小林 (能)
能の演目
小林 |
---|
作者(年代) |
宮増あるいは世阿弥 |
形式 |
複式夢幻能 |
能柄<上演時の分類> |
五番目もの |
現行上演流派 |
なし |
異称 |
氏清 |
シテ<主人公> |
小林の修理の亮 (小林上野守) |
その他おもな登場人物 |
山名氏清縁の僧 |
季節 |
季不知 (不定) |
場所 |
石清水八幡宮 |
本説<典拠となる作品> |
明徳記 |
能 |
このテンプレートの使い方はこちら |
小林(こばやし)は、能の演目のひとつ。
室町後期頃から上演されておらず、現在は番外曲になっている。 明徳の乱に取材しており、曲中のワキの詞章にも『明徳記』が登場する。 『能本作者註文』では宮増が作者とされ、『自家伝抄』では世阿弥が作者とされている。
『舞芸六輪次第』『囃子方習書』に記事がある。 『舞芸六輪次第』では「鬼之能」に分類され、兜・長刀の着用や馬への騎乗が指示されている特異な曲である。
高知県室戸市の御田八幡宮の吉良川の御田祭では現在も演じられている。
登場人物
編集- 前シテ:石清水八幡宮の社人
- 後シテ:小林の修理の亮(小林上野守)
- ワキ:山名氏清縁の僧
- ツレ:瞽女
- アイ:男山の住人
あらすじ
編集氏清ゆかりの僧(ワキ)が石清水に参詣し、住人(アイ)の案内でごぜ(ツレ)の氏清についての歌を聴いていると、社人(シテ)が歌を禁じるが僧の所望と聞いて許す。 社人が氏清の戦評定の時、御灯の役をしていたと述べ、合戦前の小林と氏清の様子や山名軍の配置を語り、姿を消す。 口寄せにより小林の霊が現れ、合戦の様子を見せる。
参考文献
編集- 冨倉徳次郎『明徳記』岩波書店、1941年、謡曲小林。全国書誌番号:46027305。
- 竹本幹夫「能作者宮増の作品と作風(上)」『能楽研究』第26号、野上記念法政大学能楽研究所、2001年、1-35頁、ISSN 03899616、NAID 110004680097。