交通巡視員
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交通巡視員(こうつうじゅんしいん)とは、日本の警察において警察官とともに道路交通に関する取締りや指導、交通整理などを行う警察職員である。現在では、例として愛知県のように廃止され警察官に統合された都道府県もある。
概要
編集道路交通法第114条の4に定められた、警察職員である。警察の試験で採用され、制服のデザインも警察官(交通課員。ホイッスルを繋いだ白の飾緒を右肩に嵌めている)に準じているが、職務権限が及ぶのは交通関係の範囲に限られる(後述)。また警察官のような階級は無く、警察官の階級章と類似したデザインの「交通巡視員章」[注 1]を制服の左胸に着用する。
刑事訴訟法上の司法警察職員では無く、職務上の必要性も無いので、警察官のように拳銃、警棒、手錠の携帯は認められていない[注 2]。ただし、警察手帳と同型の身分証票は貸与されており、これの携帯義務はある。
法制度上は男女とも存在する[注 3]が、実際に現在も採用試験を行っている警察本部では対象は女性のみの場合がほとんどである。
先述の通り、警察官に統合し、事実上の職種の廃止を行った警察本部も多い。
職務権限
編集基本的に、職務上の法的執行力を持つのは交通整理、歩行者・自転車への指導および駐停車違反関連への反則告知だけである。捜査権を付与された司法警察職員ではないため、刑事捜査など強制的執行は職務としては行わない。違反者が抵抗した場合は警察官が執行に当たる事となる。
- 交通整理(道路交通法第6条)
- 交差点または横断歩道における手信号等による交通整理。警察官と同様に、信号機と異なる表示をした場合には交通巡視員の手信号等が優先する。
- それ以外の渋滞や危険発生等の際の措置命令職権は持たない。
- 歩行者又は自転車の通行の安全の確保およびこれらへの指導
- 車両の停車又は駐車の規制の励行
- 道路交通法(第九節の二「違法停車及び違法駐車に対する措置」)に基づく違法駐停車車両または運転者への措置命令、車両の移動、駐停車違反反則告知、放置違反金告知
- その他、道路における交通の安全と円滑に係るその他の指導
典拠法の条文抜粋
編集(交通巡視員)
第百十四条の四 都道府県警察に、歩行者又は自転車の通行の安全の確保、停車又は駐車の規制の励行及び道路における交通の安全と円滑に係るその他の指導に関する事務を行わせるため、交通巡視員を置く。
4 都道府県は、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、交通巡視員に対し、その職務遂行上必要な被服を支給し、及び装備品を貸与するものとする。 — 道路交通法
2 交通巡視員は、前項に規定する事務のほか、自動車の保管場所の確保等に関する法律 の規定による自動車の保管場所の確保の励行に関する事務を行うものとする。
3 交通巡視員は、警察法 (昭和二十九年法律第百六十二号)第五十五条第一項 に規定する職員(警察官を除く。)で政令で定める要件を備えるもののうちから、警察本部長が命ずる。