冨山房
有限会社冨山房(ふざんぼう)は、1886年(明治19年)設立の日本の出版社。戦前は博文館とともに大手出版社の1つだった。
種類 | 有限会社 |
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本社所在地 |
日本 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-3 冨山房ビルB1 |
設立 | 1886年(明治19年)3月1日 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 5010001006932 |
代表者 | 代表取締役社長 坂本起一 |
関係する人物 | 創業者 坂本嘉治馬 |
外部リンク | http://www.fuzambo.net/ |
沿革
編集主な出版物
編集児童書
編集近年の冨山房の出版事業は、児童書が中心となっている。なお、児童書は系列会社の「冨山房インターナショナル」(後述)でも出版している。
- 絵本
- 「がちょうのペチューニア」ロジャー・デュボワザン作 まつおかきょうこ訳 ISBN 978-4-572-00365-2
- 「うっかりまじょと ちちんぷい」ヌリット・カーリン作 小杉佐恵子訳 ISBN 4-572-00299-1
- 読物
- 詩
- 参考図書
辞書
編集冨山房は、明治、大正期において、三省堂、博文館と並ぶ、代表的な辞書出版社であったが、近年は評価の高い辞書のみ、当時のままに発行を続けている。
- 大言海 - 大槻文彦
- 大日本地名辞書 - 吉田東伍
- 大日本讀史地図 - 吉田東伍・蘆田伊人
- 詳解漢和大字典 - 服部宇之吉・小柳司気太
- 大系漢字明解 - 高田忠周
- 双解英和辞典 - 斉藤静(岡倉賞を受賞)
- 英米故事伝説辞典 - 井上義昌
過去に発行していた主な辞書。
- 国民百科大辞典
- 日本家庭大百科事彙
- 修訂 大日本国語辞典 - 上田萬年、松井簡治
- 修訂増補 大英和辞典 - 市河三喜、畦柳都太郎、飯島広三郎
- 仏教大辞彙 - 龍谷大学編纂
- カトリック大辞典 - 上智大学編纂
- 修訂増補版 理科学辞典 - 冨山房辞典編集部
- 邦楽舞踏辞典 - 渥美清太郎
- 外来語辞典 - 荒川惣兵衛(岡倉賞を受賞)
一般書籍
編集「プラトーン全集」
編集木村鷹太郎訳『プラトーン全集』全11冊、1903年から1911年刊。最初期のプラトン日本語訳。
「漢文大系」
編集中国古典の注釈書をまとめた叢書。1909年から1916年刊。1974年から1978年再刊。全22冊38書。[2][3]
安井息軒『論語集説』『管子纂詁』、太田全斎『韓非子翼毳』、焦竑『老子翼』『荘子翼』、竹添井井『春秋左氏会箋』、孫詒譲『墨子閒詁』などからなる。
「模範家庭文庫」
編集「日本ではじめて着手された世界家庭文学の古典全書」を主張し、 「説話のおもしろいこと」「文章のやさしいこと」「挿画の多いこと」「装幀の美しいこと」 を特色とし、「家庭に咲出した幸福の花園」「地上に出現したこどもの天国」「大人たちも一緒にたのしめる世界の古典」「家内中が宝物にする善美第一のお伽画本」などの売り文句があった、[4]箱入りかつ天金(上の小口に金箔を張り付ける加工)がほどこされている 豪華な本で、1915年から1933年にかけ刊行され、第一集12冊、第二集12冊の計24冊となっていた。 装幀豪華さ、挿画の重用においても児童書出版の歴史の中に特記され、客間の装飾にも用いられたが、高価であったために購買者層が中流家庭以上に限られた。また文壇作家を登用した点で、のちの「赤い鳥」創刊の先駆けとなった。[5]なお、2023年に「日本童話宝玉集」(上・下)および「世界童話宝玉集」が冨山房インターナショナルにて復刻された。[6]24巻のうち、ファーブルの化学物語は重要な刊行である。[7]
「百科文庫」
編集新書判の叢書で、1937年10月から1945年10月(120数点)には主に主要な古典文学と随筆のうち、絶版もしくは忘れられがちなものを、1977年8月から1996年6月(50数点)にかけ翻訳古典の新訳や日本の奇特な文学作品を軸に刊行された。[8]
下記は2期の主な刊行書籍(近代文学のみ)。
- 加藤周一・中村真一郎・福永武彦 『1946・文学的考察』
- 荒正人 『第二の青春・負け犬』
- 斎藤緑雨 『緑雨警語』 中野三敏編注
- 薄田泣菫 『完本 茶話』(上中下)
- 佐藤春夫 『退屈読本』(上下)
- 河上徹太郎・林房雄ほか多数 『近代の超克』
その他の翻訳書
編集関連会社
編集株式会社 冨山房インターナショナル
編集1993年に創設した子会社。かつて冨山房から刊行された書籍の復刻を含む出版のほか、印刷、学校内書店経営、学校用品販売なども行う。
書店
編集- 日本大学文理学部店
- 日本大学櫻丘高等学校店
- 東京都世田谷区桜上水3-24-22
その他
編集脚注
編集- ^ 孫の坂本嘉廣は宿毛市名誉市民。東京宿毛会も支えている。
- ^ 冨山房. “漢文大系解説”. fuzambo.net. 2024年9月15日閲覧。
- ^ 湯浅邦弘 編著『中国思想基本用語集』ミネルヴァ書房、2020年。ISBN 9784623087365。296頁。
- ^ OdaMitsuo (2020年2月13日). “古本夜話994 冨山房「模範家庭文庫」と瀬田貞二『落穂ひろい』”. 出版・読書メモランダム. 2025年1月5日閲覧。
- ^ nakakoto (2024年7月18日). “模範家庭文庫”. 中島孤島の軌跡. 2025年1月5日閲覧。
- ^ nakakoto (2024年7月25日). “模範家庭文庫の復刻”. 中島孤島の軌跡. 2025年1月5日閲覧。
- ^ “5. 新訳絵入科学物語(模範家庭文庫)|東京都立図書館”. 東京都立図書館. 2025年1月5日閲覧。
- ^ 『冨山房百科文庫』冨山房 。