蒲原鉄道
蒲原鉄道株式会社(かんばらてつどう、英: Kanbara Tetsudo Co., Ltd.)は、新潟県五泉市に本社を置くバス事業者。1999年までは鉄道事業者として蒲原鉄道線を運行していたが全線廃止され、バス専業事業者となった。略称は「蒲鉄(かんてつ)」。
蒲原鉄道村松駅バスターミナル 右側の3階建部分が本社。1階は旧村松駅、現在は蒲鉄トラベルの店舗兼定期券発売所となっている。 | |
種類 | 株式会社 |
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略称 | 蒲鉄 |
本社所在地 |
日本 〒959-1704 新潟県五泉市村松甲1364番地 北緯37度41分50.7秒 東経139度10分39.7秒 / 北緯37.697417度 東経139.177694度座標: 北緯37度41分50.7秒 東経139度10分39.7秒 / 北緯37.697417度 東経139.177694度 |
設立 | 1922年9月22日 |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 9110001011828 |
事業内容 |
一般乗合旅客自動車運送事業 一般貸切旅客自動車運送事業 旅行業 |
代表者 | 代表取締役社長 茂野一弘 |
資本金 | 7,200万円 |
従業員数 | 39名(2018年4月現在) |
主要子会社 | 蒲鉄タクシー株式会社 |
外部リンク | http://park11.wakwak.com/~kanbara-tetsudo/ |
本項では、かつて蒲原鉄道が運行していた一般路線バスを引き継ぎ廃止代替バスを運行していた、子会社の蒲鉄小型バス株式会社(かんてつこがたバス)についても記述する。
概要
編集本社は新潟県五泉市村松甲1364(村松駅前バスターミナル内)に所在する五泉市のコミュニティバスの運行業務を一部受託している。そのほか、貸切バス事業、旅行業も行っている。
一般路線バスも運行していたが、2010年9月30日をもって全路線を廃止し、沿線自治体が運行する廃止代替バスへ転換された。高速バスを1路線運行していたが、2024年3月31日を持って撤退となった。
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初代社章
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2代目社章
沿革
編集- 1922年(大正11年)9月22日 - 設立。
- 1923年(大正12年)10月20日 - 鉄道線・村松 - 五泉間開業。
- 1930年(昭和5年)
- 1951年(昭和26年)5月9日 - 乗合バスの運行を開始。
- 1953年(昭和28年)3月18日 - 貸切バス事業を開始。
- 1972年(昭和47年)1月8日 - 旅行業の取扱いを開始。
- 1980年(昭和55年)11月6日 - 現社屋・村松駅新駅舎が竣工。旧駅舎は北蒲原郡安田町(現:阿賀野市)へ移築、現:安田民俗資料館[1]本館。
- 1985年(昭和60年)4月1日 - 鉄道線・加茂 - 村松間が廃止、路線バスへ転換。
- 1994年(平成6年)7月29日 - 高速バス・新潟線を開設(新潟駅前 - 村松駅前間、新潟交通との共同運行)[2]。
- 1999年(平成11年)10月4日 - 鉄道線・村松 - 五泉間が廃止され全線廃止、廃止代替として並行する路線バス「五泉線」を増発して対応。
- 2000年(平成12年) - モハ1を加茂市に譲渡。蒲原鉄道の冬鳥越駅跡地の「冬鳥越スキーガーデン」で保存[3]。
- 2002年(平成14年)11月1日 - 蒲原鉄道の一般路線バスを全路線廃止。子会社の蒲鉄小型バス株式会社が、五泉市・加茂市からの委託を受け廃止代替バスとして運行開始(その後、五泉・加茂両市内の一部路線はコミュニティバス等に転換。詳細は後述)。
- 2010年(平成22年)10月1日 - 蒲鉄小型バスの自治体共同運行バス(2006年秋までの廃止代替バスに該当する制度)を全路線廃止、五泉市のコミュニティバス「ふれあいバス」とデマンド乗合タクシー「さくら号」へ転換し、ふれあいバスの運行業務の一部を受託開始(詳細は五泉市ふれあいバス#沿革を参照)。
- 2014年(平成26年)10月1日 - 高速バス・新潟線から新潟交通観光バス(新潟交通から移管)が撤退、蒲原鉄道の単独運行となる。
- 2022年(令和4年)
