、ジェシカ・アンドラージ、元UFCヘビー級王者ジョシュ・バーネットら、多くの外国人選手が阿部ジムに練習へ訪れる[14]。
来歴
編集選手時代
編集- 1999年
- 2000年
- 9月15日、修斗でステファン・パーリングに2RTKO負け。
- 2001年
- 4月12日、アブダビコンバット1回戦でホブソン・モウラにチョークスリーパーで一本負け。
- 6月15日、マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟で佐藤堅一(士道館)に腕ひしぎ十字固めで一本勝ち。※サムライルール(ラウンドごとにキックとグラップリングのルールが変わるミックスルール)を適用[15]。
- 8月15日、クラブコンテンダーズで所英男と時間切れ引き分け。
- 2002年
- 2月1日、シュートボクシングでダニー・バッテンに判定勝ち。
- 3月15日、修斗でバレット・ヨシダと判定引き分け。
- 7月19日、修斗ライト級(-65kg)王者のアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラとノンタイトル戦で対戦し、1R4分37秒左フックでKO勝ち。
- 12月14日、修斗ライト級チャンピオンシップでアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラと再戦し、1Rスリーパーホールドで一本負けを喫し王座獲得に失敗した。
- 2003年
- 2月11日、プロ柔術Gi-02・第2回プロフェッショナル柔術リーグ1回戦で梅村寛にポイント(6-2)勝ち。2回戦でアギナルド・タバ(INFIGHT)にポイント(2-8)負け。
- 3月1日、K-1 WORLD MAX 2003 日本代表決定トーナメントで村浜武洋に2RKO負け。
- 11月1日、プロ柔術DESAFIOで小野瀬龍也にポイント(0-2)負け。
- 2004年
- 1月24日、IKUSAでDAVIDとシュートボクシングルールで対戦し、判定負け。
- 7月19日、PRIDE 武士道 -其の四-の武士道挑戦試合でルイス・ブスカペに1R肩固めで一本負け。
- 9月19日、プロ柔術Gi-05で片岡誠人にポイント(0-2)負け。
- 2005年
- 2月26日、Euphoriaでライアン・シュルツに2RTKO負け。
- 5月7日、KOTC世界バンタム級(-66kg)タイトルマッチでユライア・フェイバーに3RTKO負けを喫し王座獲得に失敗した。
- 9月16日、全日本キックボクシング連盟「STACK OF ARMS」で山本優弥に2RKO負け。
- 2006年
- 4月22日、Cage Rage 16でブラッド・ピケットと対戦し、判定負け。
- 7月8日、club DEEP 東京でファブリシオ・"ピットブル"・モンテイロに2Rアンクルホールドで一本負け。モンテイロは契約体重オーバーでイエローカード2枚のペナルティ。
- 2007年
- 2009年
- 11月28日、ロシアで開催されたBushido FCのライト級ワンデイトーナメントに出場し、1回戦でアルチョム・ダムコフスキーに判定負けを喫した。
- 2011年
- 7月10日、Zepp Nagoyaで開催されたDEEP CAGE IMPACT 2011 in Nagoya公武堂ファイトで坪井淳浩の引退試合に出場、判定勝利した[17]。
- 2012年
引退後~指導者
編集- 2014年
- 全日本学生選手権2年連続準優勝のエリートレスリング選手・杉本恵と結婚。
戦績
編集総合格闘技
編集総合格闘技 戦績 | ||||||
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27 試合 | (T)KO | 一本 | 判定 | その他 | 引き分け | 無効試合 |
8 勝 | 2 | 3 | 3 | 0 | 3 | 1 |
15 敗 | 7 | 5 | 3 | 0 |
勝敗 | 対戦相手 | 試合結果 | 大会名 | 開催年月日 |
× | 大澤茂樹 | 1R 4:12 KO(左ストレート→パウンド) | 修斗 | 2012年9月30日 |
○ | 坪井淳浩 | 5分2R終了 判定3-0 | DEEP CAGE IMPACT 2011 in Nagoya | 2011年7月10日 |
× | アルチョム・ダムコフスキー | 5分2R終了 判定0-3 | Bushido FC: Legends 【ライト級トーナメント 1回戦】 |
2009年11月28日 |
× | 今成正和 | 3R 4:32 アンクルホールド | DEEP 32 IMPACT | 2007年10月9日 |
× | サミ・アジズ | 1R 2:31 TKO(パウンド) | BodogFight: Vancouver | 2007年8月25日 |
× | リオン武 | 1R 4:05 TKO(右ストレート) | 修斗 BACK TO OUR ROOTS 1 | 2007年2月17日 |
△ | 松下直揮 | 5分2R終了 時間切れ | PRIDE 武士道 -其の十二- | 2006年8月26日 |
× | ファブリシオ・"ピットブル"・モンテイロ | 2R 1:52 アンクルホールド | club DEEP 東京 | 2006年7月8日 |
