牛島信明
牛島 信明(うしじま のぶあき、1940年8月14日 - 2002年12月13日)は、スペイン文学者。東京外国語大学名誉教授[1]。
経歴
編集大阪市生まれ[2]。東京外国語大学スペイン語科で会田由に学ぶ。マドリード・コンプルテンセ大学大学院修了。1983年にペルーに赴任し、カトリック大学客員教授。1978年4月に東京外国語大学の講師となり、翌1979年には助教授、そして1985年には教授[3]と母校教員を長く務め、定年後は名誉教授。琉球大学教授になるがまもなく没す。没後に正四位勲三等瑞宝章。
スペイン語文学(スペイン文学、及びイスパノアメリカ文学)を数多く翻訳し、『ドン・キホーテ』の新訳(岩波文庫版)を刊行した。1991年、ビオイ=カサーレス『モレルの発明』の翻訳でBABEL国際翻訳大賞日本翻訳大賞・文学部門を受賞。
著書
編集共編著
編集訳書
編集- 『ボルヘスとわたし 自撰短篇集』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス(新潮社、1974年)→ちくま文庫、2003年(改訂版)
- 『グアテマラ伝説集』 ミゲル・アンヘル・アストゥリアス(国書刊行会〈ラテンアメリカ文学叢書〉、1977年)→岩波文庫、2009年
- 『失われた足跡』 アレホ・カルペンティエル(集英社〈世界の文学28〉、1978年)→集英社文庫、1994年→岩波文庫、2014年5月
- 『弓と竪琴』 オクタビオ・パス(国書刊行会〈ラテンアメリカ文学叢書〉、1980年)
- 新装版 国書刊行会、1990年 →ちくま学芸文庫、2001年6月 →岩波文庫、2011年1月
- 『エバ・ペロン 美しき野心』 ジョン・バーンズ(新潮社、1982年) → 改題 『エビータ』(新潮文庫、1996年)
- 『天国・地獄百科 ボルヘス』 アドルフォ・ビオイ=カサーレス(風の薔薇:アンデスの風叢書、1982年)
- 『セルバンテスまたは読みの批判』 カルロス・フエンテス(風の薔薇、1982年)
- 『自由の王ローペ・デ・アギーレ』 オテロ=シルバ(集英社〈ラテンアメリカの文学〉、1984年)
- 『ハープと影』 カルペンティエール(新潮社、 1984年)
- 『インカ皇統記』 インカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガ(大航海時代叢書 エクストラ・シリーズ:岩波書店、1985年 - 1986年) →岩波文庫(全4巻)、2006年
- 『ドン・キホーテ』 セルバンテス(編訳、岩波少年文庫、1987年、新版2000年)
- 『セルバンテス短篇集』(岩波文庫、1988年)→ワイド版2010年
- 『塩の像』 レオポルド・ルゴーネス(国書刊行会、1989年)
- 『モレルの発明』 ビオイ=カサーレス 清水徹共訳(書肆風の薔薇〈叢書アンデスの風〉、1990年)
- 『17・18世紀大旅行記叢書8 南米諸王国紀行』 ウリョーア、フワン (岩波書店、1991年)
- 『ドン・キホーテの心理学』 サルバドール・デ・マダリアーガ(晶文社、1992年)
- 『血の婚礼 他二篇』 ガルシーア・ロルカ (岩波文庫、1992年)、他は「イェルマ」「ベルナルダ・アルバの家」
- 『スペイン中世・黄金世紀文学選集1 わがシッドの歌』 福井千春共訳(国書刊行会、1994年)
- 『スペイン中世・黄金世紀文学選集2 よき愛の書』 フアン・ルイス、富田育子共訳(国書刊行会、1995年)
- 『スペイン中世・黄金世紀文学選集3 ルカノール伯爵』 ドン・フアン・マヌエル、上田博人共訳(国書刊行会、1994年)
- 『スペイン中世・黄金世紀文学選集5 模範小説集』 セルバンテス(国書刊行会、1993年)
- 『スペイン中世・黄金世紀文学選集6 ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』(国書刊行会、1997年)
- 『七つの柱』 W.フェルナンデス・フローレス(小学館〈地球人ライブラリー〉、1997年)
- 『ホセ・マルティ選集第1巻』(日本経済評論社、1998年)
- 『ドン・キホーテ』 セルバンテス(岩波書店 全2巻、1999年)
- 『ドン・キホーテ 前篇 後篇』 岩波文庫 全6巻、2001年 →ワイド版、2010-11年
- 『論議 ボルヘス・コレクション』 ボルヘス(国書刊行会、2000年)
- 『序文つき序文集 ボルヘス・コレクション』 ボルヘス、内田兆史・久野量一共訳(国書刊行会、2001年)
- 『スペイン黄金世紀演劇集』(名古屋大学出版会、2003年)
脚注
編集- ^ http://www.tufs.ac.jp/abouttufs/organization/professor_emeritus.html2023年4月23日閲覧。
- ^ ドン・キホーテ 著者略歴 岩波書店 2023年6月27日閲覧。
- ^ 『東京外国語大学史』 東京外国語大学、1999 730頁