- 4月1日 -新潟県内のバス事業者6社(蒲原鉄道、頸城自動車、新潟交通、越後交通、新潟交通観光バス、アイ・ケーアライアンス)は、県内の高速バス9路線を統一ブランド「ときライナー」として運行開始。同一のウェブサイトでバスロケーションシステムが利用できるようになり、またバス車内でのフリーWi-Fiが利用可能となる[4]。
- 4月1日 - 五泉市村松郷土資料館で「蒲原鉄道創立100周年特別展」を6月12日まで開催 [5][6]。
- 6月15日 - 城跡公園に保存されている「モハ11」修繕のクラウドファンディングを9月10日まで実施[5] 。
- 9月29日 - 創立100周年を迎える。
- 2024年(令和6年)
鉄道事業
編集バス事業
編集高速バス
編集ときライナーG 五泉村松線を運行していたが、2024年3月31日をもって泉観光バスへ移管し、撤退した[7]。
路線バス・コミュニティバス
編集現行路線
編集路線バスは現在、五泉市が基幹バスと位置付けているコミュニティバス「五泉市ふれあいバス」と、加茂市が独自で運行業務を行っているコミュニティバス「加茂市営市民バス」の一部路線で[要出典]、それぞれ運行業務の一部を受託している。
路線の変遷
編集蒲原鉄道では1999年10月4日の鉄道線全線廃止に伴って、村松駅前 - 五泉駅前間を運行する路線バス「五泉線」の増発を行い、加えて運行区間を新潟県立五泉高等学校と新潟県立村松高等学校へ延伸して通学者の利便性を確保した。のちに村松駅前と村松地区東部の集落とを連絡する「川内線」と運行系統が統合され「五泉・川内線」に改称した。
しかし路線バス事業自体の収支は芳しくなく、蒲原鉄道と子会社の蒲鉄小型バス(かんてつこがたバス、本社所在地は蒲原鉄道と同所)が運行していた一般路線バスは2002年11月1日付でいったん全廃し[8]、当時の村松町と五泉市、加茂市から運行費用の補助を受ける形で廃止代替バスへ転換して運行を継続した。
だが収支は悪化の一途をたどり、その後、加茂市内の一部区間は2003年8月に加茂市営市民バスに、木越線・刈羽線は2008年10月1日から五泉市コミュニティバス[9](運行業務は泉観光バスが受託)にそれぞれ転換され、減便もしくは廃止された。さらに2009年9月まで運行していた加茂線と戸倉線も同年10月1日から前述2市のバスに転換され、加茂線は村松 - 高松間に区間を短縮して加茂市中心部への乗り入れを取り止めた[10]。結局蒲原鉄道は自力での一般路線バスの運行継続を断念し、最後まで運行していた五泉・川内線、高松線の2路線も2010年9月30日を以って全線廃止となり[11]、蒲鉄グループの一般路線バスは全廃された。
翌10月1日からは五泉市が策定した「地域公共交通総合連携計画」に基づき、新潟交通観光バスなど他の五泉市内の路線バスも含めて、基幹バス「五泉市ふれあいバス」および予約制デマンド乗合タクシー「さくら号」に再編された(詳細は五泉市ふれあいバス#沿革を参照)。上述の通り、2024年3月31日をもって高速バスからも撤退し、蒲鉄グループが事業主体として運行している路線バスはすべて運行を終了した。それ以降も引き続き泉観光バスと共にふれあいバスの運行業務の一部を受託している。
- 2007年11月時点での路線図(蒲鉄小型バス) - WayBack Machineによるアーカイブ
主な廃止路線
編集- 加茂線(2009年9月廃止)
- 南部郷総合病院 - 村松駅BT - 中野橋 - 大蒲原小学校前 - 牧(上大蒲原)- 金割鉱泉 - 高松 - 土倉 - 冬鳥越 - 大橋橋際 - 元狭口 - 加茂駅前
- 戸倉線(2009年9月廃止)
- 南部郷総合病院 - 村松駅BT - 別所 - 慈光寺 - 香ケ見(戸倉) - 大谷 - 出戸 - 大橋橋際 - 元狭口 - 加茂駅前
- 木越線(2008年9月廃止)
- 南部郷総合病院 - 村松駅BT - 愛宕原 - 木越 - 吉沢二丁目 - 五泉駅前
- 刈羽線(2008年9月廃止)
- 南部郷総合病院 - 村松駅BT - 中野橋 - 刈羽 - 中名沢 - 笹野町 - 諏訪の木 - 村松駅BT
- 五泉・川内線(2010年9月廃止)
- 高石・田川内 - 小面谷 - 川内 - 愛宕原 - 村松高校前 - 村松駅BT - 南部郷総合病院入口 - 今泉 - 五泉駅前 - 五泉高校前
- 高松線(2010年9月廃止)
- 南部郷総合病院 - 村松駅BT - 中野橋 - 大蒲原小学校前 - 牧(上大蒲原)- 高松 - 金割鉱泉 - 高松入口
- 加茂線廃止後の路線。大蒲原小学校 - 高松入口間は牧先回り、上大蒲原先回りの2経路があり、全便が高松入口から村松市街地方面へ折り返し。
- ときライナーG 五泉村松線(2024年4月廃止)
貸切バス
編集貸切バスは、大型車11両、中型車2両、小型車1両が在籍している。[要出典][いつ?]
