フィッツ・ヒュー・カーティス症候群
フィッツ・ヒュー・カーティス症候群(-しょうこうぐん、英語:Fitz-Hugh−Curtis Syndrome)とは、女性生殖器から進入した病原体により、骨盤内腔炎から肝周囲炎に至った感染症を指す[1]。性行動を伴う年齢の女性に発症することが多い。
フィッツ・ヒュー・カーティス症候群 | |
---|---|
腹腔鏡下で見たフィッツ・ヒュー・カーティス症候群の典型像 | |
概要 | |
分類および外部参照情報 | |
ICD-9-CM | 098.86, 099.56 |
DiseasesDB | 4843 |
eMedicine | med/797 |
病態
編集クラミジア[2]が多く、次いで淋菌などによるものが多いが[1][3]、大腸菌群、嫌気性菌もによるものもみられる。骨盤内腔の感染が、上腹部、特に肝皮膜に至る。
症状・身体所見
編集- 季肋部(〜右側腹部)の自発痛または圧痛
- 体動・深呼吸時またはMurphy徴候
- Minor Criteria
- クラミジアまたは淋菌陽性(抗原・培養)
- 内科医・外科医による除外診断
- 37℃以上の発熱
- 急性骨盤腹膜炎症状の先行または合併
- 炎症反応陽性(CRP上昇、白血球増加など)
- Definitive Criteria
- 腹腔鏡所見による診断
- Major Criteriaの2項目を共に満たし、かつMinor Criteriaを3項目以上満たす場合、臨床所見からFitz-Hugh−Curtis症候群と診断する。
検査
編集治療
編集- 抗生物質の投与
脚注
編集- ^ a b c 鈴木彩、生坂政臣ほか「一般内科外来におけるFitz-Hugh-Curtis症候群の検討」(PDF)『家庭医療』第11巻第2号、2004年、p.p.4、ISSN 1340-7066、2010年1月11日閲覧。
- ^ Peter NG, et al. Fitz-Hugh-Curtis syndrome: a diagnosis to consider in women with right upper quadrant pain.Cleve Clin J Med. 2004; 71 (3): 233-9.
- ^ 早川弘輝、末永昌宏ほか「クラミジア感染による肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)が原因と考えられるイレウスの1手術例」『日消外会誌』第34巻第8号、2001年、p.p.1332、ISSN 0386-9768、2010年1月11日閲覧。
- ^ 村尾寛・他: Fitz-Hugh-Curtis症候群の臨床診断126例の検討. 日産婦誌. 2002; 54: 1681-5.
- ^ 舘野 晴彦, 他:画像所見が診断の一助となった Fitz-Hugh-Curtis症候群の2例:日内会誌 104:2388-93,2015
- ^ 吉武忠正, 他 : Fitz-Hugh-Curtis syndrome : CT所見の検討 : 日医放会誌 63 : 303-7, 2003
- ^ a b 田中正利 他. 日本全国から分離された淋菌の抗菌薬感受性に関する調査. 感染症誌 2011; 85: 360-5.