渋谷TOEI
渋谷TOEI(しぶやとうえい)は、東京都渋谷区渋谷1丁目(宮益坂下交差点角)に所在する渋谷東映プラザ内にあった映画館。東映の直営劇場だったが、2022年(令和4年)12月4日の営業を以って閉館した[2]。なお、当館が入居していたビルである「渋谷東映プラザ」についても併記する。
渋谷TOEI Shibuya Toei | |
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渋谷東映プラザ(2015年2月28日撮影) | |
情報 | |
正式名称 | 渋谷TOEI1・2 |
旧名称 |
渋谷東映劇場 1:渋谷東映 2:渋谷エルミタージュ |
完成 | 1993年 |
開館 | 1993年2月20日 |
開館公演 | 『日輪』 |
閉館 | 2022年12月4日 |
最終公演 |
『バトル・ロワイアル』 『鉄道員』 |
収容人員 | (2館合計)463人 |
客席数 |
TOEI1:272席 TOEI2:191席 |
設備 | ドルビーデジタルサラウンドEX、DLP |
用途 | 映画上映 |
運営 | 東映 |
所在地 |
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-24-12 渋谷東映プラザ |
位置 | 北緯35度39分35.9秒 東経139度42分6.9秒 / 北緯35.659972度 東経139.701917度座標: 北緯35度39分35.9秒 東経139度42分6.9秒 / 北緯35.659972度 東経139.701917度 |
最寄駅 | 渋谷駅東口・宮益坂口から徒歩約2 - 3分 |
外部リンク | 渋谷TOEI |
概要
編集1953年(昭和28年)11月18日、「渋谷東映」および「渋谷東映地下」の名称で、東映初の直営劇場としてオープン[3]。開館番組は、東映初のオールカラー作品で片岡千恵蔵主演の時代劇映画『日輪』(渡辺邦男監督)であった[4][5]。1963年9月1日、「渋谷東映地下」は「渋谷東映パラス」に改称された[3]。
1966年(昭和41年)7月1日からの一時期『渋谷東映パラス』は、『渋谷松竹』に改称して、東映経営下でありながら松竹の邦画作品を上映していた[注 1]。
1990年(平成2年)9月14日、再開発のため両館とも閉館し[3]、1993年2月20日、その跡地に建設された渋谷東映プラザの7階に「渋谷東映」(定員407人+車イス3人)、9階に「渋谷エルミタージュ」(定員299人+車イス3人)がオープンした[3]。2004年(平成16年)10月15日には、それぞれ「渋谷TOEI①・②」と改称された[3]。2014年夏には座席を交換するリニューアルが行われ、各館定員が減少しシートピッチが拡大した。
2010年6月19日より、全席指定・定員入替制を導入。このため、前売券・株主優待券などのチケットは、当日券(日時指定券)に引き換えてから入場するシステムとなった。
閉館
編集2022年12月4日の営業を最後に閉館[2][7][3][2]。シネマコンプレックスの増加で新宿や六本木の映画館に集客力で及ばなくなったことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も重なり一層の集客減となったことを要因としている[8][9][10]ほか、渋谷駅周辺の再開発で街の構図や人の流れも変わっていき、時代の流れとして節目を迎えたことも挙げている[11]。当館の閉館後、渋谷方面の東映系作品上映は同年12月3日封切の『THE FIRST SLAM DUNK』からTOHOシネマズ渋谷へと集約されている。
閉館後の2023年、Bunkamuraの再開発に伴って休館したBunkamuraル・シネマ[12]が当館跡地に移転、同年6月21日より「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」としてオープンした[13]。
歴史
編集- 1953年11月28日:「渋谷東映」および「渋谷東映地下」として開業[7][3]。
- 1963年9月1日:「渋谷東映地下」を「渋谷パラス」に改称[3]。
- 1990年9月14日:再開発のため一時閉館[3]。その間東映作品は渋谷東急3(東急文化会館内)で代替上映される。
- 1993年2月20日:渋谷東映プラザが竣工[3]。7階に「渋谷東映」(邦画系)、9階に「渋谷エルミタージュ」(洋画系)が入居し再オープン。
- 2003年:東急文化会館の閉館に伴い、渋谷エルミタージュの運営が東急レクリエーションに委託される(2010年6月まで)。
- 2004年10月15日:館名を「渋谷TOEI①・②」に改称[3]。
- 2022年12月4日:営業終了[7][3][2]。最終上映作品はシニア層からリクエストが多かった『鉄道員』と、全国の直営劇場の中で興行収入第1位を記録した『バトル・ロワイアル』[14]。
各館の特徴
編集いずれもTOP&カード提示割引の加盟店だったが、上述の経営変更に伴い2010年6月18日をもって提携終了した。
渋谷TOEI1
編集- 定員272人(うち車いす席2)
- 丸の内TOEIと並ぶ東映系のチェーン・マスター的存在で、東映作品の上映が主であったが、東映作品の新規公開作がない時期などは、渋谷地区に上映館を持たない松竹作品などが例外的に上映されることがあった。2014年9月6日リニューアル。
