津山まなびの鉄道館
岡山県津山市にある鉄道に関する博物館
津山まなびの鉄道館(つやままなびのてつどうかん、英語:Tsuyama Railroad Educational Museum)は、岡山県津山市にある鉄道に関する事物を展示する博物館(鉄道保存展示施設)である。
津山まなびの鉄道館 Tsuyama Railroad Educational Museum | |
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施設情報 | |
正式名称 | 津山まなびの鉄道館 |
前身 |
旧津山扇形機関車庫 懐かしの鉄道展示室 |
専門分野 | 鉄道 |
収蔵作品数 | 鉄道車両13両 |
館長 | 安原茂蔵 |
事業主体 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
管理運営 | 公益社団法人津山市観光協会 |
延床面積 | 273 m2 |
開館 | 2016年4月2日 |
所在地 | 岡山県津山市大谷(JR西日本津山駅構内) |
位置 | 北緯35度3分14.7秒 東経134度0分2.9秒 / 北緯35.054083度 東経134.000806度座標: 北緯35度3分14.7秒 東経134度0分2.9秒 / 北緯35.054083度 東経134.000806度 |
外部リンク | 津山まなびの鉄道館 |
プロジェクト:GLAM |
西日本旅客鉄道(JR西日本)および公益社団法人津山市観光協会が旧津山扇形機関車庫をリニューアルして、2016年(平成28年)4月2日に岡山県津山市の津山駅構内に開館した[1][2][3]。
概要
編集津山機関区の施設として1936年に建設された扇形機関車庫が、津山駅に隣接した旧機関区用地で現在も使用されており、現役を引退した静態保存車両を展示する鉄道保存展示施設としても活用されている。
扇形庫は、奥行が22.1 mで17線あり、現存する施設としては京都市にある梅小路運転区(京都鉄道博物館)の扇形庫に次いで日本で2番目の規模である。また、経済産業省の近代化産業遺産(対象は機関車庫と転車台)[4]、社団法人土木学会が選定した「日本の近代土木遺産 −現存する重要な土木構造物2800選」及び、岡山県教育委員会が選定した「岡山の近代化遺産」に指定されている。
- 津山鉄道部時代の2007年から、同扇形庫と隣接する旧津山機関区事務所を利用した「懐かしの鉄道展示室」が一般公開(不定期、予約制)されていた[5]。2014年は4月12日(土)から11月16日(日)までの第2・第4(土曜日・日曜日)を中心に計38日間実施された[6]。また、2014年からの展示では、転車台に車両を載せた状態で、実際に回転させている。なお、車両は月ごとに異なる車両となる。
- 2015年2月26日 - JR西日本岡山支社は施設のリニューアルを発表し、2014年に閉館した交通科学博物館に保存されていたD51形蒸気機関車、DD13形ディーゼル機関車、DF50形ディーゼル機関車を移設・展示することが明らかになった[7]。リニューアルに応じて2015年は改修工事のため一般公開をとりやめ、2016年4月2日より再開することもあわせて発表された[7]。
- 2015年8月6日 - DD16 304が輸送された[8]。
- 2015年10月29日 - リニューアルオープン後の施設名が「津山まなびの鉄道館」となることが発表された[9]。
- 2016年2月22日 - 2016年4月2日にオープンすることがJR西日本から発表された[1]。定休日(毎週月曜と年末年始)を除いて通年開館で、有料となる[1]。また施設の運営は津山市観光協会が主体となる[1]。
- 2016年4月2日 - 「津山まなびの鉄道館」としてリニューアルオープンした[3]。
- 館内は扇形機関車庫、転車台、まなびルーム、あゆみルーム、しくみルーム、まちなみルーム、いこいの広場で構成されている。
- 国鉄C57形蒸気機関車68号動輪の展示や旅立ちの汽笛(D51形蒸気機関車755号機の汽笛)もある。
- 2017年6月25日 - 来館者10万人を達成した。
保存車両
編集扇形庫で保存されている車両は以下の通り[10]。
形式 | 車両番号 | 製造年 | 最終配置箇所 | 収蔵年月 | 備考 |
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DD16形ディーゼル機関車 | 304号機 | 1983年[注 1] | 金沢総合車両所 | 2015年8月 | 大糸線で運用された除雪車。本来300番台はラッセルヘッドを機関車本体の前後に連結するスタイルだが、扇形庫の長さの関係で本体とラッセルヘッド1両のみが保存された。 |
DE50形ディーゼル機関車 | 1号機 | 1970年 | 岡山機関区 | 2007年4月 | 1両だけ製造された試作車であり、量産は行われなかった。 |
10t貨車移動機 | 1974年 | 後藤総合車両所 | 2011年3月 | 米子駅で運用されていた。 | |
