汐見町駅

日本の愛知県名古屋市港区潮見町にある名古屋臨海鉄道汐見町線の貨物駅

汐見町駅(しおみちょうえき)は、愛知県名古屋市港区潮見町にある名古屋臨海鉄道汐見町線貨物駅。現在貨物列車の発着はない。

汐見町駅
構内にあるヤード(2012年7月)
しおみちょう
Shiomicho
船見町 (2.1 km)
地図
所在地 名古屋市港区潮見町
北緯35度4分12.9秒 東経136度52分41.6秒 / 北緯35.070250度 東経136.878222度 / 35.070250; 136.878222座標: 北緯35度4分12.9秒 東経136度52分41.6秒 / 北緯35.070250度 東経136.878222度 / 35.070250; 136.878222
所属事業者 名古屋臨海鉄道
所属路線 汐見町線
キロ程 3.0 km(東港起点)
駅構造 地上駅
開業年月日 1965年昭和40年)8月20日
備考 貨物専用駅(休止中)
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歴史

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県営時代より9号地には広範囲に貨物線が伸びていた。これを名古屋臨海鉄道へ移管するにあたり、当初は貨物線を船見町線、汐見町線の2線に分け、それぞれの終点に北汐見町駅南汐見町駅の2駅を設置する計画であった[1]。しかし、これらの貨物線を本線路とすると貨車入換業務に支障が生じることが判明し、また末端部に駅を設置するとその地点を基準に運賃が設定され、入換作業料が従来より高くなることも問題となったため、結局両路線を統合して汐見町線とし、南側線分岐付近に汐見町駅1駅を置き、9号地内の貨物線は全て同駅の構外側線とする形に変更された[2]。これにより汐見町駅は広大な構内を持つことになったが、設立間もない名古屋臨海鉄道がこれを扱うのはハード・ソフト面ともに困難であり、汐見町駅の貨車入換作業は従来通り日本通運に委託された[3]

9号地の免許変遷
  船見町線  汐見町線  汐見町駅構外側線(中側線は省略)

変更前   変更後
(分岐点) 
     
 
 
 
 
 
 
       
 
 
 
 
 
 
 汐見町駅
北汐見町駅   (西側線)
南汐見町駅   (南側線)

年表

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駅構造

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新たに埋め立てられた名古屋港9号地(潮見埠頭)に開設された石油タンク(油槽所)から石油を輸送するために建設された。基部となる操車場から3本の構外側線(南側線、中側線、西側線)が伸び、そこから多くの油槽所や化学薬品タンクへの専用線が設けられた。

汐見町駅 鉄道配線略図(1981年)
↑ 東港駅
 
凡例
出典:[25]
破線は専用線


取扱貨物

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当初、共同石油三菱石油日本石油ゼネラル石油モービル石油出光興産昭和石油丸善石油という具合に実に多くの油槽所への専用線が設けられた。また、リノール油脂(現・日清オイリオグループ)名古屋工場や三菱商事の薬品タンク等への専用線もあった。

1980年代から多くの施設が撤去され、1990年代末期にはサンラックス伊藤忠商事宝石油化学、エム・シー・ターミナル(三菱商事子会社)、モービル石油、ジャパンエナジー日本石油の各専用線が残っていた。前4社は化学薬品を、後3社は石油製品を扱っていた。

その後貨物の取り扱いが完全になくなり、2003年(平成15年)10月1日のダイヤ改正で貨物列車の発着がなくなった。定期列車の設定がなくなって以降も空タンク車の臨時貨物列車が設定され、2010年まで不定期で運行されていた[26][注釈 2]2024年度ダイヤ改正時点でも東港駅-汐見町駅間で形式的に1日1往復の臨時専用貨物列車が設定されているが[27]、実際の運転は行われていない。

