日立チェーンストール(ひたちチェーンストール、Hitachi Chain Store)は、日立製作所ほか日立グループ各社の電化製品を取次・販売する電器店の名称である(店舗によってはパナソニック・ソニー・シャープJVCケンウッド等の他社製品も併売)。

店舗の一例。看板に旧社章が残る。

概要

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取次担当は、日立グローバルライフソリューションズ株式会社

2015年12月現在は全国に約5,000店が存在するが、量販店の進出・電気工事業への専業化・後継者不足などから、その数は減少の一途を辿っている[1][2][3]

また本業の売り上げが落ち込んでいる店舗では、クリーニング店チェーンとフランチャイズ契約を結び、その取次店を兼務するケースもある[4]

多くの店舗はハウステック(旧・日立ハウステック)取次店となっており[5]、新築・リフォームの相談にも気軽に応じている(一部地域ではハウステックではなくタカラスタンダードTOTOを取り扱っている)。また日立家電サービス技術認定店には修理技術者がいるため、量販店よりも迅速かつ柔軟に対応してくれる場合が多い。ただし自店購入客へのアフターサービス強化の為、他店購入品及び他社製品の持ち込み修理を断っている店もある。

類似の日立グループの特約店チェーンに、日立ポンプストール・日立電動工具ストールなどがあり、かつて看板社用車のペイントなどが統一デザインだった時期もあった。日立チェーンストールよりも販売量の少ない「日立ファミリー店」なる特約店も存在した。

日立リビングサプライ・日立コンシューマ・マーケティング両社の経営統合に伴い、「日立お店ナビ」は2014年10月1日にトップページがリニューアルされ、「お役立ちメニュー」各項目のより詳しい解説が新設された。

他社製品との兼ね合い

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かつては日立製作所・日立グループの取り扱い製品が多くを占めており、日立チェーンストールの特約店規約として基本的に「日立」以外の競合他社の製品を店頭に置くことは出来なかった。そのため、グループ含めて自社開発していない製品については、日立が積極的にグループ外の競合他社からOEM供給を受けていた。しかし、1995年4月に旧日立家電と日立製作所が合併して以降、日立の家電事業縮小に伴い、日立グループ外の他社製品を他社ブランドのまま販売することを解禁。

現在では、日立グローバルライフソリューションズが扱う家電製品以外は基本的に他社製品を取り扱っている。

販促活動

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  • きになる日立の気になるフェア[11]
    • ボーナスシーズンに開催され、年2回、地域により複数の日立系列店が集結しホールなどを借りて行う「合展」方式と各店で個別に行う「個展」方式の二通りある。通常よりも安い価格で提供されるいわゆる大売出しであり、かつては「日立ふれあい感謝デー」「わくわくフェア」などの名で行われていた。近年は顧客の減少につれてフェアも客足が減少し、廃業などにより系列店も激減しており、「きになる日立の気になるフェア」合展を廃止する地区が急増している。
  • 各製品のカタログの他に、家電品総合(日立特選品)カタログ「ふぁみーゆ」と日立系列店情報誌「日立の樹」、さらに日立リビングサプライと日立ライティングが合同で作成した特選品カタログ「フラメール」が配布される(ただし「日立の樹」については日立系列店全店に置かれているとは限らないので、日立公式サイト内「日立のお店検索」項において「日立の樹」配布店にはその旨を示すアイコンを各店「お役立ちメニュー」項に表示)[12]
  • 1970年代以前に開店した店舗には、カラーテレビキドカラーマスコットキャラクター・「ポンパ君」の像があった。
  • 2009 - 2010年度にかけて、系列店経由によるオール電化関連商品の拡販に力を入れ、これに伴い意欲ある日立系列店の販促支援を強化していく[13]。量販店に流れがちの客を系列店へ取り戻すべく、開業から30余年を経て大規模改装をした店舗もある。
  • 2012年10月より、Tポイントを順次導入開始[14]。すべての店舗での導入ではない。

全国の日立チェーンストール検索画面

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  • 全国に約5千店ある日立チェーンストール各店は、「(各都道府県ごとに探す)地図検索」・「(目的の店舗名・市区町村名などを入れる)キーワード検索」・「特定のお役立ちメニューアイコン掲載店のみを抽出する)絞り込み検索」、以上3通りの方法で検索可能。なお各店舗並び順は都道府県ごとに分類された順不同で市区町村ごとには細分化されていないので、特定の市区町村のみにある店舗を表示させたい場合は「キーワード検索」を併用する。
  • 日立チェーンストール各店プロフィール項の「Map」ボタンをクリックすると、当該店舗の場所を示す地図画面が別ウィンドウで開く(地図画面作成は住宅地図の国内大手「ゼンリン」が担当。同社は「東芝ストアー」・「三菱電機ストアー」・「ソニーショップ」各店舗の場所を示す地図作成も担当)。
  • 日立チェーンストールはパナソニックショップとは異なり、意欲ある店舗のみを公平に販促支援する(「スーパーパナソニックショップ」型の)制度を設けていないため、日立系列店として登録されている店舗は基本的に業績に関係なく日立チェーンストールサイトへ全て掲載される(ただし「お役立ちメニュー」アイコン数は各店舗の販売・施工実績により決定され、全てのアイコンが掲載されるとは限らない)。なお業績不振・経営者の高齢化・後継者難などにより(所轄の日立コンシューマーマーケティング各支社へ)廃業届けを出したり、他社系列電器店へ鞍替えした店舗は日立チェーンストール検索サイトより削除される。

