恩田侑布子
経歴
編集静岡県立静岡高等学校在学中より、短歌と俳句を始める。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業。在学中に両親が離婚したこともあり、言葉から離れるため、卒業後は陶芸家を志す。その後腎臓病を発症し陶芸の道を断念し、俳句を再開。摂津幸彦に誘われ「豈」同人となる。種村季弘、池内紀、平賀敬らの「酔眼朦朧湯煙句会」、草間時彦捌きの連句「木の会」を終会まで楽しむ。16年間書き溜めた評論をまとめた芸術・俳句論集『余白の祭』を2013年に発表。同作で松本健一の選考により第23回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。現代俳句評論賞選考委員。
2014年1月29日、「感情の華――恋と俳句・日本文化の土壌」と題した講演会がパリ日本文化会館で開催された。同年12月9日、コレージュ・ド・フランスにて「俳句――他者への開け」をテーマに講演。さらに、「花の俳句――日本の美と時間のパラドクス」をめぐる講演と日本語・フランス語による俳句朗読パフォーマンスも行った(12月11日於ジャン・ムラン・リヨン第三大学、同12日於エクス・マルセイユ大学、同13日於パリ日本文化会館)。[1]
2015年9月13日、静岡県立美術館において「富士の国から――日本の美と時間のパラドクス」と題する講演を行った。
『墨』(芸術新聞社)2015年1・2月号より、俳句を中心とした日本文化論「水、 呼び交わす」を連載開始。また、『ひととき』(ウェッジ)2016年1月号より、「土のうた」をクォーターで連載している。
2004年4月からSBS学苑「楽しい俳句」講師。2017年、句集「夢洗ひ」で第67回芸術選奨文部科学大臣賞、現代俳句協会賞を受賞。同年、第9回桂信子賞受賞。2018年より現代俳句協会賞の選考委員。2019年4月より、『読売新聞 夕刊』「たしなみ」エッセー連載(4週毎)。2020年2月号より角川『俳句』「偏愛俳人館」毎号連載。
著作
編集句集
- 『イワンの馬鹿の恋』(ふらんす堂、2000年)
- 『振り返る馬』(思潮社、2005年)
- 『空塵秘抄』(角川学芸出版、2008年)
- 『夢洗ひ』(KADOKAWA、2016年)
- 『はだかむし』(KADOKAWA、2022年)
評論集
- 『余白の祭』(深夜叢書社、2013年)
- 『渾沌の恋人 北斎の波、芭蕉の興』(春秋社、2022年)
- 『星を見る人 日本語、どん底からの反転』(春秋社、2023年)
編著
- 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)
朗読
- 『久保田万太郎俳句集(解説)』(岩波文庫Amazonオーディブル 2022年8月刊)
活動
編集選考委員
- 芸術選奨 推薦委員 平成30年〜令和2年度(文化庁主催)
- 芸術選奨 文学部門審査員 令和3年(文化庁主催)
- 現代俳句評論賞 選考委員 2015年〜2017年(現代俳句協会主催)
- 現代俳句協会賞 選考委員2018年〜(現代俳句協会主催)
- 全国高校生俳句大賞 選考委員2021年〜(神奈川大学主催)
出典
編集外部リンク
編集- 樸(あらき)俳句会ホームページ
- 現代俳句人名事典における恩田侑布子の俳句(現代俳句協会)
- 恩田侑布子の句の鑑賞(増殖する俳句歳時記)
- 恩田侑布子作品をめぐって(吉野裕之)
- 17文字に詠み込む無限の余白|恩田侑布子インタビュー