愛冠駅
かつて北海道足寄郡足寄町にあった北海道ちほく高原鉄道の駅
愛冠駅(あいかっぷえき)は、北海道足寄郡足寄町愛冠35-12[2]にあった北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の駅である。国鉄・JR北海道池北線時代の電報略号はカフ。事務管理コードは▲110506[3]。
愛冠駅 | |
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駅舎(2009年7月) | |
あいかっぷ Aikappu | |
◄足寄 (6.1 km) (3.3 km) 西一線► | |
所在地 | 北海道足寄郡足寄町愛冠35-12 |
所属事業者 | 北海道ちほく高原鉄道 |
所属路線 | ふるさと銀河線 |
キロ程 | 50.7 km(池田起点) |
電報略号 | カフ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
開業年月日 | 1946年(昭和21年)9月10日[1] |
廃止年月日 | 2006年(平成18年)4月21日 |
備考 | ふるさと銀河線廃線に伴い廃駅 |
歴史
編集年表
編集- 1946年(昭和21年)9月10日:運輸省網走本線の仮乗降場(局設定)として開設[1]。
- 1949年(昭和24年)6月1日:公共企業体である日本国有鉄道に移管。
- 1952年(昭和27年)3月25日:愛冠駅となり、営業キロを設定。荷物取扱いを開始(一般駅)[4][5]。
- 1961年(昭和36年)
- 1977年(昭和52年)
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道に継承[1]。
- 1989年(平成元年)6月4日:経営移管により、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の駅となる[9][10]。
- 2006年(平成18年)4月21日:ふるさと銀河線廃線により廃止。
駅名の由来
編集所在地名より。付近の利別川の屈曲部にあるアイヌ語で「アイカッピラ(aikap-pira)」(アイカㇷ゚の・崖)と呼ばれた崖に由来する[11][5][12]。これについて山田秀三『北海道の地名』では次のように紹介している[11]。
池北線愛冠駅から国道(引用注:国道242号)を約1キロ北行すると、右側に細い旧道の入口がある。そこに入って雑木林の中をまた1キロぐらいだらだらと下ると、左は利別川岸、右は見上げる大崖である。ここが愛冠の名の発祥地なのであった。 — 山田秀三、『北海道の地名』 p.301
この「アイカプ(aikap)」は会話文中では動詞のあとにつけ「~できない」ということを表すが、地名の場合は海岸や川岸の大崖を指す言葉であり、多くの場合は「矢を放ったが届かなかった」という伝承が残っている[11]。1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』では次のような伝承を紹介している[5]。
猟に行くとき、がけに矢を射かけて運をためす風習があるが、ここはその矢が容易にがけに達しなかったところから、名づけられたといわれている。 — 日本国有鉄道北海道総局、『北海道 駅名の起源』 p.146
縁起の良い駅名として
編集読みと漢字が「愛のカップル」に通じるとして人気があり、1989年(平成元年)と1991年(平成3年)には結婚式が挙行された[13][14]。愛冠駅に関する切符も、縁起の良い切符として売れ行き好調であった[15]。駅前に「愛の泉」なる水飲み場があり、駅前の橋には「ウエディング ブリッジ」という名がついている。2014年6月時点でも「愛の泉」は稼働しているが、愛冠駅舎は施錠されており、トイレ・待合室ともに立ち入ることはできない。
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ウエディングブリッジ
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愛の泉
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足寄→愛冠の硬券乗車券
駅構造
編集単式ホーム1面1線を有する地上駅。駅舎は「愛」の「冠」という名前にちなみ王冠型をしている。無人駅となった後に現在の木造平屋建て駅舎に改築された[8]。
駅周辺
編集隣の駅
編集脚注
編集- ^ a b c d 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、892頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 『10年』 p. 104
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、237頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ 大蔵省印刷局, ed (1952-03-25). “日本国有鉄道公示 第97号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (7562) .
- ^ a b c 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、146頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ a b 『JR釧路支社』 p. 96
- ^ 『JR釧路支社』 p. 108
- ^ a b 『鉄道建築ニュース』1978年2月号(通巻338)、鉄道建築協会、1978年1月1日、40頁。
- ^ 『JR釧路支社』 p. 122
- ^ 『10年』 p. 105
- ^ a b c 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、300頁。ISBN 978-4-88323-114-0。
- ^ “アイヌ語地名リスト ア~イチ P1-10”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
- ^ 『10年』 p. 27
- ^ 『10年』 p. 34
- ^ 『10年』 p. 48
参考文献
編集- 『JR釧路支社 鉄道百年の歩み』北海道旅客鉄道釧路支社、2001年。
- 『ふるさと銀河線10年のあゆみ』ふるさと銀河線10周年記念事業実行委員会、1999年。