その他

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  • 顧客の転居に際して、転居先最寄りのチェーンストールが紹介される[15]
  • 日立コンシューママーケティングはチェーンストール従業員を募集しており、配属先店舗の実績により独立して「日立チェーンストール」店舗を新規開業する可能性がある[16]。「日立お店ナビ」ではチェーンストール従業員募集の動画をYouTubeで公開している。
  • チェーンストールは、全国各地の日立系列店従業員で構成する同業組織「日立フューチャークラブ(HFC)」が結成されており、会員懇談会が各地区ごとに年に数回開催されている[17]
  • 日立のCMでは「日立のお店編」が放送されている他、地域によっては日立チェーンストール各店及び日立コンシューママーケティング各支社が個別にCM料金を自己負担する形で店舗(日立チェーンストール各店)及び「きになる日立の気になるフェア」CMが放送される場合もある。なお日立CM「日立のお店編」は日立公式サイト内「日立のお店ナビ(全国の日立チェーンストール検索)」項でも動画配信中[18]
  • かつては「きになる日立の気になるフェア」や「日立ふれあい感謝デー」の全国共通テレビCMも放送されていた。しかし近年は廃業する系列店増加と合展参加店減少により開催規模が年々縮小されているため、現在「きになる日立の気になるフェア」の全国共通テレビCMは(パナソニックフェアとは異なり)放送されていない。
  • 2017年より放送されている「日立のお店編」CMには、「株式会社小山電機高崎店群馬県高崎市)」・「有限会社おおたにかでん神奈川県横浜市中区)」・「沖電機株式会社広島県福山市)」の3店舗が登場している(2017年11月現在)[19]

