有吉 佐織(ありよし さおり、1987年11月1日 - )は、佐賀県佐賀市出身[1]女子サッカー選手。アルビレックス新潟レディース所属。元サッカー日本女子代表。ポジションはディフェンダーミッドフィールダー日本プロサッカー選手会理事。

有吉 佐織
名前
愛称 あり、ありぽん、キング
カタカナ アリヨシ サオリ
ラテン文字 ARIYOSHI Saori
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1987-11-01) 1987年11月1日(36歳)
出身地 佐賀県佐賀市
身長 159cm
体重 52kg
選手情報
在籍チーム 日本の旗 アルビレックス新潟レディース
ポジション DFMF
利き足 右足
ユース
1998-2000 ミルンFC
2001 FCミッチーズ
2001-2002 神村学園中等部
2003-2005 神村学園高等部
2006-2009 日本体育大学
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2008 日本の旗 東京電力女子サッカー部マリーゼ特別指定 3 (0)
2010-2020 日本の旗 日テレ・ベレーザ
0/0日テレ・東京ヴェルディベレーザ
175 (9)
2021-2024 日本の旗 大宮アルディージャVENTUS 57 (4)
2024- 日本の旗 アルビレックス新潟レディース
通算 235 (13)
代表歴2
2012-2019 日本の旗 日本 65 (1)
獲得メダル
女子サッカー
女子W杯
2015 カナダ
アジア大会
2018 ジャカルタ 女子
1. 国内リーグ戦に限る。2024年5月26日現在。
2. 2019年3月2日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

来歴

ユース

小学4年生のときに兄の影響でサッカーを始め、男子チーム「ミルンFC」で3年間プレーした[2]。その後地元の中学に進学するが、通学範囲内には女子が入れるサッカー部がなかったため、社会人チーム「ヤング・ミッチーズ」に入団[2]。中学1年生のときに出場した九州大会で神村学園高校の監督に声を掛けられ、中学2年生から神村学園中等部に転校した[2]。高校は神村学園高等部に進学[2]。2006年、日本体育大学に進学[3]。在学中の2008年、代表のトレーニングキャンプに招集された[4]。また、特別指定選手として東京電力女子サッカー部マリーゼに登録され[5]なでしこリーグ出場を果たした[6]

関東大学女子サッカーリーグ一部にてMVP獲得。インカレ決勝戦では早稲田大学と対戦貴重な先制ゴールを決め日体大の2連覇に貢献した。大学の2年先輩には川澄奈穂美がいる。2009年に左膝前十字靱帯断裂に遭った際、同じ怪我を乗り越えた川澄に励まされたと語っている[7]

シニア

大学卒業後の2010年に日テレ・ベレーザに入団[8]。それまではフォワードだったが、サイドバックにコンバートされた[3]。両サイドをこなせる貴重な存在[3] として主力選手となり、2013年、2014年にはなでしこリーグのベストイレブンに選出された[9][10]

2021年1月29日大宮アルディージャの女子チームとして、2021年秋より発足するWEリーグに参入が決まった大宮アルディージャVENTUS阪口夢穂とともに完全移籍[11]

2023年6月26日日本プロサッカー選手会の理事に就任。現役女子サッカー選手として初めてとなる[12]

2024年5月23日、大宮アルディージャVENTUSを契約満了に伴い退団することが発表された[13]。同年7月2日アルビレックス新潟レディースへの加入が発表された[14]

代表

2012年2月、アルガルヴェ・カップノルウェー戦で代表初出場を果たす[15]。7月にはロンドンオリンピックのバックアップメンバーとなった[3]。2015年、FIFA女子ワールドカップ・カナダ大会のメンバーに選出。レギュラーとして起用され、決勝トーナメント1回戦のオランダ戦では代表初ゴールを記録する[16]。準決勝のイングランド戦では先制点に繋がるペナルティキックを獲得したほか、守備面でも活躍してチームの決勝進出に貢献し、マン・オブ・ザ・マッチに選出された[17]。また、大会全体の最優秀選手候補にも名を連ねたが[18]、チームは決勝でアメリカに敗れて準優勝となり、有吉も受賞はならなかった。

2016年、リオデジャネイロオリンピックのサッカー女子アジア最終予選の日本代表メンバーに選出されたが、チームは予選3位となり五輪出場権を逃した[19][20]

