硫酸コバルト(II)
硫酸コバルト(II)(英: cobalt(II) sulfate) はコバルトの硫酸塩で、化学式CoSO4で表される無機化合物。
硫酸コバルト(II) Cobalt(II) sulfate | |
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硫酸コバルト(II) | |
別称 赤礬 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10124-43-3 , 13455-64-0 (一水和物) 10026-24-1 (七水和物) |
PubChem | 24965 |
EC番号 | 233-334-2 |
RTECS番号 | GG3100000 (無水物) GG3200000 (七水和物) |
特性 | |
化学式 | CoSO4 |
モル質量 | 154.996 g/mol (無水物) 173.01 g/mol (一水和物) 281.103 g/mol (七水和物) |
外観 | 赤みを帯びた結晶 (無水物、一水和物) ピンク色の塩(七水和物) |
密度 | 3.71 g/cm3 (無水物) 3.08 g/cm3 (一水和物) 2.03 g/cm3 (七水和物) [1] |
融点 |
735℃ (無水物) |
水への溶解度 | 36.2 g/100 ml (20℃) |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | JT Baker MSDS |
EU分類 | 発癌性Cat. 2 変異原Cat. 3 Repr. Cat. 2 毒性 (T) 環境に対する有害性 (N) |
EU Index | 027-005-00-0 |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R49, R60, R22, R42/43, R68, R50/53 |
引火点 | 不燃性 |
半数致死量 LD50 | 424 mg/kg |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
性質
編集無水物及び一、七水和物が知られている。無水物は赤い単結晶で、水・エタノール・メタノールに溶ける[2]。七水和物は赤礬とも呼ばれる。
用途
編集他のコバルト塩と同様、ガラスや陶磁器の彩色用顔料となる他、電池や電気めっき、不可視インク原料としての用途もある。ミネラル補給目的で、飼料に添加される[3]。かつては泡の安定を目的としてビールに添加されたり、貧血の治療薬としても用いられた[4]。
健康への影響
編集マウスを使った実験で、吸入による毒性と発癌性が確認されている[5]。サルモネラ菌を使った実験では変異原性が確認されている[6]。カナダのケベック州のビール会社では、硫酸コバルト中毒により16名の死者を出している[7]。不燃性であるが加熱により分解し、硫黄酸化物を含む有害ガスを生じる[8]。
自然発生
編集まれに、天然の硝酸塩結晶水和化合物から発見される。
脚注
編集- ^ Pradyot Patnaik. Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill, 2002, ISBN 0070494398
- ^ “Cobalt Sulfate Cobalt Sulfate MSDS”. JT Baker. 2010年5月3日閲覧。
- ^ 飼料添加物一覧(農林水産消費安全技術センター)
- ^ Cobalt Sulfate - National Toxicology Program
- ^ JR Bucher, JR Hailey, JR Roycroft, JK Haseman, RC Sills, SL Grumbein, PW Mellick and BJ Chou (1999). “Inhalation toxicity and carcinogenicity studies of cobalt sulfate”. Toxicological Sciences 49 (1): 56. doi:10.1093/toxsci/49.1.56 .
- ^ Cobalt sulfate heptahydrate: Carcinogenic Potency Database
- ^ http://www.cbc.ca/consumers/market/files/food/beer_challenge/additives.html (リンク切れ)
- ^ 国際化学物質安全性カード