洋光台
洋光台(ようこうだい)は、神奈川県横浜市磯子区南部の丘陵地帯にある町名。昭和40年代より開発された、いわゆるニュータウンである。関内地区から直線距離でおよそ8km、横浜駅からは10kmに位置する。標高はおよそ45 - 80mで起伏が激しい。西側は港南区港南台に隣接する。現行行政地名は洋光台一丁目から洋光台六丁目。住居表示実施済み区域。
洋光台 | |
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町丁 | |
洋光台駅付近の街並み | |
北緯35度22分42秒 東経139度35分47秒 / 北緯35.378397度 東経139.596511度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 神奈川 |
市町村 | 横浜市 |
行政区 | 磯子区 |
人口情報(2023年(令和5年)4月30日現在[1]) | |
人口 | 23,747 人 |
世帯数 | 12,447 世帯 |
面積([2]) | |
2.092 km² | |
人口密度 | 11351.34 人/km² |
設置日 | 1970年(昭和40年)4月1日 |
郵便番号 | 235-0045[3] |
市外局番 | 045(横浜MA)[4] |
ナンバープレート | 横浜 |
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国際港都建設計画に基づき、横浜市と日本住宅公団(現・都市再生機構)により開発された。町名の由来は、海から昇る朝日がきれいだと工事関係者の間で話題になったことから来ている。
地理
編集現在の町域は、かつての磯子区矢部野町、栗木町・田中町・峰町・日野町・笹下町の一部にあたり、当時はそれぞれの町が飛び地を持つなど、かなり入り組んで接していた。また、開発前の付近一帯は森林に囲まれた農村地帯だった。すでに消滅した矢部野という地名は、駅前の跨線橋および根岸線のトンネルにわずかにその名をとどめているのみである。現在、隣接する磯子区田中・栗木、港南区笹下・日野中央のそれぞれ一部も、洋光台の生活圏となっている。
地価
編集住宅地の地価は、2023年(令和5年)1月1日の公示地価によれば、洋光台4-3-19の地点で25万3000円/m2となっている。[5]
面積
編集面積は以下の通りである[2]。
丁目 | 面積(km2) |
---|---|
洋光台一丁目 | 0.255 |
洋光台二丁目 | 0.319 |
洋光台三丁目 | 0.333 |
洋光台四丁目 | 0.349 |
洋光台五丁目 | 0.405 |
洋光台六丁目 | 0.431 |
計 | 2.092 |
歴史
編集1966年より、土地区画整理事業により計画戸数8558戸、計画人口3万3千人、都市区画整理事業区域面積207.5ヘクタールのニュータウン開発が始まった。1970年には国電根岸線が洋光台駅まで延伸し、住宅の入居が開始した[6]。「ハマの山の手」のキーワードで売り出され[7]、1973年に行われた宅地分譲の抽選倍率は約5000倍とそれまでの宅地分譲の最高記録を更新した[6]。
年表
編集- 1966年
- 1970年
- 1971年
- 1973年
- 1974年4月1日 - 洋光台第四小学校開校。
- 1976年4月1日 - 洋光台第二中学校開校。
- 1983年6月23日 - 磯子消防署洋光台消防出張所開設。
- 1984年5月4日 - 駅前公園内に横浜こども科学館開館。
- 1993年9月4日 - 駅前公園内に洋光台駅前ログハウス開館。
- 1997年9月2日 - 洋光台地域ケアプラザ開所。
- 2006年 - 洋光台まちづくり協議会と青少年夢環境部会がこどもたちと共に、洋光台緑地一角の湧水活用トンボ池を完成させる。
- 2006年10月11日 - 洋光台連合自治町内会による防犯・防災・環境・広報活動により、洋光台エリアの犯罪件数が激減、安全・安心なまちづくり関係功労者として内閣総理大臣賞を受賞。
- 2009年6月 - 洋光台緑地トンボ池関連の活動について、横浜市より第17回横浜環境活動賞を受賞。
- 2011年12月 - UR都市機構が“日本の団地再生”に取り組む「21世紀型モデルプロジェクト」として「ルネッサンス in 洋光台」を始動。
- 2013年11月-らぶ♡まち洋光台がすみたいまち、楽しいまちづくりのいっぽとしてキャンドルナイト@洋光台第1回目を開催し、子どもから大人までがつながる住民参加型イベントを開催。
- 2014年3月 - 洋光台のコミュニティを元気にする活動のチャレンジスペース「CC ラボ」が、サンモール洋光台(中央団地内)に開設。
- 2015年
- 2018年8月1日 - 中央団地広場のリニューアル工事完成[14]。
世帯数と人口
編集2023年(令和5年)4月30日現在(横浜市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]。
丁目 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