2017年3月、アルガルヴェ・カップ2017に参加するためにポルトガル遠征を行っていた日本代表の練習中に右膝前十字靭帯を損傷し、全治約8ヶ月と診断された[21]

個人成績

クラブ

国内大会個人成績
年度クラブ背番号リーグ リーグ戦 リーグ杯オープン杯 期間通算
出場得点 出場得点出場得点 出場得点
日本 リーグ戦 リーグ杯 皇后杯 期間通算
2005 神村学園高等部 10 - - - 1 0 1 0
2007 日本体育大学 9 - - - 2 1 2 1
2008 - - 3 1 3 1
東京電力女子サッカー部マリーゼ 29 なでしこ Div.1 3 0 - - 3 0
2010 日テレ・ベレーザ 19 なでしこ 5 0 3 0 0 0 8 0
2011 6 16 1 - 2 1 18 2
2012 17 1 6 2 2 0 25 3
2013 18 2 9 0 2 0 29 2
2014 28 2 - 4 1 32 3
2015 なでしこ1部 23 1 - 4 0 27 1
2016 18 0 8 1 4 0 30 1
2017 0 0 0 0 5 0 5 0
2018 17 0 3 0 5 0 25 0
2019 17 1 10 2 5 0 32 3
2020 日テレ・東京ヴェルディベレーザ 16 1 - 5 0 21 1
2021-22 大宮アルディージャVENTUS WE 16 3 - 0 0 16 3
2022-23 20 0 5 0 2 0 27 0
2023-24 21 1 5 0 1 0 27 1
2024-25 アルビレックス新潟レディース
通算 日本 1部 235 13 49 5 41 2 325 20
日本 その他 - - 6 2 6 2
総通算 235 13 49 5 47 4 331 22

代表歴

選出歴等

試合数


日本代表国際Aマッチ
出場得点
2012 5 0
2013 8 0
2014 17 0
2015 12 1
2016 7 0
2017 0 0
2018 14 0
2019 2 0
通算 65 1

