足和田山

山梨県南都留郡富士河口湖町と鳴沢村とにまたがる山

足和田山(あしわだやま)は、山梨県南都留郡富士河口湖町[4]鳴沢村とにまたがる標高1,354.9 m[2]

足和田山
東北東側の河口湖畔から望む足和田山(2015年10月26日撮影)
東北東側の河口湖畔から望む足和田山
標高 1,354.91[1] m
所在地 日本の旗 日本
山梨県南都留郡富士河口湖町鳴沢村
位置 北緯35度29分38.87秒 東経138度42分27.56秒 / 北緯35.4941306度 東経138.7076556度 / 35.4941306; 138.7076556座標: 北緯35度29分38.87秒 東経138度42分27.56秒 / 北緯35.4941306度 東経138.7076556度 / 35.4941306; 138.7076556[2]
山系 御坂山地[3]
足和田山の位置(日本内)
足和田山
足和田山の位置
プロジェクト 山
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概要

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山域は富士箱根伊豆国立公園の特別地域または普通地域の指定を受けている[5]。山梨県により山梨百名山の一つに選定されている[6]箱根足柄山愛鷹山と共に「富士三脚(富士三足[3])」と呼ばれている[4]富士五湖の中央に位置し[7]、各湖が見られることから五湖台とも呼ばれている[4][8]。実際には五湖を一度に見られるポイントはない[7]。山頂には二等三角点(点名が「檀ノ山」、標高1,354.91 m[1])と展望台が設置されている。富士山の北には西湖があり、この西湖と富士山の間を東西に伸びる山の最高点が足和田山。富士山周辺の山の中でも最短距離で富士山の眺望が楽しめる。[9] 山上にはマツムシソウノアザミ[8]アカマツモミなどが分布している[3][4]。山域の一部は、カラマツヒノキの植林地として利用されている[7]。西側の稜線上には三湖台と紅葉台の展望名所があり、青木ヶ原富士山西湖などを見渡すことができる[3]江戸時代の『甲斐国志』では、山全体をが壇ノ山(ダンノ山)と表記され、山頂部を雨乞山や足和田山などとされている[3]。東側の山中には行者屋敷と呼ばれる場所と小さながあり、山岳信仰雨乞いの名残を留めている[3]。山頂から東北東1.9 kmの尾根上の鞍部大嵐天神社があり、「山神社本殿」が富士河口湖町の有形文化財に指定されている[10]

登山

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山頂の展望台
 
山上の稜線付近を横断する東海自然歩道

日帰り登山の対象となる山で[11]、以下の登山道ハイキングコース)が開設されている[12]。代表的な南山麓の一本木バス停からのコース(無雪期・天候良好時)は、山梨県により技術的難易度が「ランクA/(A-E)」(低い-中程度)、体力度が「1/1-10」(低程度、日帰りが可能)とされている[11]。一部のコースは、東海自然歩道の富士山北麓コースの一つの紅葉台コース(紅葉台 - 三湖台 - 足和田山 - 大和田)を兼ねている[3][13][14]。足和田山から紅葉台へは東海自然歩道でつながり、穏やかな道が続く。三湖台からは眼下に広大な青木ヶ原樹海が見渡せる。[9] 山頂には2階建て相当の展望台、テーブル、ベンチなどが設置されている[13]。展望台からは富士山や南アルプスが見渡せる[13]。山頂の西側の稜線上から少し北側に離れた位置には三湖台があり、大きな広場があり東屋が設置されていて青木ヶ原、西湖、御坂山地が見渡せる[8][13]

  • 西湖民宿バス停 - 三湖台 - (東海自然歩道) - 足和田山
  • 足和田出張所バス停 - 足和田山
  • 天神下バス停 - 大嵐天神社 - 足和田山
  • 大嵐入口 - 大嵐天神社 - 足和田山
  • 一本木バス停(大和田地区) - (東海自然歩道) - 足和田山[3][8][13]
  • 紅葉台入口バス停または鳴沢氷穴バス停 - 紅葉台 - 三湖台 - (東海自然歩道) - 足和田山[8][13]

地理

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東西に連なる御坂山地の主稜線上にある毛無山(標高1,500 m)から南側に派生する独立峰[3] のような山[2]。山域の北西端は西湖、北東端は河口湖で各に流れる多数の河川源流となる山である[2]。南側で富士山に接し、地形図では南側に河川は見られない[2]。山域の西側で青木ヶ原に接し、特別天然記念物鳴沢熔岩樹型』や天然記念物鳴沢氷穴』などの名所がある[2]

周辺の山

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三湖台(標高1,202 m)の広場

富士山の北15 kmに位置する[2]。山頂の西南西1.4 kmに四等三角点(点名が「鳴沢」、標高1237.49 m)、西南西2.4 kmの三湖台に四等三角点(点名が「紅葉台」、標高1202.48 m)、西南西2.7 kmの紅葉台に三等三角点(点名が「物見所」、標高1164.63 m)、東北東2 kmに四等三角点(点名が「一之瀬」、標高946.54 m)が設置されている[1]。山頂に東約1 kmにある標高点(1,233 m)のピークは段和山と呼ばれている[8]。周辺の主な山を下表に示す[2]