○ | ディビッド・パディーリャ | 1R 3:15 腕ひしぎ十字固め | 修斗 SHOOTO The DEVILOCK | 2006年5月12日 |
× | ブラッド・ピケット | 5分3R終了 判定0-3 | Cage Rage 16: Critical Condition | 2006年4月22日 |
× | 不死身夜天慶 | 5分3R終了 判定0-3 | 修斗 SHOOTO The victory of The truth | 2006年2月17日 |
○ | ジョーイ・"ノックダウン"・ブラウン | 1R 1:40 ヒールホールド | Euphoria: USA vs. Japan | 2005年11月5日 |
× | ユライア・フェイバー | 3R 2:37 TKO(カット) | KOTC: Mortal Sins 【KOTC世界バンタム級タイトルマッチ】 |
2005年5月7日 |
× | ライアン・シュルツ | 2R 0:42 TKO(右ハイキック→パウンド) | Euphoria: USA vs. World | 2005年2月26日 |
× | 石川真 | 3R 0:40 TKO(カット) | 修斗 | 2004年12月14日 |
- | ルス・ミウラ | 1R 2:29 ノーコンテスト | KOTC 44: Revenge | 2004年11月14日 |
× | ルイス・ブスカペ | 1R 2:52 肩固め | PRIDE 武士道 -其の四- | 2004年7月19日 |
× | ジョン・ホーキ | 2R 4:59 腕ひしぎ十字固め | 修斗 SHOOTO GIG CENTRAL Vol.4 | 2003年9月21日 |
× | アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ | 1R 3:53 スリーパーホールド | 修斗 【修斗ライト級チャンピオンシップ】 |
2002年12月14日 |
○ | アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ | 1R 4:37 KO(左フック) | 修斗 TREASURE HUNT 06 | 2002年7月19日 |
△ | バレット・ヨシダ | 5分3R終了 判定1-1 | 修斗 TREASURE HUNT 05 | 2002年3月15日 |
○ | 井上和浩 | 1R 4:00 TKO(ドクターストップ) | 修斗 SHOOTO TO THE TOP | 2001年11月25日 |
× | ステファン・パーリング | 2R 2:23 TKO(右フック) | 修斗 R.E.A.D. 〜2000 SHOOTO〜 | 2000年9月15日 |
○ | 野中公人 | 5分2R終了 判定3-0 | 修斗 R.E.A.D. 〜2000 SHOOTO〜 | 2000年5月22日 |
△ | 大石真丈 | 5分2R終了 判定1-0 | IV 修斗 the Renaxis 1999 | 1999年9月5日 |
○ | 高山義幸 | 5分2R終了 判定3-0 | 修斗 the Renaxis 1999 "10 Years Anniversary" | 1999年5月29日 |
○ | アンドリュー・ケアー | 2R 2:22 腕ひしぎ十字固め | THE GCM 出島バーリトゥード | 1998年8月29日 |
キックボクシング
編集勝敗 | 対戦相手 | 試合結果 | 大会名 | 開催年月日 |
× | 及川知浩 | 3R 1:06 TKO(右ローキック) | SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT GROUND ZERO TOKYO 2007 |
2007年10月28日 |
× | 山本優弥 | 2R 2:16 KO(膝蹴り) | 全日本キックボクシング連盟「STACK OF ARMS」 | 2005年9月16日 |
× | DAVID | 3分3R終了 判定0-3 | FUTURE FIGHTER IKUSA 5 〜乱〜 MONKEYMAGIC 【シュートボクシングルール】 |
2004年1月24日 |
× | 村浜武洋 | 2R 2:48 KO(左膝蹴り) | K-1 WORLD MAX 2003 〜日本代表決定トーナメント〜 | 2003年3月1日 |
○ | ダニー・バッテン | 3分5R終了 判定3-0 | シュートボクシング「The age of "S" vol.1」 | 2002年2月1日 |
グラップリング
編集勝敗 | 対戦相手 | 試合結果 | 大会名 | 開催年月日 |
× | マウリシオ・ソウザ | 1R 3:54 腕ひしぎ三角固め | DEEP X | 2007年6月18日 |
× | ホブソン・モウラ | 延長戦 チョークスリーパー | ADCC 2001 【66kg未満級 1回戦】 |
2001年4月 |
× | アンソニー・ハムレット | 判定 | ADCC 2000 【66kg未満級 1回戦】 |
2000年3月 |
○ | 勝田哲夫 | 8:41 チョークスリーパー | ADCC 2000日本予選 【65kg未満級 決勝戦】 |
2000年1月23日 |
○ | 梅村寛 | ポイント4-0 | ADCC 2000日本予選 【65kg未満級 準決勝】 |
