宮内悠介
日本の小説家・SF作家
1979年1月18日[1] -)は、日本の小説家・SF作家。日本SF作家クラブ会員。日本推理作家協会会員[2]。
(みやうち ゆうすけ、宮内 悠介 (みやうち ゆうすけ) | |
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誕生 |
1979年1月18日(45歳) 日本・東京都 |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
最終学歴 | 早稲田大学第一文学部卒業 |
ジャンル | SF・純文学・推理小説 |
代表作 |
『盤上の夜』(2012年) 『カブールの園』(2017年) |
主な受賞歴 |
創元SF短編賞山田正紀賞(2010年) 日本SF大賞(2013年) 吉川英治文学新人賞(2017年) 三島由紀夫賞(2017年) 星雲賞日本長編部門(2018年) 芸術選奨新人賞(2020年) 日本推理作家協会賞(2024年) 高校生直木賞(2024年) |
デビュー作 | 『盤上の夜』 |
配偶者 | Pippo(近代詩の伝道師) |
親族 | 父:宮内勝典 |
経歴
編集東京都生まれ。父は作家の宮内勝典[3]。4歳から11歳まで1992年までニューヨークに在住[4]。早稲田大学高等学院、早稲田大学第一文学部英文科卒業。在学中はワセダミステリクラブに所属。卒業後はインド、アフガニスタンを放浪。麻雀プロの試験に補欠合格するもプログラマになる。
その一方、ワセダミステリクラブOBで構成する創作同人誌「清龍」に参加、創作活動をつづける。
2010年、囲碁を題材とした短編「盤上の夜」にて、第1回創元SF短編賞で選考委員特別賞(山田正紀賞)を受賞。各種盤上ゲームを題材とした短編を連作として書きつぎ、2012年に連作短編集『盤上の夜』として刊行し単行本デビュー。
SFと純文学をジャンル横断的に活動する作家として評価されており、史上初めて芥川賞、直木賞、三島賞、山本賞全ての候補作に挙がった[5]。
麻雀好きで、麻雀最強戦2020に参戦し[6]、その予選となる「麻雀最強戦2020 著名人超頭脳決戦」で優勝しファイナルへと進出した[7]。
C.M.B. 森羅博物館の事件目録の読者特別企画に応募し、31巻に「未練があるくらいがちょうどいい・・・・・・」のセリフとともに出演[8]。
文学賞受賞・候補歴
編集- 2010年 - 「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞山田正紀賞受賞。
- 2012年
- 2013年
- 第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。
- 「青葉の盤」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)候補。
- 「盤上の夜」で第44回星雲賞(日本短編部門)参考候補作。
- 『ヨハネスブルグの天使たち』で第149回直木三十五賞候補。
- 『ヨハネスブルグの天使たち』で第34回日本SF大賞特別賞受賞。
- 2016年
- 2017年
- 2018年
- 『あとは野となれ大和撫子』で第49回星雲賞(日本長編部門)受賞。
- 「ディレイ・エフェクト」で第49回星雲賞(日本短編部門)参考候補作。
- 2019年
- 「トランジスタ技術の圧縮」で第50回星雲賞(日本短編部門)参考候補作。
- 2020年
- 『遠い他国でひょんと死ぬるや』で第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞[10]。
- 『黄色い夜』で第37回織田作之助賞候補。
- 2023年
- 『ラウリ・クースクを探して』で第40回織田作之助賞候補[11]。
- 『ラウリ・クースクを探して』で第170回直木三十五賞候補。
- 2024年
作品リスト
編集単行本
編集- 『盤上の夜』(2012年3月 創元日本SF叢書 / 2014年4月 創元SF文庫)
- 盤上の夜(初出:『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』)
- 人間の王(初出:『ミステリーズ!』vol.45 FEBRUARY 2011)
- 清められた卓(初出:『Webミステリーズ!』2011年6月号)
- 象を飛ばした王子(初出:『Webミステリーズ!』2012年2月号)
- 千年の虚空(書き下ろし)
- 原爆の局(書き下ろし)
- 『ヨハネスブルグの天使たち』(2013年5月 ハヤカワSFシリーズ Jコレクション / 2015年8月 ハヤカワ文庫JA)
- ヨハネスブルグの天使たち(初出:『S-Fマガジン』2012年2月号)
- ロワーサイドの幽霊たち(初出:『S-Fマガジン』2012年8月号)
- ジャララバードの兵士たち(初出:『S-Fマガジン』2012年11月号)