山容 山名 標高(m)
[注釈 1][1]
三角点等級
基準点名[1]
足和田山からの
方角距離(km)
備考
  三ッ峠山 1,785.23  二等
「水峠」
 東北東 11.1 日本二百名山
山梨百名山
  黒岳 1,792.68  一等
「黒岳」
 北北東 7.5 御坂山地最高峰
山梨百名山
  鬼ヶ岳 1,738   北西 4.0
  足和田山 1,354.91  二等
「檀ノ山」
  0 山梨百名山
  竜ヶ岳 1,485  西南西 12.4 天子山地
山梨百名山
  富士山 3776.12  二等
「富士山」
 南 15.0 日本の最高峰
日本百名山
南東側の明神山から望む足和田山の周辺、富士山の北15 kmに位置する。

交通・アクセス

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観光スポットである紅葉台の展望台

南山麓に国道139号が通り道の駅なるさわがあり、北山麓に山梨県道710号青木ヶ原船津線が通り道の駅かつやまがある[2]。山域の北端付近を山梨県道21号河口湖精進線が東西に通り御坂山地を文化洞トンネルが貫通している[2][15]。これらの国道県道沿いには多数の富士急バスバス停があり、登山口となる[15]。南西山麓から紅葉台へは林道が通じていて、紅葉台には駐車場売店(屋上に展望台)があり[13]、観光客が訪問する[7]。紅葉台から三湖台の先の山頂方面まで稜線上の東海自然歩道と並行するように南側には林道が通る[13]

周辺の主な名所や施設

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山麓や周辺の主な施設を以下に示す[12]

足和田山の風景

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足和田山からの眺望

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山頂の展望台からは樹木に遮られて、西湖と河口湖はよく見えないが、山頂から三湖台からは紅葉台にかけての稜線上からは各湖が望める[7]。五湖台(足和田山)および三湖台が、2016年平成28年)2月に環境省により、富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、富士箱根伊豆国立公園と周辺地域の代表的な富士山の展望地である『富士山がある風景100選』の一つとして選定された[16]。平成6年度に富士山NETにより、三湖台と紅葉台が『新富嶽百景』の一つに選定された[17]  ウィキメディア・コモンズには、足和田山から眺望に関するカテゴリがあります。

脚注

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注釈

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  1. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。

出典

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  1. ^ a b c d e 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2018年1月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 地理院地図(電子国土Web)・「足和田山」”. 国土地理院. 2018年1月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 日本山岳会 (2005)、827-828頁
  4. ^ a b c d e 徳久 (1992)、16頁
  5. ^ 富士箱根伊豆国立公園の区域図(富士山・箱根地域)” (PDF). 環境省. 2018年1月21日閲覧。
  6. ^ 山梨日日新聞社 (2004)
  7. ^ a b c d e 上野 (1991)、148-151頁
  8. ^ a b c d e f g 成美堂出版編集部 (2004)、26-29頁
  9. ^ a b 登山ルート・山旅スポット. “足和田山(あしわだやま)登山ルート・難易度”. 山旅旅. 2020年9月2日閲覧。
  10. ^ 山神社本殿”. 富士河口湖町. 2018年1月22日閲覧。
  11. ^ a b 山梨県版「山のグレーディング」検討会 (2015年8月6日). “山梨県 山のグレーディング~無雪期・天候良好時の「登山ルート別 難易度評価」~” (PDF). 山梨県. pp. 1. 2018年1月21日閲覧。
  12. ^ a b 昭文社地図編集部 (2016)
  13. ^ a b c d e f g h 佐古 (2011)、24-25頁
  14. ^ 東海自然歩道山梨県内のコースパンフレット(page2)” (PDF). 山梨県 (2017年3月29日). 2018年1月21日閲覧。
  15. ^ a b 富士山周遊バスのガイドマップ” (PDF). 富士急行. 2018年1月21日閲覧。
  16. ^ 富士箱根伊豆国立公園"富士山がある風景100選"ページ”. 環境省 (2017年3月30日). 2018年1月22日閲覧。
  17. ^ 新富嶽百景”. 山梨日日新聞社. 2018年1月22日閲覧。

参考文献

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  • 上野巌『山梨のハイクコース』山梨日日新聞社〈山日カラーブックス〉、1991年3月。 
  • 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 佐古清隆『富士山の見える山 ベストコース45』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイドNEXT〉、2011年10月5日。ISBN 978-4635014427 
  • 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 
  • 山岳図書編集部 編『東京周辺ワンデイハイク』山と溪谷社〈アルペンガイド〉、1994年8月。ISBN 4-635-00461-9 
  • 昭文社地図編集部 編『富士山 御坂・愛鷹』昭文社山と高原地図2016年版〉、2016年3月30日。ISBN 978-4398762917 
  • 山梨日日新聞社(編集) 編『山梨百名山』山梨日日新聞社、2004年3月。ISBN 4897108500 
  • 山村正光『富士を眺める山歩き』毎日新聞社、2001年6月1日。ISBN 4620315192 
  • 成美堂出版編集部 編『ゆっくり登れる富士山と富士山の見える山』成美堂出版、2004年4月。ISBN 4415099467 

関連項目

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外部リンク

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