出場

# 開催日 開催地 会場 相手 結果 監督 大会
1 2012年02月29日  アルガルベ   ノルウェー ○2-1 佐々木則夫 アルガルベカップ
2 2012年03月02日  アルガルベ   デンマーク ○2-0 アルガルベカップ
3 2012年03月07日  アルガルベ   ドイツ ●3-4 アルガルベカップ
4 2012年04月01日  宮城県 仙台スタジアム   アメリカ合衆国 △1-1 キリンチャレンジカップ
5 2012年06月20日  ヨーテボリ   スウェーデン ○1-0 国際親善試合
6 2013年03月06日  アルガルベ   ノルウェー ●0-2 アルガルベカップ
7 2013年03月08日  アルガルベ   ドイツ ●1-2 アルガルベカップ
8 2013年03月13日  アルガルベ   中国 ○1-0 アルガルベカップ
9 2013年06月20日  佐賀県 鳥栖スタジアム   ニュージーランド △1-1 キリンチャレンジカップ
10 2013年06月26日  バートン   イングランド △1-1 国際親善試合
11 2013年06月29日  ミュンヘン   ドイツ ●2-4 国際親善試合
12 2013年07月20日  ソウル   中国 ○2-0 東アジアカップ
13 2013年09月26日  千葉県 フクダ電子アリーナ   ナイジェリア ○2-0 国際親善試合
14 2014年03月05日  アルガルベ   アメリカ合衆国 △1-1 アルガルベカップ
15 2014年03月07日  アルガルベ   デンマーク ○1-0 アルガルベカップ
16 2014年03月10日  アルガルベ   スウェーデン ○2-1 アルガルベカップ
17 2014年03月12日  アルガルベ   ドイツ ●0-3 アルガルベカップ
18 2014年05月08日  大阪府 長居球技場   ニュージーランド ○2-1 国際親善試合
19 2014年05月14日  ホーチミン   オーストラリア △2-2 アジアカップ
20 2014年05月16日  ホーチミン   ベトナム ○4-0 アジアカップ
21 2014年05月22日  ホーチミン   中国 ○2-1(延長) アジアカップ
22 2014年05月25日  ホーチミン   オーストラリア ○1-0 アジアカップ
23 2014年09月13日  山形県 山形県総合運動公園陸上競技場   ガーナ ○5-0 国際親善試合
24 2014年09月15日  仁川   中国 △0-0 アジア大会
25 2014年09月18日  仁川   ヨルダン ○12-0 アジア大会
26 2014年09月22日  仁川   チャイニーズタイペイ ○3-0 アジア大会
27 2014年09月29日  仁川   ベトナム ○3-0 アジア大会
28 2014年10月01日  仁川   朝鮮民主主義人民共和国 ●1-3 アジア大会
29 2014年10月25日  エドモントン   カナダ ○3-0 国際親善試合
30 2014年10月28日  バンクーバー   カナダ ○3-2 国際親善試合
31 2015年03月04日  アルガルベ   デンマーク ●1-2 アルガルベカップ
32 2015年03月06日  アルガルベ   ポルトガル ○3-0 アルガルベカップ
33 2015年03月09日  アルガルベ   フランス ●1-3 アルガルベカップ
34 2015年03月11日  アルガルベ   アイスランド ○2-0 アルガルベカップ
35 2015年05月28日  長野県 南長野運動公園総合球技場   イタリア ○1-0 キリンチャレンジカップ
36 2015年06月08日  バンクーバー   スイス ○1-0 ワールドカップ
37 2015年06月16日  ウィニペグ   エクアドル ○1-0 ワールドカップ
38 2015年06月23日  バンクーバー   オランダ ○2-1 ワールドカップ
39 2015年06月27日  エドモントン   オーストラリア ○1-0 ワールドカップ
40 2015年07月01日  エドモントン   イングランド ○2-1 ワールドカップ
41 2015年07月05日  バンクーバー   アメリカ合衆国 ●2-5 ワールドカップ
42 2015年11月29日  フォーレンダム   オランダ ●1-3 国際親善試合
43 2016年02月29日  大阪府 長居球技場   オーストラリア ●1-3 オリンピック予選
44 2016年03月02日  大阪府 長居球技場   韓国 △1-1 オリンピック予選
45 2016年03月07日  大阪府 長居球技場   ベトナム ○6-1 オリンピック予選
46 2016年03月09日  大阪府 長居球技場   朝鮮民主主義人民共和国 ○1-0 オリンピック予選
47 2016年06月02日  コマースシティ   アメリカ合衆国 △3-3 高倉麻子 国際親善試合
48 2016年06月05日  クリーブランド   アメリカ合衆国 ●0-2 国際親善試合
49 2016年07月21日  カルマル   スウェーデン ●0-3 国際親善試合
50 2018年02月28日  アルガルベ   オランダ ●2-6 アルガルベカップ
51 2018年03月05日  アルガルベ   デンマーク ○2-0 アルガルベカップ
52 2018年03月07日  アルガルベ   カナダ ●0-2 アルガルベカップ
53 2018年04月01日  長崎県 長崎県立総合運動公園陸上競技場   ガーナ ○7-1 MS&ADカップ
54 2018年04月07日  アンマン   ベトナム ○4-0 アジアカップ
55 2018年04月17日  アンマン   中国 ○3-1 アジアカップ
56 2018年06月10日  ウェリントン   ニュージーランド ○3-1 国際親善試合
57 2018年07月26日  カンザスシティ   アメリカ合衆国 ●2-4 トーナメント・オブ・ネイションズ
58 2018年08月02日  シカゴ   オーストラリア ●0-2 トーナメント・オブ・ネイションズ
59 2018年08月16日  パレンバン   タイ ○2-0 アジア大会
60 2018年08月25日  パレンバン   朝鮮民主主義人民共和国 ○2-1 アジア大会
61 2018年08月28日  パレンバン   韓国 ○2-1 アジア大会
62 2018年08月31日  パレンバン   中国 ○1-0 アジア大会
63 2018年11月11日  鳥取県 鳥取市営サッカー場   ノルウェー ○4-1 国際親善試合
64 2019年02月27日  チェスター   アメリカ合衆国 △2-2 シービリーブス・カップ
65 2019年03月02日  ナッシュビル   ブラジル ○3-1 シービリーブス・カップ