汐見町駅専用線一覧
1965年度[28] 1990年[29]
所有者 延長 主な取扱品 所有者 延長 主な取扱品
発送 到着
日本石油 1,829 m 重油軽油灯油ガソリン 日本石油 1,950m 石油類、空タンク車 石油類、空タンク車
出光興産 478 m 重油、軽油、灯油、ガソリン -
昭和石油 305 m 重油、軽油、灯油、ガソリン 昭和シェル石油 656 m 石油類、空タンク車 石油類、空タンク車
丸善石油 519 m 重油、軽油、灯油、ガソリン -
日本鉱業 240 m 重油、軽油、灯油、ガソリン 共同石油 147 m 空タンク車 石油類
三菱石油 722 m 重油、軽油、灯油、ガソリン 菱油ターミナル 174m 空タンク車 石油類
三井物産 396 m 重油、軽油、灯油、ガソリン -
ゼネラル瓦斯 398 m 液化石油ガス -
エッソ・スタンダード石油 445 m 重油、軽油、灯油、ガソリン エッソ石油 613 m 石油類、空タンク車 石油類、空タンク車
三菱商事 267 m 重油、ナフサ エム・シー・ターミナル 475 m 工業薬品 空タンク車
ゼネラル物産 重油、軽油、灯油、ガソリン -
東亜石油 重油、軽油、灯油、ガソリン -
東濱油脂 681 m 大豆大豆粕食用油、種子 リノール油脂 1,001 m 大豆、大豆油
中央倉庫 110 m 穀物 東陽油槽
中央倉庫
313 m 空タンク車、米麦、飼料 工業薬品、米麦、空タンク車
- 日本通運 471 m
- モービル石油 302 m 石油類、空タンク車 空タンク車、石油類
- 伊藤忠商事 579 m
78 m
工業薬品、空タンク車 空タンク車、工業薬品
- 三幸工業所 112 m 工業薬品、空タンク車 空タンク車、工業薬品
- 宝石油化学 169 m 石油類、空タンク車 空タンク車、石油類

駅周辺

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隣の駅

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名古屋臨海鉄道
汐見町線(休止)
船見町駅(休止) - 汐見町駅(休止)

脚注

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注釈

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  1. ^ 7、8号地への臨港鉄道敷設は名古屋港築港第4期計画(1927-1940年)に盛り込まれており[5]、第5期計画(1940-1946年)では9号地をも県営で敷設済みとされていることから[6]、当地への鉄道敷設は第4期工事期間中に実施されたものと思われる。
  2. ^ 名古屋高速4号東海線の開通工事に伴う踏切設備等の動作確認やレール磨きを兼ねていた。

出典

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  1. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, pp. 24–25.
  2. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, pp. 25–27.
  3. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 27.
  4. ^ 白井 2006, p. 138.
  5. ^ 奥田 1953, p. 196.
  6. ^ 奥田 1953, p. 313.
  7. ^ 名古屋鉄道 1994, p. 966.
  8. ^ a b 名古屋港管理組合 1967, p. 367.
  9. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 5.
  10. ^ 白井 2006, p. 139.
  11. ^ a b 名古屋臨海鉄道 1990, p. 196.
  12. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 42.
  13. ^ 今尾 2008, p. 62.
  14. ^ a b 名古屋臨海鉄道 1990, p. 197.
  15. ^ a b c d e f 名古屋臨海鉄道 1990, p. 198.
  16. ^ a b c d e f g 名古屋臨海鉄道 1990, p. 199.
  17. ^ a b c d e 名古屋臨海鉄道 1990, p. 200.
  18. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 117.
  19. ^ 名古屋臨海鉄道 1990, p. 109.
  20. ^ a b 名古屋臨海鉄道 1990, p. 202.
  21. ^ a b 名古屋臨海鉄道 1990, p. 203.
  22. ^ 名古屋臨海鉄道 1990, p. 204.
  23. ^ 名古屋臨海鉄道 1990, p. 205.
  24. ^ 国土交通省鉄道局 2016, p. 15.
  25. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 164.
  26. ^ 『日本の貨物列車 中部・東海編』(DVD)いずみ企画、2010年8月21日発売。
  27. ^ 鉄道貨物協会 2024, p. 160.
  28. ^ 名古屋臨海鉄道 1981, p. 55-56.
  29. ^ 名古屋臨海鉄道 1990, p. 38.

参考文献

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  • 奥田助七郎『名古屋築港誌』名古屋港管理組合、1953年。 
  • 名古屋港管理組合(編)『名古屋港年表』名古屋港管理組合、1967年。 
  • 名古屋臨海鉄道(編)『十五年のあゆみ』名古屋臨海鉄道、1981年。 
  • 名古屋臨海鉄道(編)『名古屋臨海鉄道二十五年史』名古屋臨海鉄道、1990年。 
  • 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年。 
  • 白井昭「知られざる名古屋港の名鉄貨物線-2 名鉄築港支線(潮見町線)、5500形蒸気を偲ぶ」『鉄道ファン』第539巻、交友社、2006年3月、138-143頁。 
  • 今尾恵介(監)『日本鉄道旅行地図帳』 7号 東海、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790025-8 
  • 国土交通省鉄道局(監)『鉄道要覧 平成28年度』鉄道図書刊行会、2016年。ISBN 9784885481277 
  • 鉄道貨物協会 編『2024 貨物時刻表』2024年3月1日。 

関連項目

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