学童擁護員
学童擁護員(がくどうようごいん)とは、小学校の通学路上に立ち、児童の通学における安全確保に当たる職員のことである。女性の学童擁護員については、
1959年11月19日に東京都においてこの制度が始まった。まだ女性の職場が少なかった戦後復興期に、寡婦の雇用対策として創設された職業である。創設当初、勤務時間は午前2時間、午後3時間で、日当は315円であった。1961年以降、各地に広がった[1]。
当初は臨時職員であったが、1965年より東京都の正職員となった。近年、その存廃が議論されている[2]。
東京都以外にも、道府県によっては似たような役割を果たす地方自治体の臨時職員やボランティアがあったが、存続について議論されたり、廃止されたりする例がある。そのうちの一部には、交通安全の啓発活動などを行なうボランティア団体「交通安全母の会」の母体となったものもある。
海外の類似例
編集アメリカ合衆国
編集原語では主に “Crossing Guard” と呼ばれる。児童の登下校時の安全を確保するため、学校や通学路の横断歩道で警戒にあたる。有給職員とボランティアの両方がいる。連邦労働省労働統計局の統計によれば、有給の従事者数は全米で7万2900人、時給中央値は12ドル84セント、年収中央値は2万6700ドルである(いずれも2016年5月現在のもの)[3]。
ニューヨーク市警察児童横断警戒員
編集原語では “School Crossing Guard” という。ニューヨーク市警察 (NYPD) の所属であるが、警察官ではなく非常勤職員であり、採用後にNYPD警察学校で6日間の訓練を受ける[4][5]。
脚注
編集- ^ “昭和毎日 昭和のニュース 緑のおばさん登場”. 毎日新聞社. 2016年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月9日閲覧。
- ^ 3 具体的方策 墨田区公式ウェブサイト、「足立区の構造改革戦略」(素案)に対する日本共産党の見解と提案
- ^ Occupational Employment Statistics - 33-9091 Crossing Guards
- ^ School Crossing Guards (NYPD公式サイト)
- ^ Education of a School Crossing Guard
参考文献
編集- 葛巻政男 編「調理士と学童擁護員の指導」『人事管理と渉外』明治図書出版〈学校経営問題新書;9〉、1968年。 NCID BA49237675。全国書誌番号:68008184。
- 小山内博「学童擁護員の健康」『労働の科学』第4巻第3,4号、労働科学研究所出版部、川崎、1972年2月、88-91頁、ISSN 00357774、全国書誌番号:00357774。
- 木浦一子「車道から歩道から 児童の交通安全と学童擁護員」『交通工学』第21巻第2号、丸善、1986年3月、42頁、ISSN 04544595、全国書誌番号:00007967。
- 木村太郎 (2011年9月). "女性の学童擁護員(みどりのおばさん)に関する質問主意書". 第178回国会 45. 衆議院事務局. 2020年11月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月19日閲覧。