葉錦龍
葉錦龍(よう きんりゅう、英語: Sam Yip Kam-lung、粤拼: jip6 gam2 lung4、1987年8月24日 - )は、香港の民主派政治家、元香港中西区区議会議員、市民団体「西環飛躍動力」召集人、自決派、ネットラジオパーソナリティ、司会、ステージ通訳、イベント制作マネージャー、日中通訳者、ACGHK(香港動漫電玩節)顧問。
葉錦龍 Sam Yip Kam-lung | |
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生年月日 | 1987年8月24日 |
出生地 | 英領香港 |
出身校 |
聖類斯中學(小学部) 英皇書院 香港專業教育學院 |
前職 | 日中通訳、イベント制作 |
現職 | 大学院生(修士課程) |
所属政党 | 西環飛躍動力 |
公式サイト | 葉錦龍辦事處 Office of Yip Kam Lung Sam |
中西區區議會議員 | |
選挙区 | 中西区石塘咀 |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 2020年1月1日 - 2021年7月7日 |
その他の職歴 | |
民間人権陣線副召集人 (2020年10月 - 2021年3月) | |
西環飛躍動力召集人 (2014年11月13日 - ) |
来歴
編集生い立ち
編集香港・西営盤生まれ[1]。両親は中国大陸出身者で、文化大革命を逃れて香港に密入境し、永住権を取得している[2]。
中学・高校は名門男子校である英皇書院 に進学した。高校では日本のアニメや漫画に対する興味から日本語を学習し、日本語能力試験2級に合格した[2]。中学校では香港の歴史に関心を抱き、「本土」意識を持った。また、皇后碼頭保存運動を機に社会運動に参加するようになった[3]。
その後は航空整備士の専門学校に進学し、学費を稼ぐために日本のアニメ関連のコンサート企画・制作会社で日中通訳のアルバイトを行った[2]。
2014年には大規模な民主化運動である雨傘運動に参加し、デモ参加者を束ねるバリケードのリーダーになった。雨傘運動を契機に政治活動を開始し、その傍で大学の学位を取得し、日本語能力試験1級に合格した[2]。
政治
編集雨傘運動後、劉偉德、伍永德とともに「西環飛躍動力」を結成した[1]。
2015年香港区議会議員選挙では中西区から立候補し、1,336票(41.31%)を獲得したが、現職の陳財喜に敗れ落選した[4]。
2016年2月、葉はほか6人と共に、朝光街に西柚弁公室[注 1]を開き、2017年6月までの約1年半のあいだ、「影の区議会」として区議会を監視しつつコミュニティのサポートを行った[5]。
2019年9月1日、西環自宅前の警察署前で、公務執行妨害罪と器物破損の疑いで逮捕された。1年後の2020年10月に再び逮捕・起訴されたが[6]、1年間の裁判ののち、2021年11月に無罪判決を下された[7]。
2019年香港区議会議員選挙では中西区から立候補し、3,073票(55.27%)を獲得し、現職の陳財喜を破り初当選を果たした[8]。
2020年5月24日、香港警察に逮捕され、その際に頭部や手足に打撲や傷を受けて入院した。48時間の勾留の末、釈放された[9]。
2020年10月、香港民主派団体連盟「民間人権陣線」副召集人に就任した[10]。しかし、国家安全維持法の圧力を受けて、民陣解散直前の3月に副召集人を辞任した[11]。なお、同年8月に民陣は解散し、同団体は香港国家安全維持法に違反している疑いがあると親中派メディアの文匯報に報じられた[12]。
2021年7月7日、中西区区議員を辞任した[13]。同年10月8日、妻および猫2匹と共に香港を離れ、日本に移住した[14][2]。
2023年4月に東京大学大学院総合文化研究科修士課程に入学し、それ以降在学している[15]。
人物
編集香港の政治家では数少ない日本語話者であり、Twitter上では日本語で情報発信をしている。
また、幼少期からバスや鉄道、そして飛行機といった交通機関に興味関心を抱いており、バスファン・鉄道ファン・航空ファンとして知られる[1]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c So, Una (2015年11月20日). “石塘咀候選人葉錦龍 :冀追回塘西失去的十年” (中国語). 獨立媒體
- ^ a b c d e 「妻と猫2匹と香港から「亡命」 民主派元区議が日本の選挙に思うこと」『朝日新聞』2024年7月16日。
- ^ “鄰里關係和社區空間再想像 西環老街坊出戰石塘咀” (中国語). 獨立媒體. (2015年10月4日). オリジナルの2016年9月16日時点におけるアーカイブ。
- ^ “選舉結果”. 選舉事務處. 2015年11月23日閲覧。
- ^ Cheung, Karen (2017年8月20日). “Beyond politics: The Sai Wan ‘shadow district council’ that closed its doors, but lives on in spirit” (英語). Hong Kong Free Press
- ^ “區議員葉錦龍去年9月涉刑毀被捕 拒保候查1年後今被控” (中国語). 東方日報. (2020年10月19日) 2023年5月24日閲覧。
- ^ “前區議員葉錦龍拒捕罪不成立 官:警無出示委任證兼無意拘捕 難證正當執行職務”. 独立媒体 2023年5月24日閲覧。
- ^ “選舉結果”. 選舉事務處. 2020年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月25日閲覧。
- ^ “【港版國安法】兩區議員踢保 斥警濫暴致受傷”. 蘋果日報 (香港). 2021年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月26日閲覧。
- ^ “中西區區議會石塘咀議席由建制派盤踞超過三十載,直至第二次參選的葉錦龍在2019年成功奪得議席。但葉當選後隨即遇上疫情肆虐,政府卻偏偏在民生問題上袖手旁觀,使葉要疲於奔命幫街坊張羅抗疫物資,苦思多年的政治理想無處發揮;2021年政府更突插區議員宣誓要求,壓力下葉和眾多區議員一樣被迫辭職。當大家在港英兩地已經各奔前程之際,葉選擇了稍微不同的道路 — 與妻子一同來日,並在東京大學綜合文化研究科進修。”. www.instagram.com. 2023年5月24日閲覧。
- ^ “香港多個民主派政黨退出聯合平台民間人權陣線” (中国語). VOA. (2021年3月18日) 2023年5月24日閲覧。
- ^ “「民陣」垮台罪未懲 一句散水怎勾銷” (中国語). 文匯報 (香港). (2021年8月16日) 2023年5月24日閲覧。
- ^ “葉錦龍楊思健等8人辭任區議員”. 信報 2023年5月24日閲覧。
- ^ 藤本, 欣也 (2023年3月17日). “【緯度経度】香港民主活動家 覚悟の来日 藤本欣也”. 産経新聞. 2023年5月24日閲覧。
- ^ “(天声人語)香港だけの問題か:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞 (2023年4月24日). 2023年5月24日閲覧。