波津 彬子(はつ あきこ、1959年12月16日 - )は、日本女性漫画家石川県金沢市出身[1]、在住[2]血液型はA型。あとがきマンガでは波頭 涛子(なみがしら とうこ)を名乗っている。実姉は漫画家の花郁悠紀子

はつ あきこ
波津 彬子
生誕 (1959-12-16) 1959年12月16日(65歳)
職業 漫画家
活動期間 1981年 -
ジャンル 少女漫画
代表作雨柳堂夢咄[1]
『うるわしの英国シリーズ』[1]
公式サイト 波万波 AKIKO HATSU OFFICIAL SITE
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略歴

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姉・花郁悠紀子が入っていた坂田靖子の漫画研究会ラヴリの活動を小学生のころから見ており[3]、のちに自身も参加。花郁悠紀子、坂田靖子、橋本多佳子のアシスタントをしていた[3]。ラヴリのメンバーや縁のあるプロ漫画家に声をかけ同人誌『らっぽり』を主催[3][注釈 1]
姉の没後の1981年、『ALLAN』(みのり書房)1月号に掲載の「波の挽歌」でプロデビュー[1]。その後、『グレープフルーツ』(新書館)、『デュオ』(朝日ソノラマ)、『プチフラワー』(小学館)などで活躍。
伝統への造詣の深さが作風に現れ、オリジナル作品の他に泉鏡花の小説のコミカライズも手がける。画集も出版されている。エッセイストとしての執筆や同人誌活動も行う。
2021年から朝日新聞出版による『朝日ホラーコミック大賞』の審査員を務めている[4][5][6]
代表作は「雨柳堂夢咄」「うるわしの英国シリーズ」など[1]花郁悠紀子作品の著作権継承者でもある。[要出典]

人物

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ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA)2021年8月号に掲載された「植物と本」特集のインタビューで、波津は「古都金沢に生まれ育ったことと自分の美意識は切り離せない」と語っている[7]

作風

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波津によると、作中の季節感や雰囲気を作るために、無意識に植物を使っているという[7]。 猫が物語に出てくることが多いが、とても猫らしさが豊かに描かれていて作家の観察眼の鋭さが感じられる。

