件名標目
(形式細目から転送)
件名標目[1](4.2.1.3.04)(英: subject heading)とは,資料を検索するのに用いられる[2]:37,主題や形式を表す[3]統制語彙である[4]:62。
概要
編集ある資料の主題が,その表題にそのまま用語として現われるとは限らない。主題の出現はさまざまな形態を取りうるし,そもそも現れない場合も考えられる。 ゆえに,資料をその主題によって検索するのはあまり効果的とは言えない。 そこで,簡単で効率の良い主題検索を行うための仕組みとして用いられる[5]:16のが,件名標目である。 件名標目は,とくに図書館目録における図書の検索方法として長く培われて[5]:15おり,計算機による資料検索においても重要である[6](※13)。
細目
編集件名標目を用いて主題の種々の側面を表現する為には,主題を表す主標目に細目を結びつける[7]:14。 細目は次の四つに大別される[7]:15。
- 主題細目
- 主題の副次的な観点を表す。
- 地名細目
- 主題の地域性を明示する。
- 時代細目
- 主題の時代を表す。
- 形式細目
- 資料の種別を表す。
- [主題細目] – [地名細目] – [時代細目] – [形式細目]
細目の結合順序には、ランガナタンやカイザーらによるファセット分類法又はその発展形である英国分類研究グループ[8]:21の標準列挙順序を簡略化したものが適用される[7]:15。
事前結合方式
編集件名標目では、複数の側面が絡み合った多面的な主題を表現する為に事前結合方式を採用している。事前結合方式とは、標目を賦与する時点で,用語同士を統制された結合順序によって結びつける方法であり、当該方式の採用によって、件名標目は意味論的だけでなく統語論的な統制も実現している。これは(件名標目の上位概念である)統制語彙に対する最大の違いである[7]:14。
件名標目表
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集参考文献
編集- 岸田和明「インターネット時代における統制語彙の意義と役割」『情報の科学と技術』第57巻第2号、2007年2月1日、62-67頁、doi:10.18919/jkg.57.2_62、2020年6月23日閲覧。
- 大柴 忠彦「コラム: 書誌データ探検 件名(1)/図書館版キーワード検索―件名標目とは?」(PDF)『NDL書誌情報ニュースレター』第2009巻第2号、2009年、13-16頁、ISSN 1882-0468、2019年9月23日閲覧。
- 川村敬一「ランガナータンの遺産─英国技術索引における分類の諸原理─」『日本図書館情報学会誌』第63巻第1号、2017年、20-36頁、doi:10.20651/jslis.63.1_20、2019年9月11日閲覧。
- 大柴 忠彦「コラム: 書誌データ探検 件名(3)/事前結合方式-件名標目の可能性の中心」(PDF)『NDL書誌情報ニュースレター』第2009巻第4号、2009年、13-16頁、ISSN 1882-0468、2019年9月11日閲覧。
- “取組課題候補:地域情報提供・地域文化発信”. 文部科学省. 2019年9月23日閲覧。
- 「国立国会図書館件名標目表 2008年度版を公開」(PDF)『国立国会図書館月報』第579号、国立国会図書館、2009年6月、37頁、ISSN 0027-9153、2019年9月23日閲覧。
- “付録/情報探索の手引き”. 名桜大学附属図書館. 2019年9月23日閲覧。
- “科学技術情報流通技術基準 索引作成”. 科学技術情報流通技術基準. 2019年9月23日閲覧。
- JIS X 0701:2005「情報及びドキュメンテーション-用語」(日本産業標準調査会、経済産業省)
関連項目
編集外部リンク
編集- 基本件名標目表トピックマップ - 日本の代表的な件名標目の一つである基本件名標目表 (BSH) のオンライントピックマップ。