歌愛ユキ
歌愛ユキ(かあい ユキ)とはAH-Softwareより2009年12月4日に発売された音声合成・デスクトップミュージック(DTM)ソフトウェア、およびキャラクターとしての名称である。ヤマハの開発した音声合成エンジン「VOCALOID2」を採用しており、パソコン上でメロディと歌詞を入力することでサンプリングされた小学生の声を元にした歌声を合成することができる。
開発元 | AH-Software |
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初版 | 2009年12月4日 |
最新版 | |
使用エンジン | VOCALOID2 |
対応OS | Windows XP、Vista、7 |
種別 |
音声合成、DTM ボーカルシンセサイザー(歌唱合成) |
公式サイト | ボカロ小学生 歌愛ユキ - VOCALOID2 |
製品
編集「氷山キヨテル」、「SF-A2 開発コード miki」とともにAH-Softwareで最初のVOCALOID製品として発売された。歌愛ユキは「ボカロ小学生」と銘打った製品で、実際の小学生の女の子の声を録音して作られた歌手ライブラリを収録しており「子供の声が持つ純粋さと、あどけなさを表現しており、女の子が持つ歌声をリアルに再現できる」とされる[1]。得意なテンポは50BPM - 150BPM、得意な音域はF3 - C5。子供の声を元にしたVOCALOIDはクリプトン・フューチャー・メディアの「Project if...」という企画でも作られている(製品化は未定[2])が、「Project if...」がミュージカルの訓練をつんだ子供の声を録音しているのに対し「ボカロ小学生」は特にトレーニングをしていない素人の女の子を起用しているところに違いがある[3]。
2015年10月29日には「VOCALOID4」エンジンに対応した新音源「歌愛ユキ ナチュラル」が発売されたが、グロウルなどの一部の音源には、V2版とは別の人物の声を使用している[4]。
キャラクター
編集本製品のパッケージは赤いランドセルを背負った小学生児童のキャラクターイラストが用いられており、同時発売の氷山キヨテルの生徒という設定となっている[5]。ランドセルにはリコーダーのようなものが収められているが、これはヤマハのウインドシンセサイザー「WX5」である[5]。また、公式サイト[6]などで以下のようなキャラクター設定が公開されている。
- おなまえ:かあい ゆき(歌愛ユキ)
- ねんれい:9さい
- しんちょう:大きなリンゴ10こ
- たいじゅう:86こ
- けつえきがた:わかりません
- しゅみ:おうた
- あぴーる:がんばります
メディアミックス
編集主な音楽CD
編集歌愛ユキが曲に使用されていることが明記された主なCD。
タイトル | アーティスト | レーベル | 発売日 |
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DJ Lily Presents SUPER VOCALOID | オムニバス | avex tune | 2011年4月27日 |
THE VOCALOID produced by Yamaha | オムニバス | VOCALOID RECORDS | 2011年9月14日 |
天響ノ和樂2 | オムニバス | VOCALOID RECORDS | 2014年2月26日 |
V Love 25 -Imagination- | オムニバス | due | 2014年5月21日 |
KarenTによる配信
編集以下は、クリプトン・フューチャー・メディアのレーベル「KarenT」により、iTunes Storeなどで、「歌愛ユキ」の名前が明記された楽曲を収録し販売されているアルバム。
タイトル | アーティスト | リリース日 |
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clocks | 虹原ぺぺろん | 2011年5月30日 |
プラチナロマンス | Re:nG | |
ふわりユキの日 | だいすけP | 2012年1月19日 |
Winters | ゆに |
書籍
編集- 「悪ノ娘」ノベルシリーズ(作:悪ノP(mothy)、出版:PHP研究所)
- 悪ノP(mothy)が鏡音リン・レンを用いて発表した「悪ノ娘」をはじめとする楽曲の小説化。2010年8月から2012年3月にかけて全4巻が発売された。歌愛ユキをモデルにしたキャラクター「ユキナ=フリージス」が登場する。第3巻『悪ノ娘 赤のプラエルディウム』ではユキナの視点を中心に物語が描かれている。
- 桜ノ雨(原作・原案:halyosy、著:藤田遼、スタジオ・ハードデラックス、出版:PHP研究所)
- halyosy(森晴義)が初音ミクを用いて発表した曲「桜ノ雨」の小説化。歌愛ユキをモデルにしたキャラクターが登場する。2012年2月発売。
CM
編集歌愛ユキがボーカルかつ、MV中のキャラクターとして登場する「強風オールバック」を元に、2023年7月中旬に日清食品のカップヌードル関連CMとしてアレンジされたコラボが実施された[7]。
脚注
編集- ^ “AHS、女子小学生の声などを使った「VOCALOID2」”. AV Watch (インプレス). (2009年11月13日) 2010年7月14日閲覧。
- ^ 「鏡音リン・レン・アペンド発売記念インタビュー」『DTM magazine』第18巻第3号、2011年3月、33--34頁。
- ^ 四本淑三 (2009年11月17日). “開発元に聞く、新ボーカロイドの狙いとこれから”. Ascii.jp (アスキー・メディアワークス): p. 1 2010年7月14日閲覧。
- ^ VOCALOID4への各社の対応とクリプトンの新技術E.V.E.C.
- ^ a b 松尾公也 (2009年11月13日). “新人VOCALOID「ボカロ小学生」「ボカロ先生」「ボカロフルカワミキ」登場――さっそく歌ってもらった”. ITmedia News (ITmedia): p. 1 2009年12月5日閲覧。
- ^ “ボカロ小学生 歌愛ユキ - VOCALOID2”. AHS. 2009年12月5日閲覧。
- ^ “カップヌードル新CM、ボカロPの大ヒット曲「強風オールバック」の替え歌を使用(KAI-YOU.net)”. Yahoo!ニュース. 2023年7月26日閲覧。