作品リスト

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  • 『B級パラダイス!』朝日ソノラマ〈デュオ・セレクション〉、1985年4月。ISBN 4-257-90058-X 
    • 『B級パラダイス!』(改訂・増補版)朝日ソノラマ、1993年12月。ISBN 4-257-90210-8 
  • 『光の庭・風の立つ影』小学館〈PFビッグコミックス〉、1987年8月。ISBN 4-09-178661-8 
  • 『パーフェクト・ジェントルマン』小学館〈PFコミックス〉、1988年12月。ISBN 4-09-178662-6 
    • 『パーフェクト・ジェントルマン』小学館〈小学館文庫〉、2000年6月。ISBN 4-09-191331-8 
  • 『さざめく黄金(きん)の波』新書館〈ペーパームーンコミックス〉、1989年7月。ISBN 978-4-403-61200-8 
  • 『燕雀庵夜咄』朝日ソノラマ、1989年9月。ISBN 4-257-90107-1 
  • 『お目にかかれて』小学館〈PFコミックス〉、1990年5月。ISBN 4-09-178663-4 
    • 『お目にかかれて』小学館〈小学館文庫〉、2000年6月。ISBN 4-09-191332-6 
  • 『水に棲む鬼』朝日ソノラマ、1992年7月。ISBN 4-257-90161-6 
  • 『秋霖の忌』朝日ソノラマ、1992年11月。ISBN 4-257-90169-1 
  • 『夜はきて愛を語り』朝日ソノラマ〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、1993年11月。ISBN 4-257-90207-8 
    • 『夜はきて愛を語り』朝日ソノラマ〈ソノラマコミック文庫〉、2003年6月。ISBN 4-257-72212-6 
    • 『夜はきて愛を語り』(新版)朝日新聞社〈ソノラマコミック文庫〉、2007年10月。ISBN 978-4-02-267136-3 
    • 『夜はきて愛を語り』(新版)朝日新聞社〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、2007年10月。ISBN 978-4-02-213096-9 
  • 雨柳堂夢咄 其の1-12(1993/03-、続刊)
    • 雨柳堂夢咄 其の1-11(新版2007/10-、続刊)
    • 雨柳堂夢咄 其の1-7(文庫版2002/06-、続刊)
    • 雨柳堂夢咄 其の1-6(新版文庫2007/10-、続刊)
  • 『雨柳堂夢咄画集』朝日ソノラマ、2004年10月。ISBN 4-257-03702-4 
  • 『花色更紗 波津彬子イラスト集』朝日ソノラマ、1993年9月。ISBN 4-257-03367-3 
  • 『幽霊宿の主人(あるじ)』角川書店〈Asuka comics DX. 冥境青譚抄 1〉、1994年6月。ISBN 4-04-852482-8 
    • 『幽霊宿の主人(あるじ) 冥境青譚抄』白泉社〈白泉社文庫〉、1999年12月。ISBN 4-592-88335-7 
  • 『牡丹灯籠』朝日ソノラマ、1995年7月。ISBN 4-257-90250-7 
    • 『牡丹灯籠』(新版)朝日新聞社〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、2007年10月。ISBN 978-4-02-213091-4 
  • 『鏡花夢幻』朝日ソノラマ〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、1995年11月。ISBN 4-257-90257-4 
    • 『鏡花夢幻 泉鏡花/原作より』白泉社〈白泉社文庫〉、2000年6月。ISBN 4-592-88337-3 
    • 『鏡花夢幻』(新版)朝日新聞社〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、2007年10月。ISBN 978-4-02-213092-1 
  • 『水の中の月』角川書店〈Asuka comics DX. 冥境青譚抄 2〉、1996年5月。ISBN 4-04-852680-4 
  • 『9つの夜の扉』朝日ソノラマ〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、1997年9月。ISBN 4-257-90310-4 
    • 『9つの夜の扉』(新版)朝日新聞社〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、2007年10月。ISBN 978-4-02-213078-5 
  • 異国の花守』小学館〈PFコミックス〉、1997年12月。ISBN 4-09-178664-2 
    • 『花の聲(こえ) 異国の花守』小学館〈PFコミックス〉、1999年4月。ISBN 4-09-178665-0 
    • 『異国の花守』小学館〈小学館文庫〉、2001年10月。ISBN 4-09-191333-4 
  • 『夜のやさしい手』白泉社〈ジェッツコミックス〉、1999年11月。ISBN 978-4-592-13193-9 
  • 『唐人屋敷』朝日ソノラマ〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、2000年6月。ISBN 4-257-90417-8 
    • 『唐人屋敷』(新版)朝日新聞社〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、2007年10月。ISBN 978-4-02-213095-2 
    • 『唐人屋敷』朝日新聞社〈ソノラマコミック文庫 は28-9〉、2009年1月。ISBN 978-4-02-267184-4 
  • 『彩織り幻想 多宝格 波津彬子の世界』小学館、2001年11月。ISBN 4-09-199881-X 
  • うるわしの英国シリーズ
    • 『月の出をまって』小学館〈Flower comics special. うるわしの英国シリーズ 1〉、2002年4月。ISBN 4-09-138781-0 
    • 『中国(チャイナ)の鳥』小学館〈Flower comics special. うるわしの英国シリーズ 2〉、2004年6月。ISBN 4-09-138782-9 
    • 『空中楼閣の住人』小学館〈Flower comics special. うるわしの英国シリーズ 3〉、2005年4月。ISBN 4-09-138783-7 
    • 『花々のゆううつ』小学館〈Flower comics special. うるわしの英国シリーズ 4〉、2007年1月。ISBN 4-09-130794-9 
    • 『扉をあける風』小学館〈Flower comics special. うるわしの英国シリーズ 5〉、2007年10月。ISBN 978-4-09-131396-6 
  • 『姫の恋わずらい』小学館〈Flower comics special〉、2008年7月。ISBN 978-4-09-131720-9 
  • 女神さまと私 全2巻、2009年 - 2010年
  • 『幻想綺帖』 1巻、朝日新聞社〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、2009年9月。ISBN 978-4-02-213143-0 
  • 岡本綺堂『幻想綺帖』 2巻、波津彬子画、朝日新聞社〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、2009年11月。ISBN 978-4-02-213146-1 
  • レディシノワズリ 全2巻、2011年 - 2013年
  • 『画業30周年&「雨柳堂夢咄」連載20周年記念集 千波万波』朝日新聞社〈眠れぬ夜の奇妙な話コミックス〉、2010年12月。ISBN 978-4-02-213162-1 
  • 『蔵のある家(短編集)』小学館〈Flower comics special〉、2014年2月。ISBN 978-4091358561 [8]
  • ふるぎぬや紋様帳 全6巻、2015年 - 2022年
  • 『幻妖能楽集』KADOKAWA〈怪と幽COMICS〉、2021年11月。ISBN 978-4-04-111733-0  監修:山内麻衣子
  • 『あらあらかしこ』 1巻、小学館〈FLOWER COMICS SPECIAL〉、2023年10月15日、1-192頁。ISBN 978-4098723607 
    第1〜6話を収録(「月刊フラワーズ」2022年9・11月,2023年1・3・7・9月号/10月10日発売)。

