石川湧
石川 湧(いしかわ ゆう、1906年11月10日 - 1976年10月31日)は、日本のフランス文学者、翻訳家。東京学芸大学名誉教授。
経歴
編集栃木県生まれ。本名・わくみ。1927年東京外国語学校フランス語科卒業。はじめ唯物論、マルクス主義関係の文献、フランス文学を訳す。戦後、東京学芸大学教授を務め、モーリス・ルブラン、ジュール・ヴェルヌなどの翻訳で知られた。翻訳家の石川布美は娘。
著書
編集- 『唯物弁証法とは何か』(編)(人文書房) 1931
- 『フランス唯物論』(三笠書房、唯物論全書) 1937
- 『石川湧文集』(石川湧文集刊行委員会、緑林社) 1984.12
翻訳
編集- 『史的唯物論より見たる文學』(マルク・イツコウイッチ、春陽堂) 1929
- 『モン・パリ変奏曲』(フイリツプ・スーポウ、春陽堂、世界大都会尖端ジヤズ文学) 1930
- 『レーニンの亡命生活』(アリーン、白鳳社、社会科学ブツクレツト) 1931
- 『エル・ハヂ』(アンドレ・ジィド、文圃堂書店) 1933
- 『読書術』(エミイル・フアゲ(Émile Faguet)、松柏館書店) 1934、のち中公文庫
- 『バルザック批判』(マリイ・ボオル、楽浪書院) 1934
- 『批評の生理学』(Physiologie de la critique、テイボオデ、春秋社) 1935
- 『わが毒舌』(サント・ブウヴ、サイレン社) 1935
- 『獄中記』(シルヴィオ・ペリコ(Silvio Pellico)、春秋社) 1936
- 『哲学的散歩』(グウルモン、春秋社) 1937
- 『文学的散歩』(グゥルモン、春秋社) 1938
- 『哲学入門』(エミイル・フアゲ、春秋文庫) 1938
- 『戦争・外交・建国の憶ひ出 第1』(エドワルド・ベネシ、モナス) 1938
- 『幸福論』(アラン、万里閣) 1940、のち角川文庫
- 『鳥はなぜ歌ふ』(ジャック・ドラマン(Jaques Delamain)、三笠書房) 1941
- 『芸術と精神分析』(イスコウイッチ、新民書房) 1941
- 『ライオンのめがね』(Les Lunettes du Lion、シャルル・ヴィルドラック、中央公論社) 1941
- 『人間論』(シヤルル・リシェ、万里閣) 1946
- 『ヨーロッパに告ぐ』(トーマス・マン、大雅堂) 1946
- 『モオパン嬢』上・下(Mademoiselle de Maupin、ゴオチエ、扶桑書房) 1948
- 『狂信の墓 キリスト教の歴史的検討』(ヴォルテール、彰考書院) 1949
- 『地球訪問記 ミクロメガス』(ヴォルテール、改造社) 1949
- 『人生哲学』(エルネスト・ルナン、春秋社) 1949
- 『夢多き乙女の冒険』(T・ゴーティエ、岡倉書房) 1950
- 『博物誌』(ジュール・ミシュレ、岩崎書店) 1950 - 1951、のちちくま学芸文庫
- 『愛は神ならず』(ノエル・ヌエット、角川文庫) 1952
- 『人間のしるし』(La Marque de l'homme、C.モルガン、岩波書店、岩波現代叢書) 1952
- 『世界の重み』(Le Poids du monde, Ferenczi、C・モルガン、岩波書店、岩波現代叢書) 1953
- 『毛沢東 新中国の鍵』(クロード・ロア、創元社) 1953
- 『雪の上の七つの太陽』(テルディー・ナン(Robert Teldy Naim)、岩波少年文庫) 1955
- 『ぞうのプーパ』(ドメーゾン(André Demaison)、創元社、世界少年少女文学全集) 1955
- 『羅針盤のない旅行者』(Le Voyageur sans boussole, Ferenczi、モルガン、岩波書店) 1955
- 『十五少年漂流記』(ヴェルヌ、創元社、世界少年少女文学全集) 1955、のち角川文庫
- 『海底二万里』(ヴェルヌ、岩波少年文庫) 1956 - 1957
- 『言語道断!』(Me faire ça à moi, Ferenczi、モルガン、岩波書店) 1956
- 『レ・ミゼラーブル』第1 - 8(ヴィクトール・ユーゴー、角川文庫) 1956 - 1962
- 『奇巌城・怪盗紳士』(モーリス・ルブラン、東京創元社、世界大ロマン全集) 1957、のち文庫
- 『モーリス少年の冒険』(ポルシャ、東京創元社、世界少年少女文学全集) 1957
- 『地底旅行 / 黄犬亭のお客たち』(ヴェルヌ / マッコルラン、東京創元社、世界少年少女文学全集) 1957
- 「地底旅行」はのち角川文庫
- 『完全な愛』(L'Amour parfait, Ferenczi、クロード・モルガン、角川書店) 1958、のち角川文庫
- 『抑圧と自由』(シモーヌ・ウェーユ、東京創元社) 1958
- 『風車小屋だより』(ドーデー、講談社、少年少女世界文学全集) 1959
- 『家なき子』(ヱクトル・マロー、あかね書房、世界児童文学全集) 1960
- 『ファーブル昆虫記』(ファーブル、講談社、世界ジュニアノンフィクション全集) 1961
- 『黄色い部屋の秘密 / 黒衣夫人の香り』(ガストン・ルルー、東都書房、世界推理小説大系) 1962
- 「黄色い部屋の秘密」はのち講談社文庫
- 「黒衣夫人の香り」はのち創元推理文庫
- 『赤と黒』(スタンダール、集英社、世界の名作第10) 1964
- 『谷間のゆり』(バルザック、旺文社文庫) 1966
- 『犠牲者たち』(Les victimes、ボワロ&ナルスジャック、創元推理文庫) 1967
- 『シナ人の苦悶』(ヴェルヌ、集英社、ヴェルヌ全集11) 1968
- 『砂漠の秘密都市』(ヴェルヌ、集英社、ヴェルヌ全集) 1969
- 『辛亥革命見聞記』(ファルジュネル、石川布美共訳、平凡社東洋文庫) 1970
- 『ある男の首』(シムノン、講談社、世界推理小説大系) 1972
- 『必死の逃亡者』(ヴェルヌ、創元推理文庫) 1972
- 『サハラ砂漠の秘密』(ヴェルヌ、創元推理文庫) 1972
アルセーヌ・リュパン全集
編集- 『怪盗紳士リュパン・リュパン対ホームズ』(モーリス・ルブラン、東京創元社、アルセーヌ・リュパン全集1)1959、のち文庫
- 『水晶の栓・奇巌城』(モーリス・ルブラン、東京創元社、アルセーヌ・リュパン全集2) 1959、のち文庫
- 『三十棺桶島』(モーリス・ルブラン、東京創元社、アルセーヌ・リュパン全集3) 1959、のち文庫
- 『金三角』(モーリス・ルブラン、東京創元社、アルセーヌ・リュパン全集5) 1960、のち文庫
- 『813の謎』(モーリス・ルブラン、東京創元社、アルセーヌ・リュパン全集6) 1960、のち文庫
- 『緑の目の令嬢・リュパンの冒険』(モーリス・ルブラン、東京創元社、アルセーヌ・リュパン全集9) 1960、のち文庫
- 「リュパンの冒険」は池田宣政訳
- 『バーネット探偵社、バール・イ・ヴァ荘』(モーリス・ルブラン、東京創元社、アルセーヌ・リュパン全集10) 1959、のち文庫
脚注
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