洋光台一丁目 | 1,211世帯 | 2,638人 |
洋光台二丁目 | 2,197世帯 | 3,879人 |
洋光台三丁目 | 2,181世帯 | 3,996人 |
洋光台四丁目 | 1,945世帯 | 3,714人 |
洋光台五丁目 | 3,089世帯 | 5,718人 |
洋光台六丁目 | 1,824世帯 | 3,802人 |
計 | 12,447世帯 | 23,747人 |
人口の変遷
編集国勢調査による人口の推移。
年 | 人口 |
---|---|
1995年(平成7年)[15] | 27,928
|
2000年(平成12年)[16] | 26,419
|
2005年(平成17年)[17] | 26,094
|
2010年(平成22年)[18] | 25,371
|
2015年(平成27年)[19] | 24,363
|
2020年(令和2年)[20] | 23,356
|
世帯数の変遷
編集国勢調査による世帯数の推移。
年 | 世帯数 |
---|---|
1995年(平成7年)[15] | 10,560
|
2000年(平成12年)[16] | 10,720
|
2005年(平成17年)[17] | 11,184
|
2010年(平成22年)[18] | 11,462
|
2015年(平成27年)[19] | 11,396
|
2020年(令和2年)[20] | 11,622
|
学区
編集市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2021年8月時点)[21]。
丁目 | 番地 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|---|
洋光台一丁目 | 全域 | 横浜市立洋光台第一小学校 | 横浜市立洋光台第一中学校 |
洋光台二丁目 | 1番 14〜19番 | ||
2〜13番 | 横浜市立洋光台第三小学校 | ||
洋光台三丁目 | 1〜10番 | ||
11〜42番 | 横浜市立洋光台第一小学校 | ||
洋光台四丁目 | 全域 | 横浜市立洋光台第二小学校 | 横浜市立洋光台第二中学校 |
洋光台五丁目 | 1〜4番 | ||
5〜14番 | 横浜市立洋光台第四小学校 | ||
15〜21番 | 横浜市立洋光台第三小学校 | 横浜市立洋光台第一中学校 | |
洋光台六丁目 | 1〜31番 | 横浜市立洋光台第四小学校 | 横浜市立洋光台第二中学校 |
32〜43番 | 横浜市立洋光台第二小学校 |
事業所
編集2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[22]。
丁目 | 事業所数 | 従業員数 |
---|---|---|
洋光台一丁目 | 54事業所 | 364人 |
洋光台二丁目 | 25事業所 | 264人 |
洋光台三丁目 | 197事業所 | 1,500人 |
洋光台四丁目 | 72事業所 | 910人 |
洋光台五丁目 | 58事業所 | 696人 |
洋光台六丁目 | 82事業所 | 877人 |
計 | 488事業所 | 4,611人 |
事業者数の変遷
編集経済センサスによる事業所数の推移。
年 | 事業者数 |
---|---|
2016年(平成28年)[23] | 447
|
2021年(令和3年)[22] | 488
|
従業員数の変遷
編集経済センサスによる従業員数の推移。
年 | 従業員数 |
---|---|
2016年(平成28年)[23] | 3,815
|
2021年(令和3年)[22] | 4,611
|
住宅
編集-
隈研吾のデザインで改修された中央団地の広場
-
橋上構造の、北団地集会所
一戸建てと、UR都市機構を中心とした賃貸・分譲団地が混在している。かつては日本鋼管や旭化成など京浜地区に工場を持つ企業の社宅や社員寮が多く見られたが近年は減少し、建売住宅や民間マンションなどに生まれ変わっている。1970年代に入居開始した団地では高齢化が進行している。
洋光台の人口のうち、約3割が洋光台中央・北・西団地のUR賃貸住宅に暮らす[6]。 北団地は南北を走る洋光台通りの堀割を境に東側の1街区と西側の3街区に分かれ、両街区の間には歩道橋が架けられている[24]。5階建の中層棟が主であるが、10階建ての高層棟が1街区に2棟、3街区に1棟配置されており、その北側はグラウンドとなっている[25]。1街区の集会所は、北団地の建物配置は、設計者が写真で見たクロアチアの城郭都市ドゥブロヴニクを参考にしている[26]。中央団地は洋光台駅前に位置し、高層棟が中心である。日本住宅公団の区分では市街地住宅に位置づけられ、子どもの遊び場が十分に取れないなどの理由から、1DKや2DKの少人数世帯の住戸が主である。美観や落下物対策からバルコニーを設けない代わりにサンルームが設えられている[27]。低層階には商店が入居し、サンモール洋光台商店街を形成する[28]。2018年には隈研吾、佐藤可士和らのデザイン監修により広場のリニューアルが行われた[14]。
- 洋光台中央団地1街区・13街区(UR、高層賃貸1,338戸)
