小外掛(こそとがけ)は、柔道投技の足技21本の一つ。講道館国際柔道連盟 (IJF) での正式名。IJF略号KSK。相撲の外掛けにあたる技である。

小外掛の基本形のイラスト

概要

編集

基本形の投げ方は、小外刈同様、自分の脚の内側で相手の脚の外側に仕掛ける技。

この技は脇を差し合い密着した状態から掛けやすく、離れた間合いからのハイタックル、ヘアハグから掛けるのが見られた。しかし、いきなりのベアハグが禁止されてからは柔道では見られなくなった。裸体の総合格闘技でも使用される。ヒクソン・グレイシーがバーリ・トゥードジャパン94で日本で戦った際には、この工程の小外掛を多用してトーナメントを優勝している。これの他の利点として、テイクダウン後にハーフマウントポジション、または一気にマウントポジションを奪いやすい点が挙げられる。投げ技等と比較すると力強さには劣るが、失敗した際のリスクが極めて少ない点もある。近年のMMAでもこの小外掛はセオリーの一つとして重視されている。最近ではレオン・エドワーズがUFC278でカマル・ウスマンから小外掛でテイクダウンし、マウントポジションを奪っている。

小外掛は小外刈とは次の様な違いがある。

小外刈

まず相手の横にまわり、相手の両足踵に崩し、自分の足を相手の脚の後ろ(ほとんどの場合、脹脛か踝かアキレス腱の裏)に、横から入れ込み、後ろから刈る様にして(相手の足をスライドさせる)真下に落とすようにして倒す。

小外掛

前から、自分の脚または足を相手の脚または足の後ろに掛け、その相手の足の踵に崩し、すり上げぎみに引っ掛けて相手を倒す様にして投げる。

大内刈に対して仕掛けた場合は、大内返になる。

変化

編集

二段小外掛け

編集

二段小外掛け(にだんこそとがけ)は二段モーションの小外掛。左足で相手の前に踏み出している右足に小外掛をかけて、それがきまらないとき、続けざま二度目の左足での小外掛で倒す。[1]。1982年の「講道館柔道の投技の名称」制定に際しては講道館では新名称の候補に挙がったが小外掛に含めることとなり採用されなかった[2]

小外落

編集

小外落(こそとおとし)は柔道で何度か決り技になってる技[3][4]。柔道家の金澤利三郎の小外落は背負投小外刈を合せたような技との証言もある[5]

外掛

編集

外掛(そとがけ)[6]は受を側方に倒す小外掛。釣り手の右手で受の左肩を強く持ち上げ、受の右袖を持った引手の左手を下に引き浮落に似た両手の動きで受を受の右に崩す。左脚を上げ受の右脚に掛け受を受の右に倒す。

脚注

編集
  1. ^ 工藤一三『連続分解写真による柔道の技法 投技編』(初版)日貿出版社、日本、1968年12月5日、176頁。 
  2. ^ 「柔道の投技の名称について」『柔道』第54巻第2号、講道館、1983年2月1日、22頁。「二段小外掛け」 
  3. ^ 丸山三造 編『大日本柔道史』講道館、1939年5月9日、644頁。「○飯山栄作 小外落 瀬戸口新吉×」 
  4. ^ 「講道館月次試合」『柔道』第58巻第1号、講道館、1987年1月1日、87頁。 
  5. ^ 上野孝雄『柔道』第69巻第2号、講道館、1998年2月1日。 
  6. ^ Mikinosuke KAWAISHI (1955). Ma méthode de judo. Jean Gailhat(仏訳、イラスト). フランス: Judo international. p. 40. "SOTO-GAKE" 

外部リンク

編集