脚注

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  1. ^ 日立製作所及び日立グループ各社も家電部門については近年の業績低迷によりリストラ・組織再編を余儀なくされており、日立チェーンストールの販促支援を担当する「日立コンシューマ・マーケティング」についても、リストラや希望退職者募集による社員削減で販促活動を行う要員が減らされ、効率的な販促支援活動が行いにくくなってきている。
  2. ^ 公式には日立チェーンストールを脱退していなくても(日立コンシューマーマーケティング各支社へ日立系列店脱退届を出さない場合でも)、店舗外観改装を機に「HITACHI」ロゴ及び日立グループシンボルマークを外して当該店の店名ロゴのみとする店舗も続出している。
  3. ^ 東日本大震災による津波で被災した岩手宮城福島3県沿岸部では、プレハブ仮店舗で営業している日立チェーンストールもある。
  4. ^ 「日立チェーンストール」・「HITACHI」の看板を掲示していても、これまで本業としていた電器店部門は(売り上げ減や体力の限界などを理由に)廃業してクリーニング取り次ぎのみの営業へ切り替えた店舗もある。又、宮城県登米市の迫町内にある加盟店の様に、従来からの電器店部門の他に自営で他業種を兼業しているケース(因みに、この加盟店の場合は美容室を兼業している。)もある。
  5. ^ ヤマダホールディングス系だが、元々日立化成の事業であった名残。
  6. ^ 日立製「Wooo」現行モデルは(パナソニック「ビエラ」のOEMとなっている)4K対応「L65-Z2」以外、全て三菱電機「リアル」のOEMとなっている。
  7. ^ 国内家電市場における販売、カスタマーサービス領域などでの連携強化に合意』(プレスリリース)ソニーマーケティング、日立コンシューマ・マーケティング、日立アプライアンス(3社連名)、2018年9月25日https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201809/18-0925/2018年9月25日閲覧 
  8. ^ これまでパナソニックOEMのBDレコーダーを生産していた日立リビングサプライ(現:日立コンシューマーマーケティングリビングサプライ社)は(2012年モデル「DVL-BRT12」を最後に)BDレコーダー販売を終了し、2013年以降は「HITACHI」ブランドBDレコーダー新製品発表を一度取りやめていた。このため一時期は日立マクセル製「アイヴィブルー」が供給されていたが、同社は日立グループより離脱し「マクセルホールディングス」へ社名変更したため2017年9月限りでBDレコーダー生産より撤退。以後は日立コンシューマーマーケティングが(生産をパナソニックへ委託する形で)「Wooo」ブランドのBDレコーダー供給を5年ぶりに再開。(日立「Woooリンク」と同一規格のHDMI連動機能「ビエラリンク」を採用した)本家であるパナソニック「DIGA」も供給されている(ただし電子番組表デザインは「Wooo」と「DIGA」で大きく異なる。パナソニックOEMの4K液晶Wooo「L65-Z2」に内蔵の電子番組表はディーガと同一デザイン)。なお日立チェーンストールに置かれているディーガカタログは量販店用なので、パナソニックショップ限定モデルは(当該日立チェーンストールがパナソニックショップへ鞍替えし「スーパーパナソニックショップ(SPS)」へ認定されない限り)販売されない。
  9. ^ 2014年5月31日限りで従来型スカパー標準画質放送は終了し、ハイビジョン画質放送へと完全移行した。このためアンテナは従来品を流用可能だが、従来型スカパーSDチューナーは使用不可となっている(スカパープレミアムサービスチューナーを現在製造している国内メーカーはパナソニックと、そのOEM品を販売するマスプロ電工のみ)。
  10. ^ かつては日立リビングサプライも「HITACHI」ブランドアンテナを製造しており、「Wooo」カタログや日立特選品カタログ「ふぁみーゆ」にも掲載されていたが、日立コンシューマーマーケティングとの経営統合に伴い2014年限りでアンテナ生産より撤退した。ソニー東芝(東芝テクノネットワーク)も同時期までにアンテナ自社生産と「BRAVIA」及び「REGZA」カタログへの自社ブランドアンテナ掲載を終了したため、現在自社ブランドアンテナを販売する国内大手電機メーカーはパナソニックのみとなった(「VIERA」カタログに自社ブランドアンテナを掲載すると共に「パナソニックTV受信機器カタログ」も発行。ただし現在は自社生産ではなくDXアンテナOEMに変更され、ブースター・アンテナ線・分波器・分配器・直列ユニットなどの周辺部品生産は2013年限りで終了)。
  11. ^ 日立の樹」の歌詞に由来する。
  12. ^ (創業者・経営者の子息・兄妹&その配偶者が切り盛りする形で)本店の近隣地域などへ支店を展開している日立チェーンストールの場合、「ふぁみーゆ」及び「フラメール」への掲載商品価格は本店・支店共通となっており(ただし輸送コスト=仕入れ代の違いから販売価格は店舗・地域により異なる)、またカタログ表紙には本店・支店両方の店名ロゴ・住所・電話&FAX番号が書かれている。
  13. ^ 2009年10月7日付、日経産業新聞20面=最終面記事にて報道。パナソニックショップも同時実施
  14. ^ 日立のお店「日立チェーンストール」でTポイントサービス開始 2012年8月6日
  15. ^ 日立製品取扱説明書の巻末「保証とアフターサービス」項には、「遠隔地へ転居される場合、転居先にある日立製品取扱店をご紹介させて頂きます」と書かれている。
  16. ^ 年齢制限は無く、第一種普通自動車運転免許を有していれば学歴・職歴不問。採用後は日立グループによる各種研修・資格取得支援制度が充実している。
  17. ^ ただしこの「日立フューチャークラブ」はパナソニックショップ同業組織「明徳会」より遅れて発足しており、かつ「日立お店ナビ」項では(パナソニックショップサイトとは異なり)東日本大震災で被災した系列店の近況報告が一切行われていない。さらにパナソニックショップへの衣替え&日立以外の他社製品も広範に仕入れ販売可能となるアトム電器エディオンベスト電器など量販店フランチャイズチェーンへ鞍替え、或いは後継者難&売り上げ減により廃業する系列店が増えている事から、「HFC」会員数は減少傾向に歯止めがかかっていない。
  18. ^ ただし日立CM「チェーンストール(系列店)編」制作本数はパナソニックCM「パナソニックショップ編」より大幅に少なく、全国各地にある日立チェーンストール各店の取り組みも日立CM及び「日立お店ナビ」項では一切紹介されていない。このため日立チェーンストール各店は顧客新規開拓の苦戦を余儀なくされており、こうした実情が売り上げが落ち込んで後継者もおらず廃業する店舗増加に拍車を掛ける形となっている(顧客の多くは看板が目立つためすぐ見つけやすく、かつ抜群のアピール力&宣伝力を有するパナソニックショップを選びがちになる)。
  19. ^ その他、日立CMとは別系統で岩手県盛岡市の日立チェーンストール「有限会社シュハマ電気盛岡本店」がIBC岩手放送のラジオ番組「開運!盛岡駅前探偵団」スポンサーへ就任している(日立コンシューマ・マーケティングは番組スポンサーとなっておらずCM料金は店側で自己負担しているため、「日立チェーンストール」や「日立のお店」表現は宣伝文句に用いず「あなたの街のでんきやさん」と表現)。

関連項目

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外部リンク

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