秩父鉄道7500系電車

秩父鉄道の通勤形電車
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秩父鉄道7500系電車(ちちぶてつどう7500けいでんしゃ)は、秩父鉄道通勤形電車

秩父鉄道7500系・7800系電車
秩父鉄道7500系7506編成
(2022年10月 武州荒木駅 - 新郷駅間)
基本情報
製造所 東急車輛製造
種車 東急8090系
改造所 東急テクノシステム[3][4]
改造数 7500系:3両編成7本(21両)
7800系:2両編成4本(8両)
運用開始 7500系:2010年3月25日[1]
7800系:2013年3月16日[2]
主要諸元
編成 7500系:3両編成[1]
7800系:2両編成[2]
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V(架空電車線方式
最高運転速度 80[1][2] km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 7500系:436人[1]
7800系:279人[2]
全長 20,000[1][2] mm
全幅 2,800[1][2] mm(最大)
全高 4,145[1][2] mm(パンタ折畳み)
台車 ペデスタル式空気ばね台車
TS-807形・ TS-815形
主電動機 直流複巻電動機 130kW
7500形:TKM-80形
7800形:TKM-82形
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 85:16(5.31)
制御装置 界磁チョッパ制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 秩父鉄道形ATS装置
備考 引用:秩父鉄道からのお知らせ(2010年3月2日)
鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」鉄道車両年鑑2010年版「秩父鉄道7500系」・鉄道車両年鑑2013年版「秩父鉄道7800系」
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本項では7500系のほか、2両編成の7800系についても記述する。

概要

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老朽化した1000系電車の置き換えのため[1]東急大井町線で使用されていた東急8090系5両編成のうち3両(1・4・5号車)を譲り受け、秩父鉄道で運用するに当たって3両編成に改造したものである[1][5]2010年平成22年)3月25日から営業運転を開始した[1]

三峰口方先頭車のデハ7500形(元・クハ8090形)は電動車に改造された。中間車のデハ7600形(元・デハ8190形)は、パンタグラフがシングルアーム型から従来の菱型に戻されたほか、増設も行われている。なお、それに伴いパンタグラフの設置場所を確保するために冷房装置を1基撤去している。前面の帯は先に導入された7000系電車と同じ緑色→黄色のグラデーションに張替えられたほか、側面の帯も緑色に変更された。

車内は、車椅子スペースドアチャイムとドア開閉表示灯・客用扉用の開閉ボタン・LED車内案内表示器の設置[1]・貫通路開き戸の追加(デハ7600形のみ)などの改造が行われている。

7800系

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7800系
(2022年10月31日 新郷駅 - 武州荒木駅間)

7500系と同じく1000系電車の置き換えのため、東京急行電鉄で使用していた東急8090系を種車に改造した車両である[2]2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正より営業運転を開始した[2]

7500系は3両編成だが、7800系はデハ7800・クハ7900の2両固定編成(Mc - Tc)となっている[2][5]

東急大井町線で使用されていた東急8090系5両編成のうち中間電動車2両(2・3号車)を改造したもので、2両とも先頭車化の上、羽生方の車両は電装を解除している。なお改造にあたっては7500系と同等の内容も実施している。

改造された先頭車両の形状は中間車の骨組みを活かして強度を持たせたことから、8090系の先頭車を流用した7500系とは大きく異なっている[5]

第一編成となる7801編成は東急テクノシステムで改造を受けて2012年(平成24年)12月に出場した[6]。その後2013年度にも6両が改造を受け、計4編成8両が、他の3両編成のものと共通運用されている。

7801編成は、7500系7507編成と改造元の編成が同じである点が特筆される。

編成表

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 7500系(3両編成)
 
羽生
形式[7]  
クハ7700
(Tc)
◇ ◇
デハ7600
(M)
 