ゴール

# 開催日 開催都市 スタジアム 対戦国 結果 監督 大会 出典
1. 2015年6月23日   バンクーバー BCプレイス   オランダ ○ 2-1 佐々木則夫 2015 FIFA女子ワールドカップ [23]

タイトル

クラブ

代表

個人

脚注

  1. ^ “サッカー女子W杯 有吉(佐賀市出身)日本代表”. 佐賀新聞LiVE. (2015年5月2日). https://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/182835 2015年7月2日閲覧。 
  2. ^ a b c d なでしこ期待の星、有吉佐織選手の進路選択の決め手に迫る!独占インタビューさせていただきました ジュニアサッカーNEWS、2018年3月6日閲覧。
  3. ^ a b c d なでしこ有吉佐織、「元キング」が先取点 FWから名サポート役へ Withnews、2015年6月24日(2015年7月8日閲覧)
  4. ^ なでしこジャパン〔日本女子代表チーム〕トレーニングキャンプ(5/14〜23)メンバー J's GOAL 2008年5月7日付
  5. ^ 2008年女子特別指定選手制度 4選手を認定 J's GOAL 2008年5月21日付
  6. ^ 『プレナスなでしこリーグ2009 OFFICIAL GUIDE BOOK』日本女子サッカーリーグ東京都、2009年、39-45頁。 
  7. ^ なでしこ悔し準V!川澄弾含む激闘3発 サンケイスポーツ 2012年3月8日付
  8. ^ 日テレ・ベレーザ新加入選手のお知らせ J's GOAL 2010年3月29日付
  9. ^ プレナスなでしこリーグ2013/プレナスチャレンジリーグ2013表彰式 受賞結果 日本女子サッカーリーグ、2013年11月11日(2015年7月8日閲覧)。
  10. ^ 2014年度なでしこリーグ表彰式 最優秀選手は後藤選手(浦和)に決定! 日本女子サッカーリーグ、2014年11月25日(2015年7月8日閲覧)。
  11. ^ 日テレ・ベレーザからなでしこジャパンMF阪口夢穂&DF有吉佐織が移籍…新設・大宮Vへ”. ゲキサカ (2021年1月29日). 2024年5月23日閲覧。
  12. ^ 日本プロサッカー選手会理事にDF有吉佐織が就任!! 女性史上初「思いを伝えていくことがすごく大事」”. ゲキサカ (2023年6月26日). 2024年5月23日閲覧。
  13. ^ 有吉佐織 選手 契約満了のお知らせ』(プレスリリース)大宮アルディージャ、2024年5月23日https://www.ardija.co.jp/ventus/news/?id=42515 
  14. ^ 大宮アルディージャVENTUSから 有吉 佐織 選手 完全移籍加入のお知らせ』(プレスリリース)アルビレックス新潟レディース、2024年7月2日https://albirex-niigata-ladies.com/news/2024-07-02/ 
  15. ^ なでしこジャパン 選手名鑑 有吉佐織 なでしこジャパン公式サイト(2015年7月8日閲覧)。
  16. ^ 代表初ゴールが貴重な先制点、有吉佐織「思いっきり振ったら入った」 SOCCER KING、2015年6月24日(2015年7月8日閲覧)。
  17. ^ 攻守に貢献でMOMの有吉、PK獲得の場面は「思い切って飛び出した」 SOCCER KING、2015年7月2日(2015年7月8日閲覧)。
  18. ^ 宮間、有吉が最優秀候補 海堀も最優秀GK候補に 日刊スポーツ、2015年7月3日(2015年7月8日閲覧)。
  19. ^ なでしこ、宮間や大儀見ら20人選出 五輪最終予選 日本経済新聞、2016年3月3日閲覧。
  20. ^ なでしこ、ベトナムに快勝も五輪出場ならず アジア最終予選 日本経済新聞、2016年3月8日閲覧。
  21. ^ 有吉 佐織選手の負傷について 東京ヴェルディ公式サイト. 2017.3.18付、2018年3月6日閲覧。
  22. ^ a b WE LEAGUE Data Site”. data.weleague.jp. 2024年5月31日閲覧。
  23. ^ 試合結果│FIFA女子ワールドカップ カナダ2015”. www.jfa.jp. 日本サッカー協会. 2024年2月12日閲覧。

外部リンク