池
池(いけ、英語: pond)とは、
解説
池は地面がくぼんだところに水がたまったところである。
同様のものを
貯水池、ため池
水を貯めるために作られた池を貯水池と言う。水を貯めておくために、新たに地面を掘ったり周囲に土盛りをするなどして人工的に作るものもあり、また、もともと自然のある池に手を加えるなどして作るものもある。イギリスでは火災発生時に消火用水を供給するための池が作られている。
日本では水田に安定的に水を供給する必要があるため、人工的に作られたため池が多い。ため池は定期的に水中の草刈や整備が行われており、怠ると崩壊する可能性がある。最近では灌漑設備が普及し、利用されることが少なくなり、堆積により埋まったり、廃棄物の不法投棄が行われてしまったりすることがある。
庭園や公園の池
人が地面を掘り、くぼみを作り、そこに水をためたものも池と言う。水が地下に逃げないようにする必要があるが、この種で代表的なのは庭の池で、通常は審美的な目的で野生生物の生息地を提供するため、または水泳のために、庭または風景に構築されたウォーター・フィーチャーをいう。庭の池は優れた野生生物の生息地となるため淡水野生生物の保護に貢献できうる。トンボやカブトムシなどの無脊椎動物や両生類は、新しい池にすばやく定着することができまた所有者は、庭の池が複製する小さな水域の生態を多くの独創的かつ貴重な観察を行うこともある。
ただし庭の池も問題を引き起こし、特に外来の植物が広がる経路となる場合もある。イギリスでは移入種であるクラッスラ属の一種 Crassula helmsii とオオフサモ Myriophyllum aquaticum がともに、庭の池より逸出し定着することで、淡水環境を保護する上で問題を引き起こしていることが知られる。
池は、自然のプロセスまたは人の手によって施工されるが、地面の穴の起源は池で見つかる野生生物の種類にほとんど違いをもたらさない。さらに重要なのは、池が汚染されているかきれいであるか、他の湿地にどれだけ近いか、その深さ、特に時々枯れるどうか、魚がもしいれば何匹いるかである。当然のことながら、池は、川のような他の淡水よりも、物理的および化学的条件が日によって異なり、日中も異なる。しばしばこうした自然傾向に対処するために庭の池にポンプを設置するが特により高いレベルの溶存酸素を維持するためで、これは一般的な野生生物にはおそらく必要ではないが小さな池に魚を飼う場合には不可欠とされる。汚染された栄養豊富な水道水が水源の池では、フィルターを使用して藻類の量を減らすことがなされる。
ヨーロッパの庭園の池の形は、伝統的には円(正しい円)や正方形や長方形が多い。ヨーロッパでは「シンメトリーが美しい」とする伝統、美的感覚、庭園理論(ランドスケープ理論)などがあるためである。(地面を掘り下げもするが、それに加えて)、しばしば池の周囲をブロックやレンガやコンクリートなどで囲む、ということも行う。池に噴水や泉を設置する、というのもひとつの典型的なスタイルである。
日本の庭園ではさまざまなスタイルがあるが、伝統的な日本庭園は自然を模しているので(ヨーロッパのようなシンメトリーをとらず)、その池も複雑な形になっているものが多い。しばしば池の脇に、渓谷を模した岩をいくつか配置し、(まるで水が山地や渓谷から流れ下り、やがて平地にいたるように)岩から池へと水をひいているものが多い。有名な庭園の池のなかには「心」という文字のかたち(筆で「心」を草書体で書いたかたち)にしてあるものがいくつもある。これを
日本の庭園の庭では鯉や金魚を飼育することも多い。水漏れを防ぐ方法のひとつは粘土だが、これは維持に手間がかかる。他にコンクリートで作る方法があり、維持に手間がかからないのがメリットであるが、作った直後はコンクリートから水酸化カルシウムがにじみ出て水がアルカリ性になるので魚を入れられず、魚を入れる前に数カ月ほど乾燥・放置し、その後に何日か水を入れ替えつづけ水のpHが落ち着くのを確認してから、ようやく魚を入れることができるようになる。
大きな池や凝った池は庭園業者や庭園職人などに作ってもらうことが一般的だが、さほどの規模でないものや簡素なものはDIYで作ることも可能である。
(昭和期あたりから)プラスチック製の小さな池(ひょうたんの形をしたいわゆる「ひょうたん池」など)も園芸店やホームセンターで販売されるようになった。質感や風情は劣りサイズもかなり小さいが、車に積んで持ち帰り、それを庭に埋めたり置くだけで即日で池ができる。