デハ7500
(Mc)
搭載機器,設備 CP,BT CONT,♿︎ SIV or MG
定員[1]
(座席)
142
(48)
152
(51)
142
(48)
車両番号(東急車番) 7501F
(8091F)
7701
(8092)
7601
(8192)
7501
(8091)
7502F
(8083F)
7702
(8084)
7602
(8184)
7502
(8083)
7503F
(8085F)
7703
(8086)
7603
(8186)
7503
(8085)
7504F
(8093F)
7704
(8094)
7604
(8194)
7504
(8093)
7505F
(8087F)
7705
(8088)
7605
(8188)
7505
(8087)
7506F
(8095F)
7706
(8096)
7606
(8196)
7506
(8095)
7507F
(8089F)
7707
(8090)
7607
(8190)
7507
(8089)
  • 下線で示した車両はMG搭載(他の編成はSIV)[7]
 7800系(2両編成)
 
羽生
形式[7]  
クハ7900
(Tc)
◇ ◇
デハ7800
(Mc)
搭載機器,設備 CP,BT CONT,SIV,♿︎
定員[2]
(座席)
139
(48)
140
(48)
車両番号(東急車番) 7801F
(8089F)
7901
(8490)
7801
(8290)
7802F
(8097F)
7902
(8494)
7802
(8298)
7803F
(8081F)
7903
(8496)
7803
(8282)
7804F
(8099F)
7904
(8495)
7804
(8280)
 凡例

備考

  • 7502編成は2014年9月23日よりラッピング車両「秩父ジオパークトレイン」として運転されている[8][5]
  • 7505Fは2015年12月20よりラッピング車両「秩父三社トレイン」として運転されている[9][5]
  • 7507Fは2019年11月2日よりラッピング車両「彩色兼備」として運転されている[10][5]
  • 7503Fは2019年3月2日よりラグビーワールドカップ2019大会に合わせ、ラッピング車両「ラグビーワールドカップトレイン」として運転された[11]。大会終了後もラッピングは剥がされずに運行されている。
  • 7501Fは2021年4月3日よりラッピング車両「超平和バスターズトレイン」として運転されている[12]

参考文献

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交友社鉄道ファン』2010年5月号

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l 新型車両7500系について”. 秩父鉄道. 2011年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 新型車両7800系の導入について-3/16(土)デビューイベント開催”. 秩父鉄道. 2013年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月9日閲覧。
  3. ^ 秩父鉄道(株) 7500系譲渡車両改造工事(東急テクノシステムHP・鉄道車両工事の事例・インターネットアーカイブ)。
  4. ^ 秩父鉄道(株) 7800系譲渡車両改造工事(東急テクノシステムHP・鉄道車両工事の事例・インターネットアーカイブ)。
  5. ^ a b c d e f 秩父鉄道で活躍する車両”. 秩父鉄道. 2020年2月9日閲覧。
  6. ^ “秩父鉄道向け先頭車化改造車が姿を現す”. railf.jp 鉄道ニュース (交友社). (2012年12月14日). http://railf.jp/news/2012/12/14/120000.html 2012年12月15日閲覧。 
  7. ^ a b c 私鉄車両編成表2018
  8. ^ 日本地質学発祥の地でジオツーリズム「秩父ジオパークトレイン」出発進行!』(PDF)(プレスリリース)秩父鉄道、2014年8月27日。オリジナルの2016年4月25日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20160425111452/http://www.chichibu-railway.co.jp/wp-content/uploads/2014/08/140827_geoparktrain.pdf2020年2月9日閲覧 
  9. ^ 12/20(日)秩父三社トレイン運行開始 フルラッピング列車第二弾”. 秩父鉄道. 2015年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月9日閲覧。
  10. ^ 11/2(土)ちちてつサンクスフェスタ「彩色兼備」デビュー&記念グッズ販売など”. 秩父鉄道. 2020年2月9日閲覧。
  11. ^ ラグビーワールドカップ2019(TM) ラッピングトレイン運行開始!”. 熊谷市. 2020年2月9日閲覧。
  12. ^ “秩父鉄道、フルラッピング電車「超平和バスターズトレイン」運行”. レイルラボ. (2021年3月27日). https://raillab.jp/news/article/24358 2021年4月30日閲覧。 

外部リンク

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