松音知駅

日本の北海道枝幸郡中頓別町にあった北海道旅客鉄道の駅(廃駅)

松音知駅(まつねしりえき)は、北海道宗谷支庁枝幸郡中頓別町字松音知にかつて存在した、北海道旅客鉄道(JR北海道)天北線廃駅)である。電報略号マネ事務管理コードは▲121905[3]

松音知駅
松音知駅駅舎(ホーム側から撮影)
(1989年3月)
まつねしり
Matsuneshiri
周磨 (3.3* km)
(2.9* km) 上駒
所在地 北海道枝幸郡中頓別町字松音知
北緯44度56分17秒 東経142度13分28秒 / 北緯44.93806度 東経142.22444度 / 44.93806; 142.22444
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 天北線
キロ程 34.5 km(音威子府起点)
電報略号 マネ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1916年大正5年)10月1日[1]
廃止年月日 1989年平成元年)5月1日[1]
備考 天北線廃線に伴い廃駅
テンプレートを表示
1977年の松音知駅と周囲約500m範囲。上が中頓別方面。貨物取扱廃止及び無人化後で、側線は全て撤去され駅舎ホーム側へ棒線化されている。ここも木材搬出駅で、かつては駅裏のストックヤードに沢山の木材が野積みされていた[2]。取り扱う貨物がなくなり、ヤードが使用されなくなって、踏切の位置も駅近くに設置し直されている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

歴史

編集

駅名の由来

編集

当駅付近の頓別川東側に2つの独立峰があり、それぞれアイヌ語で「ピンネシㇼ(pinne-sir)」(男である・山)、「マッネシㇼ(matne-sir)」(女である・山)と対になって呼ばれていた。当駅はそのうち後者から名づけられたものである[7]

駅構造

編集

廃止時点で、1面1線の単式ホームを有する地上駅であった。ホームは、線路の北西側(南稚内方面に向かって左手側)に存在した[8]分岐器を持たない棒線駅となっていた。かつては2面2線の相対式ホームを有する、列車交換可能な交換駅であった。

無人駅となっていたが、有人駅時代の駅舎が残っていた。駅舎は構内の北西側に位置し、ホームに接していた。構内は周囲より高台に位置していたため駅舎は高床式[9]になっており、駅前広場から駅舎出入口までは木の階段を上る必要があった[8]

駅周辺

編集

山の中にあった[8]

利用状況

編集

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均
1921年(大正10年) 62 [11]
1935年(昭和10年) 31
1953年(昭和28年) 82
1978年(昭和53年) 12 [12]

駅跡

編集
 
保存されている松音知駅(2011年8月5日)
 
松音知駅(2019年5月11日)

1997年(平成9年)時点では地元住民曰く個人の別荘になっており、駅舎・ホーム・レール腕木式信号機が残され、ほぼ現役当時の姿を保っていた[13]。2010年(平成22年)時点でも同様で、この時点で旧天北線の駅舎では唯一、現存する駅舎となっていた[14]。2011年(平成23年)時点でも同様であったが、地元の人々による保存で、駅舎は模擬展示とのことである[9]。開口部は模造で、駅舎内に立ち入ることは不可能となっている[9]

現在の所有者は、敷地内立ち入りおよび撮影禁止を表明している[15]

隣の駅

編集
北海道旅客鉄道
天北線
周磨駅 - 松音知駅 - 上駒駅

脚注

編集
  1. ^ a b c d 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、905頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 1948年撮影航空写真(国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス)
  3. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、240頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年2月11日閲覧 
  4. ^ 内閣印刷局, ed (1916-09-27). “鉄道院告示 第46号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (1248). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2953359/1. 
  5. ^ “日本国有鉄道公示第148号”. 官報. (1972年9月14日) 
  6. ^ 「通報 ●天北線上音威子府駅ほか11駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1973年9月14日、4面。
  7. ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日。ISBN 978-4-88323-114-0 
  8. ^ a b c 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)188ページより。
  9. ^ a b c 書籍『北海道の鉄道廃線跡』(著:本久公洋、北海道新聞社2011年9月発行)244-245ページより。
  10. ^ a b c 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)16ページより。
  11. ^ 中頓別町史 平成9年5月発行 P397/8,855
  12. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、893頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  13. ^ 書籍『鉄道廃線跡を歩くIV』(JTBパブリッシング1997年12月発行)24-25ページより。
  14. ^ 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング、2010年4月発行)15-17ページより。
  15. ^ 松音知駅とは - 松音知駅長

関連項目

編集

外部リンク

編集