無償トレード

プロスポーツ界における、選手交換や金銭負担が発生しない選手移籍

無償トレード(むしょうトレード)とは、団体プロスポーツ競技界における選手交換や移籍金負担などが発生しないチーム間移籍(トレード)を指す。そのため報道では「譲渡」と称されることもある。なお、自由契約選手を獲得した場合は通常「無償トレード」と称することはない。

日本プロ野球 (NPB)

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日本球界においては、戦力外通告を受けた選手、もしくはキャリアとして晩年を迎えた選手が球団保有のままトレードの形で移籍する場合に無償トレードとなることがあり、主にこのケースが多い。2003年オフには当時福岡ダイエーホークスの主力選手であった小久保裕紀読売ジャイアンツへ無償トレードされ話題になった[1]。無償トレードといってもあくまでも交換トレードや金銭トレードと同類のトレードの一種である。

その他特筆事項としては、2004年に勃発した球界再編問題に関連して2005年度より東北楽天ゴールデンイーグルスの新規参入が決定した際、同球団に対して既存の球団が無償トレードで選手を譲渡するトレードが7件成立している。

なお、2004年の球界再編問題に際して、日本プロ野球選手会は12球団に対して、毎年10月1日以降に自由契約選手として公示された選手に対して12球団合同トライアウト開催以前に各球団独自の入団テストを行わないよう申し入れ、トライアウト開催以前における自由契約選手の獲得は行われなくなった。しかし、前所属球団より戦力外通告を受け、なおかつ自由契約選手として公示されていない選手については前述のいわゆる紳士協定の対象外とされており、そのような選手を他球団がトライアウトを経ずに無償トレードで獲得することは可能である。

また、安仁屋宗八阪神タイガースから広島東洋カープへの復帰例の様に、対外的には金銭トレードと発表されるも、実際は無償トレードではと臆測された例があったり[2]本原正治山田武史読売ジャイアンツから福岡ダイエーホークスへの金銭トレードの様に、移籍金が非常に低額であることから「実質無償トレード」と言われる例もあったりする。

自由契約とは違い無償であろうとトレードの場合はその対象選手に前在籍球団から引越し費用が手渡される。

無償トレードされた選手
選手名 旧所属球団 新所属球団 移籍年度
白野清美 南海 国鉄 1962年
七森由康 巨人 サンケイ 1964年
富永格郎 東映 サンケイ 1965年
江藤省三 巨人 中日 1968年
金本秀夫 阪急 阪神
カール・ボレス 近鉄 西鉄
若生忠男 西鉄 巨人
葛城隆雄 中日 阪神 1969年
飯塚佳寛 大洋 広島 1972年
及川宣士 太平洋
田中章 太平洋 大洋 1975年
藤井栄治 太平洋 阪急 1976年
ゲイル・ホプキンス 広島 南海
水谷孝 巨人 阪急
山下司 日本ハム
矢野俊一 大洋 ロッテ 1978年
金城致勲 西武 ロッテ 1980年
大津一洋 西武 南海 1983年
藤村雅人
山内新一 南海 阪神
永射保 大洋 ダイエー 1988年
竹田光訓 韓国・三星
若菜嘉晴 日本ハム
有田修三 巨人 ダイエー 1989年
角盈男 日本ハム
栄村忠広 巨人 オリックス 1991年
金沢次男 ヤクルト ロッテ 1994年
愛甲猛 ロッテ 中日 1995年
荒木大輔 ヤクルト 横浜
横谷彰将 横浜 阪神
井上祐二 広島 ロッテ 1996年
近藤芳久
荒井幸雄 近鉄 横浜 1998年
清川栄治 広島
椎木匠 中日 ロッテ
仁平馨 広島 中日
小久保裕紀 ダイエー 巨人 2003年
飯田哲也 ヤクルト 楽天 2004年
紀藤真琴 中日
小山伸一郎
酒井忠晴
関川浩一
玉木重雄 広島
中村武志 横浜
仲澤忠厚 中日 ソフトバンク 2005年
大道典嘉 ソフトバンク 巨人 2006年
黒田哲史 巨人 西武
佐藤宏志 楽天
佐藤賢治 ロッテ 日本ハム 2010年
山田大樹 ソフトバンク ヤクルト 2017年
中田賢一 ソフトバンク 阪神 2019年
中田翔 日本ハム 巨人 2021年
長野久義 広島 巨人 2022年
加藤匠馬 ロッテ 中日
名前欄太字は2024年シーズン現在、現役選手

NFLの場合、金銭トレードが認められていないため、無償トレードは多くなる傾向にある。

脚注

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関連項目

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