航空整備士
航空整備士(こうくうせいびし)は、国家資格である航空従事者のうちの1つ。
航空整備士 | |
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実施国 | 日本 |
資格種類 | 国家資格 |
分野 | 交通、航空 |
試験形式 | 学科及び実技 |
認定団体 | 国土交通省 |
等級・称号 | 一等、二等・航空整備士 |
根拠法令 | 航空法 |
公式サイト | https://www.mlit.go.jp/koku/ |
ウィキプロジェクト 資格 ウィキポータル 資格 |
概要
編集航空機の整備[注釈 1]を行うのに必要な資格であり、整備された航空機について航空法第19条第2項(以下、「法令」)に規定する確認の行為を行う。
種別は一等[注釈 2]、二等[注釈 3]がある。整備を実施した航空機について法令に規定する確認の行為を行う航空整備士[注釈 4]、同じく確認の行為を行う航空運航整備士[注釈 5]、整備または改造をした航空機について同じく確認の行為を行う航空工場整備士がある。ただし、航空運送事業の用に供する航空機で、一定の条件を満たす修理[注釈 6]を実施した場合は、その確認を航空整備士ではなく、認定事業場の確認主任者が行う。
国土交通省管轄[注釈 7]であり、国家試験は、試験には一等整備士が20歳以上、一等運航整備士が18歳以上、二等整備士が19歳以上、二等運航整備士が18歳以上の年齢制限があるほか、航空経歴として一定の整備の経験が必要であり、資格取得の難易度は高い[注釈 8]。
試験の流れ
編集学科試験が年3回実施されている。全科目100点満点のうち70点以上で合格であり、試験で一部学科が不合格でも、次回試験ではすでに合格している学科については免除され、残りの学科を1年以内に受験しなければならない。学科試験合格後、2年以内に各種書類[注釈 9]のコピーを提出してから、実地試験を受ける。最初の実地試験に不合格でも、学科試験の合格後の2年以内において、実地試験を再受験することができる。実地試験に合格後は、技能証明書の交付通知書が送付されて、地方航空局または航空局保安部運航安全課に登録免許税納付書と学科試験結果通知書のコピーとともに提出すると、整備士の航空従事者技能証明書が交付される。
試験科目
編集- 学科
- 機体(航空力学理論含む)
- 発動機知識
- 電子部品等
- 航空法規(ヒューマン・ファクタ含む)
- 実技
- 整備基本技術
- 整備・検査知識
- 整備技術
- 点検作業
- 動力装置操作
自衛隊
編集自衛隊では、自衛隊法第107条により航空法第四章 航空従事者(業務範囲)第28条第1項及び第2項が適用除外となっているため、防衛大臣が発行する航空従事者技能証明「整備士」[1]を保有する航空発動機整備員、航空電機計器整備員、航空電子整備員、航空武器整備員、航空機体整備員などの職種の隊員が航空機の整備にあたっている。
脚注
編集注釈
編集- ^ 航空法で航空機の整備は、保守(軽微な保守と一般的保守)・修理(軽微な修理と小修理と大修理)と定められている。
- ^ 飛行機では耐空類別の輸送C及び輸送T、ヘリコプターでは耐空類別の回転翼航空機輸送TA及び輸送TB
- ^ 一等の耐空類別以外の飛行機とヘリコプター、飛行船、滑空機
- ^ シップ整備用の資格
- ^ ライン整備用。運航整備と呼ばれる、飛行前点検やタイヤの交換などの軽微な修理を行う資格。
- ^ 客席数が30席又は最大離陸重量が15トン以上の飛行機又は回転翼航空機において、軽微な保守以外の整備、騒音や発動機の排出物に影響がある修理
- ^ 学科の申請先は地方航空局の保安部運用課検査乗員係、実地試験の申請先は、一等の場合は本省の安全部運航安全部、飛行機以外の種類の一等と二等の場合は地方航空局の保安部運用課検査乗員係。
- ^ 一定の整備の経験については航空従事者を参照。
- ^ 住民票、航空経歴を証明する書類である航空経歴書、学科試験結果通知書。国土交通省から指定をうけた指定航空従事者養成施設の場合は航空経歴書ではなく修了証明書を提出するが、航空経歴書を提出することで実地試験は免除され、その後に航空従事者技能証明書が交付される。
出典
編集関連項目
編集外部リンク
編集- JALの整備を受け持つJALエンジニアリングのマイスター制度とは? - 整備士へのインタビュー記事。整備種別の解説あり。