藤澤仁
藤澤 仁(ふじさわ じん、1970年12月 - )は、日本のゲームクリエイター、小説家。株式会社MIXIにて、次世代エンターテインメント室室長を務めている。また一方で、物語づくりを専門とする株式会社ストーリーノートの代表も兼ねる。通称はフジゲル、ふじくす。
ふじさわ じん 藤澤 仁 | |
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生誕 | 神奈川県 |
職業 |
ゲームディレクター ゲームプロデューサー シナリオライター 小説家 |
雇用者 | 株式会社MIXI |
著名な実績 | 『ドラゴンクエストIX』『ドラゴンクエストX』ディレクター |
来歴
編集システムエンジニアを経て[1]、1998年より堀井雄二のアシスタントとして『ドラゴンクエストシリーズ』のシナリオ制作に参加。以降、『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』、『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』等の作品にシナリオスタッフとして携わるが[2]、『VIII』ではそれ以外にもバトルシステムをはじめ、ディレクターに近い役割を務めるようになる[1]。
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』ではバトルディレクターを担当。『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』において、初のディレクターを務め、従来の転職システムと『VIII』のスキルシステムを組み合わせた成長システムを採用した。
『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』ではVer.1のディレクターおよびシナリオライターを務めた(Ver.2はシナリオ原案のみ)。
2009年には、CEDECにて堀井雄二、市村龍太郎とともに「国民的ゲームとは何か? 〜ドラゴンクエストの場合〜」というタイトルで基調講演を行っている[2][3]。
2013年には、CEDECにて「『日本人のためのMMORPGの開発』〜『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』の挑戦〜」というタイトルで講演を行っている[4][5]。
2016年に、初のオリジナル作品であるスマートフォン向けアプリ『予言者育成学園 Fortune Tellers Academy』の配信を開始した。ディレクター・シナリオライターに加え、プロデューサーを務めている[6]。
また、2010年より「日本ゲーム大賞」に設立された、ゲームデザイナーがプロの視点でゲームの独創性や斬新性を審査する「ゲームデザイナーズ大賞」には、審査員のひとりとして参加している[7]。
2018年4月、スクウェア・エニックスを退社していたことを自身のTwitterアカウント上で公表した。これに伴い『予言者育成学園』のサービスも2018年6月29日に終了予定が告知され[8]、予定通りサービスは終了した。
フロム・ソフトウェアに所属し、短期間実験的なプロジェクトに取り組んでいた[9]。
その後、株式会社ミクシィにて、スポーツ関連事業での新展開を担当する「次世代エンターテインメント室」の室長に就任した[9]。
また、物語づくり専門の会社である株式会社ストーリーノートを立ち上げ、代表を務めている[9]。
2019年6月には、初の著作となる小説『夏の呼吸』を刊行。ゲーム制作に携わるより前に執筆した文芸2作品を収録している。表題となっている『夏の呼吸』は、1992年の「中央公論新人賞」の最終候補に選ばれた作品[10]。
ニックネーム
編集『ドラゴンクエストX』では「ふじくす」というキャラクターネームを使用している。
また、『ドラゴンクエストX』のVer.1の最終ボスのネルゲルに似ていることからフジゲルとも呼ばれる。『アストルティア冒険記』(集英社、ISBN 978-4-08-779663-6)の小冊子「鳥山明 THE WORLD OF DRAGON QUEST X」のコメントによると、藤澤をモデルにネルゲルをデザインしたという噂については、鳥山には未確認だという。
人物
編集作品
編集ゲーム
編集- ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち(PlayStation/2000年):シナリオアシスタント
- ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(PlayStation/2001年):シナリオアシスタント
- ドラゴンクエストV 天空の花嫁(PlayStation 2/2004年):シナリオアシスタント
- ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君(PlayStation 2/2004年):シナリオスタッフ
- ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー (ニンテンドーDS/2006年):バトルディレクター
- ドラゴンクエストIX 星空の守り人(ニンテンドーDS/2009年):ディレクター
- エルアーク 追加シナリオ「時渡りの飛竜サルバ」(モバイルゲーム/2010年):シナリオ原案、シナリオ
- ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン(Wii/2012年):ディレクター、シナリオ
- ドラゴンクエストX 眠れる勇者と導きの盟友 オンライン(2014年):シナリオ原案
- 無限∞ナイツ(モバイルゲーム/2015年):シナリオ原案
- 予言者育成学園 Fortune Tellers Academy(スマートフォンアプリ/2016年):プロデューサー兼ディレクター
- プロ野球が好きだ!2017(スマートフォンアプリ/2017年):企画監修
- Gate of Nightmares(スマートフォンアプリ/2021年):シナリオ[12]
- 東方ダンマクカグラ(スマートフォンアプリ/2021年):シナリオ
- ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅(Nintendo Switch/2023年):シナリオ
代替現実ゲーム(ARG)
編集- Project:;COLD(2020年):総監督、脚本、企画
第四境界(ARGミステリーコンテンツ)
編集- 幽拐エレベータ
- 人の財布
- 人の給与明細
- 行き場のなくなったポケットティッシュ
- 『Project:;COLD 2.0 ALTÆR CARNIVAL』ココフォリア版
- サイレントヒルの世界が日常を浸食するWeb探索型謎解きADV『Red Reaper』(2024年)
- かがみの特殊少年更生施設(2024年)
小説
編集- 『夏の呼吸』(ambit、2019年6月20日、ISBN 978-4-19-864868-8)
体験型絵本
編集その他
編集脚注
編集- ^ a b “ニーア、ペルソナ等の人気ゲーム開発者が激論! 国内ゲーム産業を支える40代クリエイターの苦悩とは【SIE外山圭一郎×アトラス橋野桂×スクエニ藤澤仁×ヨコオタロウ】”. 電ファミニコゲーマー (2017年8月28日). 2017年8月28日閲覧。
- ^ a b “国民的ゲームとは何か? 〜ドラゴンクエストの場合〜”. CEDEC Digital Library. 2016年2月10日閲覧。
- ^ “[CEDEC 2009「ドラクエは国民的ゲームでもなんでもなかった」堀井雄二氏の基調講演を完全レポート!]”. 4Gamer.net. 2017年12月21日閲覧。
- ^ “「日本人のための MMORPGの開発」 〜「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」の挑戦〜”. CEDEC. 2016年2月10日閲覧。
- ^ “[CEDEC 2013]「日本人のためのMMORPGの開発」聴講レポート。「ドラゴンクエストX」が破ったオンラインゲーム開発の“常識”,そしてドラクエが挑戦する理由とは?”. 4Gamer.net. 2016年2月10日閲覧。
- ^ “世の中で実際に起こる出来事を“予知”せよ。スクエニの“リアル連動型”新作アプリ「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」の事前登録が開始”. 4Gamer.net. 2016年2月10日閲覧。
- ^ “TGS 2010で“日本ゲーム大賞2010”発表授賞式が開催”. 4Gamer.net. 2016年2月10日閲覧。
- ^ “『DQ』シリーズディレクター藤澤仁氏がスクウェア・エニックスを退職。『預言者育成学園』もサービス終了に”. Gzブレイン (2018年4月27日). 2018年4月27日閲覧。
- ^ a b c “藤澤仁の近況報告 いつもお世話になっている皆様へ|藤澤 仁|note”. note(ノート). 2019年6月24日閲覧。
- ^ “アンビット ノベル単行本 ND03「夏の呼吸」著:藤澤 仁、絵:典樹(徳間書店/アークライトノベルス)”. ambit. 2019年6月20日閲覧。
- ^ “「ゼビウス」がなければ「ポケモン」は生まれなかった!?———遠藤雅伸、田尻智、杉森建がその魅力を鼎談。ゲームの歴史を紐解く連載シリーズ「ゲームの企画書」第一回”. 電ファミニコゲーマー. 2016年2月10日閲覧。
- ^ “真島ヒロ×スクエニの新作RPG「Gate of Nightmares」始動!キャストに広瀬裕也ら”. コミックナタリー (2021年4月22日). 2021年4月22日閲覧。
外部リンク
編集- 藤澤仁 (@JIn_Fujisawa) - X(旧Twitter)
- 藤澤 仁|note
- 株式会社ストーリーノート
- 第四境界
- 予言者育成学園Fortune Tellers Academy 公式サイト 東方見聞録