母后

母后（ぼこう/ははきさき）は、皇帝・天皇・国王の母親（母である皇后（王妃）・皇太后（王太后））を指す語。欧米の言語では英語: Queen mother、ドイツ語: Königinmutter、フランス語: Reine mère等の名称がある。

概要

しばしば皇太后・王太后と同一に用いられる。元々、先の君主の后ではなかった場合も（側室の場合、配偶者が君主でない場合等）子が君主位に就いた後、皇太后・王太后等の称号を受ける場合もある。

現在存命中の母后

2023年現在、存命中の母后は以下の10人である。

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  シリキット
  （在位: 1950年–2016年）
  (1932-08-12) 1932年8月12日生
  （7001920000000000000♠92年 + 127日）
  元王妃
  タイ国王・ラーマ10世の母
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  上皇后美智子
  （在位: 1989年–2019年）
  (1934-10-20) 1934年10月20日生
  （7001900000000000000♠90年 + 58日）
  元皇后
  日本国今上天皇・徳仁の母
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  ノロドム・モニニヤット
  （在位: 1993年–2004年）
  (1936-06-18) 1936年6月18日生
  （7001880000000000000♠88年 + 182日）
  元王妃
  カンボジア現国王・ノロドム・シハモニの母
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  パオラ・ルッフォ・ディ・カラブリア
  （在位: 1993年–2013年）
  (1937-09-11) 1937年9月11日生
  （7001870000000000000♠87年 + 97日）
  元王妃
  ベルギー現国王・フィリップの母
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  ベアトリクス
  （在位: 1980年–2013年）
  (1938-01-31) 1938年1月31日生
  （7001860000000000000♠86年 + 321日）
  前オランダ女王
  オランダ現国王・ウィレム＝アレクサンダーの母
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  ソフィア
  （在位: 1975年–2014年）
  (1938-11-02) 1938年11月2日生
  （7001860000000000000♠86年 + 45日）
  元王妃
  スペイン現国王・フェリペ6世の母
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  マルグレーテ2世
  （在位: 1972年–2024年）
  (1940-04-16) 1940年4月16日生
  （7001840000000000000♠84年 + 245日）
  元女王
  デンマーク現国王・フレゼリク10世の母
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  ヌトンビ
  （在位: 在位日不明–1982年）
  (1949-12-27) 1949年12月27日生
  （7001740000000000000♠74年 + 356日）
  元王妃
  エスワティニ現国王・ムスワティ3世の母
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  ツェリン・ヤンドン
  （在位: 1979年–2006年）
  (1959-06-21) 1959年6月21日生
  （7001650000000000000♠65年 + 179日）
  元王妃
  ブータン現国王・ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュクの母
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  モーザ・ビント・ナーセル・アル＝ミスナド
  （在位: 1995年–2013年）
  (1959-08-08) 1959年8月8日生
  （7001650000000000000♠65年 + 131日）
  元首長夫人
  カタール現首長・タミーム・ビン・ハマド・アール＝サーニーの母

各国の例

日本

古代

→「皇太夫人」も参照

藤原宮子は、第42代文武天皇の夫人であり、第45代聖武天皇の生母となった。「皇太夫人」を経て、孫の第46代孝謙天皇が即位した際に「太皇太后」の称号を受けた。以後、平安初期まで「皇太夫人」の称号が用いられた。

中近世

→「准后」も参照

近現代

英照皇太后は、第121代孝明天皇の側室であったが、実子ではない第122代明治天皇の「嫡母」とされ、皇后を経ずに皇太后に冊立された（本人の項目を参照）。

一方、柳原愛子は明治天皇の側室で、第123代大正天皇の生母となったが、生前に正二位・逝去に際し従一位の位階に叙されたものの、生前・没後を通じ「皇太后」「皇太夫人」のような称号はない。

大正天皇以降は一夫一妻制の確立もあり、皇后の子が天皇に即位することが続いている。また、1947年（昭和22年）施行の皇室典範（現行）では嫡出性が明文化されたため、庶子は皇族としての身位自体を得られない（身位を参照）。このため、「天皇の生母」は皇后・親王妃・王妃のいずれかであった者となる。

インド

→詳細は「マハーラージャ」を参照

マハーラージャの未亡人は「ラージマータ」（Rajmata）と呼ばれる。

オスマン帝国

→詳細は「ヴァリーデ・スルタン」を参照

オスマン帝国前期には、皇帝（スルタン）の男兄弟は殺害され、皇帝の生母が「ヴァリーデ・スルタン」としてハレム（後宮）に影響力を持った。

ヨーロッパ諸国

英国（イングランド、スコットランド）

→詳細は「母后 (イギリス)」を参照

エリザベス2世の母エリザベス・ボーズ＝ライアンは、娘と同名であったこともあり「王太后」であった間（1952年-2002年）、「Queen Elizabeth The Queen Mother」として知られた。

アフリカ

→詳細は「王母 (アフリカ)」および「エスワティニの王母」を参照

参考文献

• 会田範治・原田春乃 編『近世女流文人伝』明治書院、1960年。全国書誌番号:60016285。  （NDLJP:1345847）

脚注

関連項目

• Category:母后
• en:Category:Queen mothers
• 皇太夫人 - 日本で「天皇の生母、かつ、前天皇の夫人」に与えられた称号。

外部リンク

• 『母后』 - コトバンク