忍びの者』(しのびのもの)は、村山知義の歴史・時代小説。

戦国時代を舞台に、権力者たちに利用される下忍たちの悲哀と反抗を描いた作品。1960年11月から1962年5月まで『赤旗』の日曜版に連載され、後に映画化、戯曲化、テレビドラマ化もされた。

概要

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単行本

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各・光文社時代小説文庫、1990年、岩波現代文庫、2003年、理論社オン・デマンド版で再刊
  • 『五右衛門釜煎り 続・忍びの者』理論社(小説国民文庫)、1965年 - 以下は続編
  • 『真田忍者群 忍びの者 第3部』理論社(小説国民文庫)、1967年
  • 『忍びの陣 忍びの者 第4部』理論社(小説国民文庫)、1968年
  • 『忍び砦のたたかい 忍びの者 第5部』理論社(小説国民文庫)、1971年

映画

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忍びの者
監督 山本薩夫
脚本 高岩肇
原作 村山知義
製作 永田雅一
出演者 市川雷蔵
伊藤雄之助
藤村志保
城健三朗
音楽 渡辺宙明
撮影 竹村康和
編集 宮田味津三
製作会社 大映京都
配給 大映
公開   1962年12月1日
上映時間 105分
製作国   日本
言語 日本語
次作 続・忍びの者
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1962年に主演:市川雷蔵、監督:山本薩夫で映画化された。白黒作品。リアリズムと醜い権力争いの犠牲者という視点を持ち込んだ作品で、ヒットにより後にシリーズ化された。1989年「大アンケートによる日本映画ベスト150」(文藝春秋発表)では第146位にランキングされている。

あらすじ

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キャスト

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スタッフ

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同時上映

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シリーズ

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本作の大ヒットにより、市川雷蔵主演でシリーズ化された。全作白黒作品。主人公は第3作までが石川五右衛門。第4・5作が霧隠才蔵、第6作がその子である才蔵二世、第7作が再び霧隠才蔵、第8作がオリジナルの架空忍者・霞小次郎。

松方弘樹主演の作品(1970年):大映京都製作。雷蔵死後、東映から松方をレンタル移籍させ、シリーズ継続。

戯曲

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1963年に東京芸術座で初演された。主演は保科三良

キャスト(戯曲)

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スタッフ(戯曲)

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人形劇

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1966年に人形劇団プークにて『石川五右衛門』のタイトルで上演された[2][3]。1981年に再演[3]

スタッフ(人形劇)

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テレビドラマ

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忍びの者
ジャンル 時代劇
脚本 結束信二高田宏治鳥居元宏
監督 河野寿一 ほか
出演者 品川隆二
国・地域   日本
言語  日本語
製作
プロデューサー 上月信二(NET)
制作 NET東映京都テレビプロ
放送
放送チャンネルNET系列
放送国・地域  日本
放送期間1964年7月24日 - 1965年7月30日
放送時間金曜20:00 - 20:56
放送枠NET金曜8時枠の連続ドラマ
放送分56分
回数52回
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NETテレビ系列にて1964年7月24日から1965年7月30日まで毎週金曜夜8時からの1時間枠で放映された。主演は品川隆二。全52話[4]モノクロ作品。当初は半年間の放映予定だったが、高視聴率だったために1年間に延長された。主人公は東映東千代之介を当てるよう希望してきたが、プロデューサーの上月は役に合っているという理由で、第二東映にいた品川を引っ張ってきた[5]明智光秀には仲谷昇をキャスティングするつもりだったが、出演料の問題で仲谷にそっくりで新人の栗塚旭を抜擢している[6]

  • 東映チャンネルやCSでもこれまでに第1話の放映もされなかったため、本作のフィルムの現存は不明とされてきたが、東映より第1話の保存が確認されており、2021年にその第1話が収録されたDVDも後に発売している。

2021年にベストフィールドから『往年のテレビ傑作映画 第1話特集2』として『柳生武芸帳』・『われら九人の戦鬼』・『ゼロ戦黒雲隊』の第1話が収録され、デジタルリマスター版として発売された。

  • 全52話分が収録されたDVD・ブルーレイの発売はされていない。

キャスト

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スタッフ

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NET 金曜20時枠
前番組 番組名 次番組
ゴールデンボクシング
※20:00 - 20:45
オリンピックハイライト
※20:45 - 21:00
忍びの者
(テレビドラマ版)
【当番組よりドラマ枠

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i 芸能学会(編)『芸能』2月号、芸能発行所、1963年、73頁。 
  2. ^ a b 芸能学会(編)『芸能』10月号、芸能発行所、1966年、70頁。 
  3. ^ a b c 芸能学会(編)『芸能』10月号、芸能発行所、1981年、41頁。 
  4. ^ 放送期間は54週あるが、1964年10月16日と23日は東京五輪中継のため休止された関係で放送回数は52回となる。出展:朝日新聞縮刷版1964年10月号447ページ&679ページ
  5. ^ 「時代劇は死なず」、春日太一、39ページ。
  6. ^ 「時代劇は死なず」、春日太一、41~42ページ。

外部リンク

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