- 洋光台北団地1街区・3街区(UR、賃貸1,800戸)
- 洋光台南団地4街区・6街区(UR、分譲1,493戸)
- 洋光台南団地5街区(市営、賃貸730戸)
- 洋光台西団地(UR、賃貸274戸)
商業
編集駅周辺にそれほど飲食店はないが、多くのスーパーマーケットが集中しており買い物に便利な場所である。
教育機関など
編集町内には市立小学校4校・市立中学校2校がある。小学校の学区は町を南北に走る洋光台通りと東西に走る根岸線で区切られ、北東が第一小学校、南東が第二小学校、北西が第三小学校、南西が第四小学校の学区となっている。中学校は、根岸線の北側が第一中学校、南側が第二中学校の学区となっている。第三小学校と第一中学校は、港南区日野中央の一部も学区に含まれる。 駅前公園内にはプラネタリウムなどを備えた横浜こども科学館(はまぎんこども宇宙科学館)や、ログハウス(児童館)がある。
交通
編集鉄道
編集JR根岸線洋光台駅(横浜駅より約21分)利用が中心だが、路線バスで20分前後の京急本線上大岡駅も利用されている。
バス
編集上大岡駅へ横浜市営バス・江ノ電バスが比較的本数が多く運行されているほか、横浜市営バスが港南台駅・上永谷駅・上中里団地方面、江ノ電バスが磯子駅方面、京浜急行バスが金沢文庫駅方面へ運行している。詳細は、洋光台駅#路線バス参照。
道路
編集街の歌
編集わが街洋光台
編集洋光台誕生10周年記念行事の1つとして、当時の洋光台連合長が町歌の歌詞を公募、優秀作品に中野堅五の作品が選ばれ、藤田耕平による作曲で完成。1985年5月、横浜こども科学館で行われた第1回音楽のつどいでヌオーヴァ女声合唱団によって披露され、現在でも、自治体のイベント時などに使われている。
洋光台音頭
編集洋光台誕生10周年の頃、当時の洋光台連合長による「盆踊りに使う歌を作ろう」という呼び掛けに応え、当時1街区在住の岡崎政治による作詞と、3街区在住の西雄二の作曲により誕生。現在も洋光台の盆踊りの定番曲として盛んに流されている。
その他
編集日本郵便
編集警察
編集町内の警察の管轄区域は以下の通りである[30]。
丁目 | 番・番地等 | 警察署 | 交番・駐在所 |
---|---|---|---|
洋光台一丁目 | 全域 | 磯子警察署 | 洋光台交番 |
洋光台二丁目 | 全域 | ||
洋光台三丁目 | 全域 | ||
洋光台四丁目 | 全域 | ||
洋光台五丁目 | 全域 | ||
洋光台六丁目 | 全域 |
脚注
編集- ^ a b “令和5(2023)年 町丁別人口(住民基本台帳による)町丁別人口_令和5年4月” (XLSX). 横浜市 (2023年5月10日). 2023年5月15日閲覧。 “(ファイル元のページ)”(CC-BY-4.0)
- ^ a b “横浜市町区域要覧”. 横浜市 (2018年7月9日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b “洋光台の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
- ^ “国土交通省地価公示・都道府県地価調査”. 国土交通省. 2023年5月24日閲覧。
- ^ a b c (隈 2014, pp. 8–9)
- ^ (隈 2014, p. 28)
- ^ a b c d 磯子区歴史年表 昭和21年~45年 磯子区総務部
- ^ “市・区・町の沿革”. 横浜市. 2021年8月11日閲覧。 “(ファイル元のページ)”
- ^ 団地造成の根岸線で脱線 電車へ土砂崩れ『朝日新聞』昭和45年(1970年)5月21日朝刊、12版、3面
- ^ 34時間ぶりに開通 根岸線『朝日新聞』昭和45年(1970年)5月22日夕刊、3版、7面
- ^ 磯子区歴史年表 昭和46年~平成10年 磯子区総務部
- ^ 「シン・ゴジラ」ロケ撮影in洋光台
- ^ a b “JR洋光台駅前の広場がリニューアル! 世界に向けた「団地の未来」プロジェクトとは?”. はまれぽ.com (2018年8月13日). 2018年9月16日閲覧。
- ^ a b “平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2023年4月27日閲覧。
- ^ “小・中学校等の通学区域一覧(通学規則 別表)”. 横浜市 (2021年8月5日). 2021年8月8日閲覧。
- ^ a b c “経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
- ^ a b “経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
- ^ (隈 2014, p. 22)
- ^ (隈 2014, p. 20,26)
- ^ (隈 2014, p. 19-20)
- ^ (隈 2014, p. 81)
- ^ (隈 2014, pp. 34–35)
- ^ “郵便番号簿 2020年度版” (PDF). 日本郵便. 2021年8月7日閲覧。
- ^ “交番案内”. 磯子警察署. 2021年8月21日閲覧。