共著・編著・共編著

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単行本未収録

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  • 秘密の想い人(『増刊flowers』2021年冬号,表紙&巻頭カラー付き40頁の読切[9]
  • 石川グルメの秘密(『増刊flowers』2022年春号,描き下ろしエッセイ漫画4頁[10]
  • 森羅万象を司る宮の姫君(『月刊フラワーズ』2023年5月号,巻中カラー付き40頁の読切[11]
  • あらあらかしこ(『月刊フラワーズ』2022年9月号より奇数月・隔月にて連載中[12][13][注釈 2]
  • 三歩下がって(『ビッグコミック増刊号』2023年3月17日号,扉絵含む24頁の読切[14]
  • 白百合の君(『ビッグコミック増刊号』2023年8月17日号,大正ロマン読切第2弾,扉絵含む24頁[15]
  • 魅惑の白黒(『増刊flowers』2024年春号,描き下ろしエッセイ漫画4頁[16]
  • 夜の逍遙(『増刊flowers』2024年夏号,表紙&20頁の読切[17]

脚注

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注釈

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  1. ^ 「やおい特集号」「CM特集号」「兄弟仁義」の3冊。「やおい特集号」が「やおい」という言葉の初出。[要出典]
  2. ^ 2023/10/11補足:第1-6話は単行本1巻に収録済み。

出典

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  1. ^ a b c d e “波津彬子”. コミックナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/comic/artist/2347 2021年11月29日閲覧。 
  2. ^ 松徳硝子株式会社 | 本所七不思議/怪談ぐい呑み
  3. ^ a b c 資料再録「坂田靖子と同人誌 ”『兄弟仁義とその時代』坂田靖子 波津彬子” より」『総特集 坂田靖子 ふしぎの国のマンガ描き』 河出書房新社、2016年
  4. ^ 最恐の怖い話ください…朝日新聞出版がホラーマンガ大賞を開催、審査員長は伊藤潤二」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2021年8月3日。2023年7月20日閲覧。 "審査員長は伊藤潤二。そのほかの審査員には波津彬子をはじめ、TVドラマ「ほんとにあった怖い話」シリーズの総合プロデューサー・後藤博幸氏、東宝株式会社の映像本部で開発チームリーダーを務める馮年氏が名を連ねている。"
  5. ^ 金山佐和「朝日ホラーコミック大賞発表!伊藤潤二審査員長が話す「ホラーのアイデアを生みだす視点」とは」『AERA dot.朝日新聞出版、2022年1月13日。2023年7月20日閲覧。
  6. ^ 岩中菜々子&長谷川拓美「第2回朝日ホラーコミック大賞発表! 伊藤潤二が「本当におもしろいなぁ」と大絶賛の受賞作品とは」『AERA dot.』朝日新聞出版、2023年2月1日。2023年7月20日閲覧。
  7. ^ a b ダ・ヴィンチ特集「植物と本」にねむようこと波津彬子、自身と植物について語る」『コミックナタリー』ナターシャ、2021年7月6日。2021年7月6日閲覧。
  8. ^ 波津彬子 (2014年2月11日). “新刊出ました。”. アメーバブログ. はつ日記. サイバーエージェント. 2023年7月20日閲覧。
  9. ^ 「秘密の想い人」『増刊フラワーズ』2021年冬号、小学館、2021年11月21日、3-43頁。 
  10. ^ 「第2特集:私の愛する推し県<石川県> 石川グルメの秘密」『増刊フラワーズ』2022年春号、小学館、2022年3月14日、345-348頁。 
  11. ^ 「森羅万象を司る宮の姫君」『月刊フラワーズ』2023年5月号、小学館、2023年3月28日、249-289頁。 
  12. ^ 第7話:30頁「あらあらかしこ」『月刊フラワーズ』2023年11月号、小学館、2023年9月28日、211-240頁。 
  13. ^ 第8話:31頁「あらあらかしこ」『月刊フラワーズ』2024年1月号、小学館、2023年11月28日、135-166頁。 
  14. ^ 「三歩下がって」『ビッグコミック増刊号』2023年3月17日号、小学館、2023年2月17日、95-118頁。 
  15. ^ 「白百合の君」『ビッグコミック増刊号』2023年8月17日号、小学館、2023年7月14日、115-138頁。 
  16. ^ 「特集:猫だらけ!7 魅惑の白黒」『増刊フラワーズ』2024年春号、小学館、2024年3月14日、313-316頁。「愛猫・塩瀬(しおぜ)の話」 
  17. ^ 「特集:こわいはなし2 夜の逍遙」『増刊フラワーズ 2024年夏号(通巻322号)』第23巻第10号、小学館、2024年7月12日、217-236頁、ASIN B0D8CP9K8J 

外部リンク

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