2000年1月23日 |
○ | 中塚靖人 | ポイント4-0 | ADCC 2000日本予選 【65kg未満級 準々決勝】 |
2000年1月23日 |
○ | 正田昭治 | チョークスリーパー | ADCC 2000日本予選 【65kg未満級 2回戦】 |
2000年1月23日 |
○ | 小塚誠司 | ポイント4-0 | ADCC 2000日本予選 【65kg未満級 1回戦】 |
2000年1月23日 |
× | ジョン・ホーキ | アドバンテージ | ADCC 1999 【66kg未満級 1回戦】 |
1999年2月 |
獲得タイトル
編集- ADCC 2000日本予選 65kg未満級 優勝(2000年)
主なトレーナー実績
編集- 50音順
- 赤野仁美 - 第2代スマックガールミドル級チャンピオン(2006年)
- 塩田さやか - 第7回 アブダビコンバット 女子55kg級チャンピオン(2007年)
- 玉田育子 - 初代VALKYRIEフライ級チャンピオン(2008年)
- 浜崎朱加 - 初代JEWELSライト級チャンピオン(2010年)、第4代Invicta FC世界アトム級チャンピオン(2015年)、初代RIZIN女子スーパーアトム級チャンピオン(2018年)、第3代目RIZIN女子スーパーアトム級チャンピオン(2020年)
- BJ - 第2代修斗世界バンタム級チャンピオン(2006年)
- 本野美樹 - DEEP JEWELSストロー級チャンピオン(2020年)
- MIKE - ライジングオン フェザー級チャンピオン(2012年)
ニュース掲載(トレーナーとして)
編集- 日本レスリング協会「質・量とも全国一へ! 総合格闘家・阿部裕幸代表率いるAACC」 https://www.japan-wrestling.jp/2014/07/30/53851/
- 日本レスリング協会「東京ACCC特集・今は我慢の時期、楽しいと思える遊びを増やしている」 https://www.japan-wrestling.jp/2020/07/06/161883/
- 「ちびっ子レスリングの全国王者を多数輩出するAACCに潜入 阿部裕幸代表に聞く、強さの秘密~前編」 https://vitup.jp/20180330_aacc01/amp/
- 「ちびっ子レスリングの全国王者を多数輩出するAACCに潜入 阿部裕幸代表に聞く、強さの秘密~後編」 https://vitup.jp/20180407_aacc03/amp/
著書・DVD
編集- 著書
- 総合格闘技「技」の読本!―関節技、絞め技、組み技、投げ技、打撃…37の技を連続写真で解明! (MCプレス) ISBN 978-4901972420
- 総合格闘技 関節技・絞め技を極めるテクニック(MCプレス) ISBN 978-4862950017
- DVD
- 阿部裕幸 勝つためのレスリング(クエスト) EAN 4941125639088
脚注
編集- ^ a b 日本レスリング協会「質・量とも全国一へ! 総合格闘家・阿部裕幸代表率いるAACC」
- ^ 修斗 1.27 後楽園ホール:杉本恵、6年ぶり復帰。トライアウトルールで木越めぐみと対戦
- ^ 【Shooto 30th Anniv.】韓国期待のキ・ウォンビンが再来日、阿部弟復帰戦で中川マイケルと
- ^ 【ゴールドジム】5・19所英男ら有名格闘家がチャリティイベント
- ^ 「ちびっ子レスリングの全国王者を多数輩出するAACCに潜入 阿部裕幸代表に聞く、強さの秘密~前編」
- ^ 「ちびっ子レスリングの全国王者を多数輩出するAACCに潜入 阿部裕幸代表に聞く、強さの秘密~後編」
- ^ 日本レスリング協会「東京ACCC特集・今は我慢の時期、楽しいと思える遊びを増やしている」
- ^ 「女子格闘技を見続けてきた男」を語る過去・現在・未来/AACC主宰・阿部裕幸
- ^ AACC Celebrates 20 Years
- ^ 【RIZIN】女子部門に新風を吹き込む最強女王・浜崎朱加「全ての試合で一本を狙う」
- ^ 【RIZIN】KOリベンジのRENA「1Rやられてからスイッチが入った」
- ^ 【東京スポーツ】「RIZIN」で総合デビューのRENAがスタンドKO宣言
- ^ 【ベラトール】RENAが決戦前に浜崎朱加らとニューヨークで練習「かなり調子良き
- ^ 【コラム】桜庭和志vsフランク・シャムロック裏話
- ^ 【YAHOO!ニュース】新格闘技サムライルールでキックボクシング王者と修斗ランカーが対戦
- ^ 【シュートボクシング】10・28三戦立ちは出るのか? 阿部裕幸が及川知浩と対戦
- ^ 【DEEP】7・10坪井淳浩がケージで引退試合、最後の相手は阿部裕幸に決定
- ^ 【修斗】9・30阿部裕幸が5年7カ月ぶりに参戦、大澤茂樹とレスラー対決
関連項目
編集外部リンク
編集- 阿部裕幸 (@abeani111) - Instagram
- 阿部裕幸 (hiroyuki.a.abe) - Facebook
- オフィシャルブログ「Impossible is Nothing」
- PRIDE 選手データ - Internet Archive
- 修斗 選手データ
- バウトレビュー 選手データ
- 阿部裕幸の戦績 - SHERDOG