DD51形ディーゼル機関車 | 1187号機 | 1977年 | 後藤総合車両所 | 2007年8月 | 1986年12月28日に発生したお座敷客車「みやび」の転落事故(余部鉄橋列車転落事故)の牽引機だった。2003年には山陰本線・山口線で、現在も後藤総合車両所に所属する1186号機と共に、お召し列車を牽引した経歴を持つ。 |
DD15形ディーゼル機関車 | 30号機 | 1964年 | 富山地域鉄道部 富山運転センター |
2011年3月 | 北陸本線で除雪車として運用されていた。 |
DD13形ディーゼル機関車 | 638号機 | 1967年 | 姫路機関区 | 2015年3月 | 以前は交通科学博物館に展示されていた。 |
DF50形ディーゼル機関車 | 18号機 | 1958年 | 高松運転所 | 2015年3月 | |
D51形蒸気機関車 | 2号機 | 1936年 | 稲沢第一機関区 | 2015年3月 | |
キハ52形気動車 | 115号 | 1965年 | 富山地域鉄道部 富山運転センター |
2010年3月 | かつては越美北線や大糸線で運用された。 |
キハ58形気動車 | 563号 | 1964年 | 岡山気動車区 | 2010年3月 | 急行「みよし」として広島運転所に配置されていたが、同列車の廃止後は旧国鉄急行色に塗り替えたうえで津山鉄道部に転属し、「みまさかスローライフ列車」などのイベント列車や団体列車として運用された。 |
キハ28形気動車 | 2329号 | ||||
キハ181形気動車 | 12号 | 1969年 | 京都総合運転所 | 2011年3月 | 山陰地区で運用された後、京都総合運転所に転属して特急「はまかぜ」などに運用された。 |
キハ33形気動車 | 1001号 | 1988年[注 2] | 鳥取鉄道部 西鳥取車両支部 |
2010年3月 | かつては山陰本線の鳥取地区や境線で運用された車両。キハ52形と同様に2010年3月13日のダイヤ改正をもって引退した。 |
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キハ33形の転車(2014年)
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DF50の転車(2016年)
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D51 2号機
関連施設
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d 『平成28年4月2日 「津山まなびの鉄道館」がオープンします!』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2016年2月22日。オリジナルの2016年3月22日時点におけるアーカイブ 。2016年3月1日閲覧。
- ^ 「JR岡山支社・他 旧津山扇形機関車庫4月2日新装オープン」『交通新聞』交通新聞社、2016年2月24日。
- ^ a b “「津山まなびの鉄道館」オープン”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2016年4月3日). 2016年4月3日閲覧。
- ^ 『近代化産業遺産群続33 : 近代化産業遺産が紡ぎ出す先人達の物語』(PDF)経済産業省、39頁。全国書誌番号:21719724 。2024年1月12日閲覧。
- ^ 『津山「懐かしの鉄道展示室」のオープンと「みまさかスローライフ列車」の運行』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2007年4月20日。オリジナルの2007年5月4日時点におけるアーカイブ 。2007年4月20日閲覧。
- ^ 『平成26年度 旧津山扇形機関車庫(きゅうつやませんけいきかんしゃこ)一般公開について』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2014年2月27日。オリジナルの2016年3月22日時点におけるアーカイブ 。2016年3月22日閲覧。
- ^ a b 「津山扇形機関車庫リニューアルへ JR「子どもたちの教育施設に」」『山陽新聞』2015年2月27日。オリジナルの2015年2月27日時点におけるアーカイブ。
- ^ 晴れの国おかやま鉄道情報(岡山県県民生活交通課) - Facebook
- ^ 『「旧津山扇形機関車庫」の改装オープンについて』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2015年10月29日 。
- ^ 津山まなびの鉄道館パンフレットより
- ^ 沖田祐作(編)「機関車表 国鉄編II 電気機関車・内燃機関車の部」『RailMagazine』第301号、ネコ・パブリッシング。の付録CD-ROMより。
- ^ 葛英一、藤田吾郎「50系客車 車歴表」『鉄道ピクトリアル』第558号、電気車研究会、50頁。
- ^ 【レトロリレーバス2018】津山まなびの鉄道館~柵原ふれあい鉱山公園(津山まなびの鉄道館)
外部リンク
編集- 津山まなびの鉄道館 - ホームページ
- 扇形機関車庫 津山まなびの鉄道館 - アットタウンWEBマガジン