- ハドラマウトの道化たち(初出:『S-Fマガジン』2013年2月号)
- 北東京の子供たち(書き下ろし)
- 『エクソダス症候群』(2015年6月 創元日本SF叢書 / 2017年7月 創元SF文庫)(書き下ろし)
- 『アメリカ最後の実験』(2016年1月 新潮社 / 2018年8月 新潮文庫)(初出:『yom yom』2013年冬号 - 2014年秋号)
- 『彼女がエスパーだったころ』(2016年4月 講談社 / 2018年4月 講談社文庫)
- 百匹目の火神(初出:『小説現代』2012年9月号)
- 彼女がエスパーだったころ(初出:『小説現代』2013年3月号)
- ムイシュキンの脳髄(初出:『小説現代』2013年7月号)
- 水神計画(初出:『小説現代』2014年4月号)
- 薄ければ薄いほど(初出:『小説現代』2014年9月号)
- 佛点(初出:『小説現代』2015年3月号)
- 『スペース金融道』(2016年8月 河出書房新社)
- スペース金融道(初出:『NOVA 5 書き下ろし日本SFコレクション』)
- スペース地獄篇(初出:『NOVA 7 書き下ろし日本SFコレクション』)
- スペース蜃気楼(初出:『NOVA 9 書き下ろし日本SFコレクション』)
- スペース珊瑚礁(初出:『NOVA+ バベル 書き下ろし日本SFコレクション』)
- スペース決算期(書き下ろし)
- 『月と太陽の盤 碁盤師・吉井利仙の事件簿』(2016年11月 光文社 / 2019年7月 光文社文庫)
- 青葉の盤(初出:『ジャーロ』No.45 2012 SUMMER)
- 焔の盤(初出:『ジャーロ』No.47 2013 SPRING)
- 花急ぐ榧(初出:『ジャーロ』No.49 2013 AUTUMN-WINTER)
- 月と太陽の盤(初出:『ジャーロ』No.51 2014 SUMMER - No.52 2014 AUTUMN-WINTER)
- 深草少将(初出:『ジャーロ』No.53 2015 SPRING)
- サンチャゴの浜辺(初出:『ランティエ』2015年7月号)
- 『カブールの園』(2017年1月 文藝春秋 / 2020年1月 文春文庫)
- カブールの園(初出:『文学界』2016年10月号)
- 半地下(初出:『文学界』2016年2月号)
- 『あとは野となれ大和撫子』(2017年4月 KADOKAWA / 2020年11月 角川文庫)(初出:『文芸カドカワ』2015年10月号 - 2016年7月号)
- 『ディレイ・エフェクト』(2018年2月 文藝春秋)
- ディレイ・エフェクト(初出:『文学ムック たべるのがおそい』vol.4)
- 空蝉(初出:「オール讀物」2015年8月号「ナイト・クラウン・クイーン、そしてキング」を改題)
- 阿呆神社(初出:『オール讀物』2012年11月号)
- 『超動く家にて 宮内悠介短編集』 (2018年2月 創元日本SF叢書)
- 【改題】超動く家にて (2021年4月 創元SF文庫)
- 『偶然の聖地』(2019年4月 講談社 / 2021年9月 講談社文庫)(初出:『IN★POCKET』2014年11月号 - 2018年8月号)
- 『遠い他国でひょんと死ぬるや』(2019年9月 祥伝社 / 2022年9月 祥伝社文庫)
- 『黄色い夜』(2020年7月 集英社 / 2023年11月 集英社文庫)(初出:『すばる』2020年3月号)
- 『かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖』(2022年1月 幻冬舎 / 2023年10月 幻冬舎文庫) - 連載時タイトル『牧神に捧ぐ推理』を改題。
- 菊人形遺聞(初出:『小説幻冬』2020年11月号)
- 浅草十二階の眺め(初出:『小説幻冬』2021年1月号)
- さる華族の屋敷にて(初出:『小説幻冬』2021年3月号)
- 観覧車とイルミネーション(初出:『小説幻冬』2021年5月号)
- ニコライ堂の鐘(初出:『小説幻冬』2021年7月号)
- 未来からの鳥(初出:『小説幻冬』2021年9月号)
- 『ラウリ・クースクを探して』(2023年8月 朝日新聞出版)(初出:『小説トリッパー』2023年夏号)
アンソロジー
編集「」内が宮内悠介の作品
- 原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー(2010年12月 創元SF文庫)「盤上の夜」
- NOVA 5 書き下ろし日本SFコレクション(2011年8月 河出文庫)「スペース金融道」
- NOVA 7 書き下ろし日本SFコレクション(2012年2月 河出文庫)「スペース地獄篇」
- 拡張幻想 年刊日本SF傑作選 (2012年6月 創元SF文庫)「超動く家にて」
- NOVA 9 書き下ろし日本SFコレクション(2013年1月 河出文庫)「スペース蜃気楼」
- ザ・ベストミステリーズ 2013 推理小説年鑑(2013年4月 講談社)「青葉の盤」
