肝周囲炎
肝臓を包む皮膜に病原体が感染し、発熱や疼痛をきたす疾患
肝周囲炎(かんしゅういえん)とは、肝臓を包む皮膜に病原体が感染し、発熱や疼痛をきたす疾患のこと。
骨盤内感染を経て肝周囲炎にいたったものをフィッツ・ヒュー・カーティス症候群という[1]。多くは産道から卵管を通じて、骨盤腔・腹腔内と病原体が波及し、肝皮膜に到達することにより発症する。若い女性にみられることが多いとされている。クラミジアが主といわれているが、淋菌でも起こるといわれる[2]。
症状
編集右季肋部痛、発熱、腹痛を主訴とすることが多い[1]。
検査
編集確定診断は腹腔鏡でなされる。が、経済的にも身体的にも負荷がかかるため、日常的には施行されない。 一般的には、血液生化学、腹部エコーで他の鑑別診断を除外した上で、クラミジア抗体IgAが陽性であることにより診断する。
脚注
編集- ^ a b 鈴木彩、生坂政臣ほか「一般内科外来におけるFitz-Hugh-Curtis症候群の検討」(PDF)『家庭医療』第11巻第2号、2004年、p.p.4、ISSN 1340-7066、2010年1月11日閲覧。
- ^ 早川弘輝、末永昌宏ほか「クラミジア感染による肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)が原因と考えられるイレウスの1手術例」『日消外会誌』第34巻第8号、2001年、p.p.1332、ISSN 0386-9768、2010年1月11日閲覧。