玉城 徹(たまき とおる、1924年5月26日 - 2010年7月13日)は、昭和平成期の歌人文芸評論家

経歴

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宮城県仙台市米ヶ袋生まれ。1931年(昭和6年)東京府北多摩郡武蔵野町吉祥寺に転居。1939年(昭和14年)北原白秋主宰の『多磨』に入会。白秋没後は巽聖歌に師事した。青山学院中学部を経て、1944年(昭和19年)第二高等学校卒、東京帝国大学文学部美学美術史科卒。戦時中は学徒動員を経験した。

戦後は都立高校教師を務めるかたわら短歌を続け、歌壇や戦後派短歌、前衛短歌から距離を置いた独自のスタンスを保ち続けた[1]1972年(昭和47年)『樛木』で第24回読売文学賞受賞。1978年(昭和53年)歌誌「うた」創刊、2002年(平成14年)まで続けた。1980年(昭和55年)『われら地上に』で第13回迢空賞1982年『玉城徹作品集』と評論研究業績により立春短歌会五島美代子賞受賞。2000年(平成12年)の『香貫』で短歌新聞社賞現代短歌大賞受賞。毎日歌壇選者を長く務めた。

家系

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著書

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  • 春の氷雪 詩集 河出書房 1947
  • 石川啄木の秀歌 短歌新聞社 1972 現代短歌鑑賞シリーズ
  • 北原白秋 詩的出発をめぐって 読売新聞社 1974. 読売選書
  • 同時代の歌人たち 短歌新聞社 1977.6
  • 万葉を溯る 柿本人麻呂をめぐって 角川書店 1979.6
  • 茂吉の方法 清水弘文堂 1979.12
  • 短歌実作の部屋 短歌新聞社 1983.5
  • 芭蕉の狂 1989.3. 角川選書
  • 喜劇の方へ 邑書林 1990.11
  • 昭和短歌まで その生成過程 短歌新聞社 1991.2
  • 大正世代の歌 短歌新聞社 1991.8 現代短歌全集
  • 時が、みづからを 長歌集 不識書院 1991.8
  • 樛木 歌集 1994.5 短歌新聞社文庫
  • 近代短歌とその源流 白秋牧水まで 短歌新聞社 1995.7
  • 俳人虚子 角川書店 1996.10
  • 香貫 歌集 短歌新聞社 2000.10
  • 子規 活動する精神 北溟社 2002.4
  • 枇杷の花 歌集 短歌新聞社 2004.10
  • 短歌復活のために 子規の歌論書簡 短歌新聞社 2006.4
  • 石榴が二つ 歌集 短歌新聞社 2007.5
  • 左岸だより 短歌新聞社 2010.12

脚注

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  1. ^ 馬場あき子編『現代短歌の鑑賞事典』東京堂出版、2006年。

参考文献

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・評論集『前衛短歌論新攷 言葉のリアリティーを求めて』江田浩司著 現代短歌社、2022年 ISBN 978-4-86534-399-1