バス車両の変遷
編集旅行業
編集蒲原鉄道が直営する旅行代理店「蒲鉄トラベル」は本社屋・村松駅1階に村松店(本店)を出店していた。店舗ブランド名は「KANTETSU Well(かんてつウェル)」。2024年1月31日をもって営業休止(事実上の閉店)となった[12]。
蒲鉄トラベルは、事業開始当初は子会社として設立され、一時は新潟市北区の豊栄店、新潟市中央区の新潟店、加茂駅前に加茂店、新潟市南区に白根店なども出店していたが、いずれも店舗統合により閉店し、蒲原鉄道本社に事業を統合して法人も解散した。
その他の事業
編集蒲原鉄道は損害保険の代理業(取扱会社:損害保険ジャパン日本興亜)を行っているほか、村松駅敷地内(旧鉄道線の車庫・車両工場跡)に開店したコンビニエンスストア「ローソン村松駅前通店」の運営も行っている。
グループ企業
編集過去の関連会社
編集かつては、加茂市長谷(七谷地区)の旧沿線にある冬鳥越スキー場を運営する「冬鳥越リフト」という子会社があったが、少雪や利用客の減少、リフトなど設備の老朽化等により1999年に廃業。その後リフトを撤去し、翌2000年末よりスキー場は加茂市へ移管した。
脚注
編集- ^ 安田民俗資料館 2023年現在、閉館中。
- ^ “新潟-村松間に29日から高速バス 新潟交通と蒲原鉄道”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1994年7月19日)
- ^ “新潟県最古の電車・木造車両モハ1に屋根を架けようプロジェクト”. 株式会社CAMPFIRE (CAMPFIRE, Inc.) (2021年8月). 2022年8月20日閲覧。
- ^ “ときライナーに統一 新潟県内高速バス6社、新ブランド”. 日本経済新聞社 (2022年3月29日). 2022年8月20日閲覧。
- ^ a b “昭和5年製造の蒲原鉄道「モハ11」 時代を駆け抜けた車両をのこしたい!”. 株式会社トラストバンク (2022年6月). 2022年8月20日閲覧。
- ^ “蒲原鉄道設立100年、特別展示で歩み発信”. 新潟日報 (2022年5月27日). 2022年8月20日閲覧。
- ^ a b “ときライナー 五泉村松線運行開始のお知らせ - 泉観光バス株式会社”. 泉観光バス株式会社 - 公式サイト. 2024年4月1日閲覧。
- ^ 企業情報 - 蒲原鉄道.2019年4月19日閲覧。
- ^ 広報ごせん No.65 2008年9月10日 pp.8-9 コミュニティバスの運行開始 (PDF) - 五泉市.2019年4月19日閲覧。
- ^ 広報ごせん No.85 2009年7月10日 p.9 バス路線の変更 (PDF) - 五泉市.2019年4月19日閲覧。
- ^ 平成22年度 第1回 五泉市地域公共交通活性化協議会 資料3-1 路線バスの廃止について - 五泉市.2019年4月19日閲覧。
- ^ “蒲鉄トラベル”. kantetsu-travel.co.jp. 2024年4月1日閲覧。