杉山 大志(すぎやま たいし、1969年[1] - )は、日本のエネルギー・環境研究者。専門は、地球温暖化問題およびエネルギー政策[2]

すぎやま たいし

杉山 大志
生誕 1969年(54 - 55歳)
日本の旗 日本北海道
国籍 日本の旗 日本
出身校 東京大学理学部
職業 研究者
公式サイト 公式ウェブサイト
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キヤノングローバル戦略研究所研究主幹[3]慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任教授。2004年より気候変動に関する政府間パネル(IPCC)評価報告書等の執筆者[4]産業構造審議会産業技術環境分科会 地球環境小委員会地球温暖化対策検討ワーキンググループ委員[5]総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会工場等判断基準ワーキンググループ委員[6]2020年より産経新聞正論」欄執筆陣。

経歴

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北海道生まれ[1]1991年東京大学理学部物理学科卒業。1993年東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻修了、電力中央研究所入所。1995年から1997年まで国際応用システム解析研究所(IIASA、オーストリア)研究員。2017年キヤノングローバル戦略研究所上席研究員、2019年より現職[4]

所属しているキヤノングローバル戦略研究所のほか、『アゴラ』や『JBpress』、『WiLL[7]にも寄稿している。

IPCCの報告書執筆者として

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  • 2004年にIPCC第4次評価報告書の第3作業部会(WGIII)に参加して以来、以下の評価報告書等の執筆者を務める。
発表時期 報告書名 役割
2007年6月 第4次評価報告書(AR4)第3作業部会報告書(気候変動の緩和策) 主執筆者(Lead Author)[8]
2007年9月 第4次評価報告書(AR4)統合報告書(SYR) 主執筆者(Core Writing Team)[9]
2014年4月 第5次評価報告書(AR5)第3作業部会報告書(気候変動の緩和策) 統括執筆責任者(Coordinating Lead Author)[10]
2014年10月 第5次評価報告書(AR5)統合報告書(SYR) 専門家査読者(Expert Reviewer)[11]
2018年10月 1.5℃特別報告書(SR15) 主執筆者(Lead Author)[12]
2022年3月 第6次評価報告書(AR6)第3作業部会報告書(気候変動の緩和策) 主執筆者(Lead Author)[13]

地球温暖化に関する見解

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キヤノングローバル戦略研究所に所属する他の研究者から、杉山は「気候危機は存在しない」「グレタ・トゥーンベリ共産主義者」など、地球温暖化とその対策について懐疑的な見解を発信していると告発されている[7]。また、国際環境経済研究所で発信している記事では、イギリスの懐疑派団体である地球温暖化政策財団の記事を紹介していることが確認されている[7][14]

再生可能エネルギーの普及に反対しており、原子力発電を推進している[15]

著書

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単著

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  • 『これが正しい温暖化対策』エネルギーフォーラム、2007年。ISBN 9784885553424 
  • 『続 これが正しい温暖化対策』エネルギーフォーラム、2008年。ISBN 9784885553493 
  • 『環境史から学ぶ地球温暖化』エネルギーフォーラム、2012年。ISBN 9784885554063 
  • 『地球温暖化とのつきあいかた』ウェッジ、2014年。ISBN 9784863101333 
  • 『地球温暖化問題の論考』電子書籍出版代行サービス、2021年。ISBN 9784909679765 
  • 『地球温暖化のファクトフルネス』電子書籍出版代行サービス、2021年。ISBN 9784909679710 
  • 『「脱炭素」は噓だらけ』産経新聞出版、2021年。ISBN 9784819113991 
  • 『脱炭素のファクトフルネス』電子書籍出版代行サービス、2021年。ISBN 9784909679871 
  • 『15歳からの地球温暖化』扶桑社、2022年。ISBN 9784594089948 

共著

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関連項目

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脚注

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  1. ^ a b 2020年の低炭素社会へ、資源・エネルギー問題をどうする” (PDF). 季刊 躍 2010年春号. 関西電力. p. 15. 2021年11月2日閲覧。
  2. ^ 杉山 大志”. アゴラ 言論プラットフォーム. 2021年11月2日閲覧。
  3. ^ 杉山大志氏「CO2ゼロ、中国に利点ずくめ」 群馬「正論」懇話会で講演”. 産経ニュース (2021年12月7日). 2021年12月7日閲覧。
  4. ^ a b 杉山 大志 研究者紹介”. キヤノングローバル戦略研究所. 2021年11月2日閲覧。
  5. ^ 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会地球温暖化対策検討WG 委員名簿” (PDF). 経済産業省 (2021年8月18日). 2021年11月2日閲覧。
  6. ^ 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 工場等判断基準ワーキンググループ(令和3年度第2回) 委員・オブザーバー名簿” (PDF). 経済産業省 (2021年10月21日). 2021年11月2日閲覧。
  7. ^ a b c Readfearn, Graham (2022年2月27日). “Thinktank linked to tech giant Canon under pressure to remove ‘dangerous’ climate articles” (英語). ガーディアン. https://www.theguardian.com/environment/2022/feb/27/thinktank-linked-to-tech-giant-canon-under-pressure-to-remove-dangerous-climate-articles 2024年8月21日閲覧。 
  8. ^ Climate Change 2007 : Mitigation of Climate Change” (PDF). IPCC. 2021年11月17日閲覧。
  9. ^ Climate Change 2007 : Synthesis Report” (PDF). IPCC. 2021年11月17日閲覧。
  10. ^ Climate Change 2014 : Mitigation of Climate Change” (PDF). IPCC. 2021年11月17日閲覧。
  11. ^ Climate Change 2014 : Synthesis Report” (PDF). IPCC. 2021年11月17日閲覧。
  12. ^ Global warming of 1.5°C” (PDF). IPCC. 2021年11月17日閲覧。
  13. ^ AR6 Climate Change 2022 : Mitigation of Climate Change”. IPCC. 2021年11月17日閲覧。
  14. ^ 江守正多 (2020年3月24日). “組織的な温暖化懐疑論・否定論にご用心”. Yahoo!ニュース エキスパート. https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0c5ebe740e18e09a8c301999957745d1dbf0567d 2024年8月21日閲覧。 
  15. ^ “太陽光パネル義務化、1500億円基金の「費用対効果」は? 廃棄するときの費用も課題<検証小池都政>”. 東京新聞. (2024年6月8日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/332237 2024年10月4日閲覧。 

外部リンク

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