- 【分冊・改題】Symphony 漆黒の協奏曲 ミステリー傑作選(2016年4月 講談社文庫)
- 短編ベストコレクション 現代の小説2013(2013年6月 徳間文庫)「百匹目の火神」
- 極光星群 年刊日本SF傑作選(2013年6月 創元SF文庫)「星間野球」
- 名探偵だって恋をする(2013年9月 角川文庫)「空蜘蛛」
- さよならの儀式 年刊日本SF傑作選(2014年6月 創元SF文庫)「ムイシュキンの脳髄」
- 夏色の想像力(2014年7月 草原SF文庫〈同人誌〉)「弥生の鯨」
- NOVA+ バベル 書き下ろし日本SFコレクション(2014年10月 河出文庫)「スペース珊瑚礁」
- 折り紙衛星の伝説 年刊日本SF傑作選(2015年6月 創元SF文庫)「薄ければ薄いほど」
- アステロイド・ツリーの彼方へ 年刊日本SF傑作選(2016年6月 創元SF文庫)「法則」
- ヴィジョンズ(2016年10月 講談社)「アニマとエーファ」
- 人工知能の見る夢は AIショートショート集(2017年5月 文春文庫)「夜間飛行」
- 宮辻薬東宮(2017年6月 講談社)「夢・を・殺す」
- 行き先は特異点 年刊日本SF傑作選(2017年7月 創元SF文庫)「スモーク・オン・ザ・ウォーター」
- 謎々 将棋 囲碁(2018年2月 角川春樹事務所)「十九路の地図」
- プロジェクト:シャーロック 年刊日本SF傑作選(2018年6月 創元SF文庫)「ディレイ・エフェクト」
- Genesis 一万年の午後 創元日本SFアンソロジー(2018年12月 東京創元社)「ホテル・アースポート」
- 宮内悠介リクエスト! 博奕のアンソロジー(2019年1月 光文社 / 2020年2月 光文社文庫)「杭に縛られて」
- おうむの夢と操り人形 年刊日本SF傑作選(2019年8月 創元SF文庫)「クローム再襲撃」
- Voyage 想像見聞録(2021年6月 講談社)「国境の子」
- Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー(2021年10月 東京創元社)「1ヘクタールのフェイク・ファー」
- ザ・ベストミステリーズ2024(2024年6月 講談社)「ディオニソス計画」
雑誌掲載短編
編集- 空蜘蛛(角川書店『小説屋sari-sari』2012年5月号) - 電子書籍
- ローパス・フィルター(新潮社『新潮』2019年1月号)
- パニック――一九六五年のSNS(講談社『小説現代』2022年4月号)
- 花であれ、玩具であれ(集英社『すばる』2022年9月号)
- 国歌を作った男(講談社『群像』2022年10月号)
- 暗流(アンダーカレント)(文藝春秋『文學界』2022年11月号)
- 手と手のぶつかる距離(KADOKAWA『小説 野性時代』第236号 2023年7月号)
- ディオニソス計画(東京創元社『紙魚の手帖』vol.14 DECEMBER 2023)
翻訳
編集- 最初のテロリスト カラコーゾフ ―ドストエフスキーに霊感を与えた男(2020年3月 筑摩書房) - 著:クラウディア・ヴァーホーヴェン
共著
編集エッセイ
編集- こんなことしてていいのか日記 宮内悠介 編(集英社『すばる』2021年1月号 - 3月号)
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.466
- ^ 日本推理作家協会. “会員名簿”. www.mystery.or.jp. www.mystery.or.jp. 2024年1月12日閲覧。
- ^ 島田雅彦『君が異端だった頃』集英社、262p
- ^ “作家の読書道 第178回:宮内悠介さん|作家の読書道|WEB本の雑誌”. WEB本の雑誌. 2020年10月4日閲覧。
- ^ 「文藝」2017年秋号 特集「現代文学地図 2000-2020」
- ^ 香川愛生 vs 宮内悠介 vs 片山まさゆき vs 福本伸行 - 麻雀の雀龍ドットコム 2020年1月11日
- ^ “【麻雀最強戦2020 著名人超頭脳決戦】優勝は宮内悠介さん!!”. キンマweb. 竹書房 (2020年10月24日). 2022年1月26日閲覧。
- ^ 加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』31巻、講談社、151p
- ^ “芥川賞・直木賞、候補作発表”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 33. (2017年6月20日)
- ^ 令和元年度(第70回)芸術選奨受賞者一覧
- ^ 第40回織田作之助賞候補作決まる 5作品、12月21日に選考
- ^ mwjsince1947の2024年5月13日のツイート、2024年5月13日閲覧。
- ^ 第11回高校生直木賞 受賞作決定!
- ^ 加賀乙彦顕彰特別文学賞事務局Xアカウント