渋谷TOEI2
編集- 定員191人(うち車いす席2)
渋谷東映プラザ
編集フロア | 入居施設 | 備考 |
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11階 | BEAUTY SKIN CLINIC | 医療脱毛クリニック |
7・9階 | Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下 | 2022年12月4日以前については上記参照。 |
6階 | カラオケ ビッグエコー 渋谷宮益坂口駅前店 楽蔵うたげ 渋谷駅前店 鮮や一夜 渋谷駅前店 |
カラオケ店 居酒屋 居酒屋 |
1・2・3・4・5階 | ビックカメラ渋谷東口店本館[15] | |
2階 | 日本マクドナルド渋谷東映プラザ店[16] | 2009年には1日の店舗売上高が同社創業以来過去最高を記録したこともある[17]。 |
1階・地下1階 | タイトーステーション渋谷店 | 同社直営のゲームセンター。ビル竣工時から営業し、「タイトーステーション」の名前を冠した第1号店である。 |
- かつてのテナント
関連項目
編集脚注
編集注釈
編集- ^ この背景には、西武渋谷店の建設に伴い渋谷松竹映画劇場が閉館(1965年)したことも関係している[6][3]。なお、旧館閉館後、渋谷方面の松竹系邦画上映は渋谷松竹セントラル→渋谷ピカデリーへと集約されたが、2009年1月30日をもって閉館した。
出典
編集- ^ 『映画館のある風景 昭和30年代盛り場風土記・関東編』キネマ旬報社、2010年
- ^ a b c d “渋谷TOEIが閉館、69年の歴史に幕 さよならイベントに深作健太監督らが来場”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. (2022年12月4日) 2022年12月4日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m “東映直営「渋谷TOEI」12月4日で閉館へ 69年の歴史に幕”. ORICON NEWS (2022年10月19日). 2022年10月19日閲覧。
- ^ “渋谷東映竣工”. 渋谷フォトミュージアム. 東急. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “日輪”. 映連データベース. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2014年10月23日閲覧。
- ^ 三好好三、生田誠『渋谷の今昔アルバム』彩流社、2013年、31頁。
- ^ a b c “【重要】渋谷TOEI①・渋谷TOEI② 閉館のお知らせ”. 東映. 2022年10月19日閲覧。
- ^ “渋谷TOEIが閉館 12月4日の営業を最後に69年の歴史に幕”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社). (2022年10月19日) 2024年9月5日閲覧。
- ^ 映画館「渋谷TOEI」12月に閉館 69年の歴史に幕 来場者伸び悩む、NHKニュース、2022年10月19日
- ^ 「渋谷TOEI」閉館へ 69年の歴史に幕…開業時は大行列も コロナで打撃「客が戻らず」、テレ朝news、2022年10月20日
- ^ “「渋谷TOEI」、12月に閉館へ 69年の歴史に幕、支配人代理「時代の流れ」”. シブヤ経済新聞. (2022年10月19日) 2024年9月5日閲覧。
- ^ 『Bunkamuraの長期休館および施設休館中の活動について』(プレスリリース)東急文化村、2022年11月29日 。2024年9月5日閲覧。
- ^ “「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」いよいよ6/16(金)オープン!”. Bunkamura (2023年6月14日). 2023年6月24日閲覧。
- ^ 渋谷TOEI閉館、ラスト特別上映開催 12月4日「鉄道員(ぽっぽや)」「バトル・ロワイアル」をワンコイン500円上映、映画.com、2022年11月23日
- ^ “ビックカメラ渋谷東口店”. 店舗一覧. ビックカメラ. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “マクドナルド渋谷東映プラザ店”. 店舗検索. 日本マクドナルド. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “マクドナルド「渋谷東映プラザ店」の1日店舗売上高が過去最高に”. 渋谷経済新聞 (2009年5月1日). 2014年10月23日閲覧。
- ^ “渋谷支店の移転について” (PDF). ニュースリリース. あおぞら銀行 (2012年11月30日). 2014年10月23日閲覧。
外部リンク
編集- 渋谷TOEI(2022年11月時点のアーカイブ)
- 渋谷東映劇場/渋谷エルミタージュ(現・渋谷TOEI1・2) ※「港町キネマ通り」サイト内(2003年6月取材のもの)