大相撲平成24年11月場所(おおずもうへいせい24ねん11がつばしょ)は、2012年11月11日()から11月25日(日)まで福岡国際センターで開催された大相撲本場所

幕内最高優勝は、横綱白鵬翔(14勝1敗・23回目)

場所前の話題など

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日馬富士が第70代横綱に昇進し、2010年1月場所以来16場所ぶりに、東西に横綱が並び、その活躍が期待された。

角番大関が史上最多の3人となり、3大関全員の角番脱出なるかが注目された。

前場所妙義龍関脇の地位で10勝をあげており、今場所の成績によっては大関昇進の足固めができるため、そのことが注目された。

常幸龍前相撲から所要9場所で新入幕を果たす歴代1位のスピード入幕記録を達成し、今場所の活躍が期待された。

番付・星取表

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成績 結果 番付 西 成績 結果
白鵬 14勝1敗 優勝 横綱 日馬富士 9勝6敗
鶴竜 9勝6敗 大関 稀勢の里 10勝5敗
琴奨菊 8勝7敗 大関 琴欧洲 9勝6敗
把瑠都 1勝2敗12休 大関
妙義龍 6勝9敗 関脇 豪栄道 11勝4敗 技能賞
安美錦 7勝8敗 小結 豊真将 4勝11敗
隠岐の海 2勝8敗5休 前頭1 栃煌山 10勝5敗
松鳳山 10勝5敗 敢闘賞 前頭2 魁聖 7勝8敗
栃ノ心 5勝10敗 前頭3 豪風 4勝11敗
髙安 5勝10敗 前頭4 舛ノ山 5勝10敗
碧山 6勝3敗6休 前頭5 豊響 9勝6敗
旭天鵬 10勝5敗 前頭6 豊ノ島 11勝4敗
臥牙丸 8勝7敗 前頭7 阿覧 8勝7敗
時天空 7勝8敗 前頭8 大道 5勝10敗
翔天狼 5勝10敗 前頭9 朝赤龍 0勝3敗12休
9勝6敗 前頭10 嘉風 8勝7敗
旭日松 6勝9敗 前頭11 雅山 5勝10敗
北太樹 8勝7敗 前頭12 若の里 8勝7敗
富士東 8勝7敗 前頭13 若荒雄 4勝11敗
常幸龍 6勝9敗 前頭14 千代の国 5勝10敗
芳東 3勝12敗 前頭15 千代大龍 10勝5敗
玉鷲 9勝6敗 前頭16

優勝争い

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4場所ぶりの賜杯を狙う横綱白鵬は初日から連勝が続くが、新横綱の日馬富士は2日目に隠岐の海に敗れて金星を配給し、連勝が32でストップした。8日目終了時点で全勝は白鵬と関脇豪栄道で、1敗の日馬富士と共に平幕の豊ノ島千代大龍が追う展開。大関は2敗で稀勢の里がただ1人優勝争いに加わるだけで、他の大関は3敗3人と休場1人という有様だった。

9日目に全勝豪栄道と1敗の日馬富士が直接対決をするが、後述する珍事が起きた挙句日馬富士が勝って豪栄道は初黒星。1敗千代大龍も敗れたため、全勝が白鵬1人で、それを1敗の3人が追う展開に変わった。翌10日目に1敗豊ノ島は日馬富士との直接対決が組まれて負け、2敗に後退。1敗豪栄道は白鵬に敗れて2敗に後退したため、この時点では全勝の白鵬と1敗の日馬富士という両横綱のマッチレースになると見られていた。

しかし11日目、先に土俵にあがった日馬富士が角番大関琴奨菊に負けて2敗に後退すると、続く白鵬も同じく琴欧洲に負けて1敗へ後退。両横綱が1差という状況は変わらなかったが、2敗の千代大龍と3敗の稀勢の里、琴欧洲、豪栄道と平幕3人にまで優勝の可能性が広がる事態となった。12日目は白鵬は勝って1敗を守ったが、日馬富士は関脇妙義龍に、千代大龍は阿覧にそれぞれ負けて3敗へ後退したため2敗力士がいなくなり、この時点で白鵬の独走パターンとなってしまった。

13日目になると、3敗だった千代大龍、栃煌山、稀勢の里が相次いで敗れ、日馬富士も鶴竜に負けて4敗に後退。白鵬は1敗を守ったため、この時点で優勝の可能性があるのは白鵬と、栃煌山との3敗対決を制した旭天鵬の2人に絞られた。翌14日目、先に土俵にあがった旭天鵬は琴奨菊に敗れて4敗に後退したため、白鵬はこの日の相撲を取らずに4場所ぶり23度目の優勝を手にした。

優勝次点は11勝4敗の豪栄道と豊ノ島、三賞は殊勲賞が該当者なしだったが、敢闘賞が3大関を破って10勝5敗とした松鳳山、技能賞は後半4連敗も最後は立て直して11勝4敗とした豪栄道がそれぞれ受賞した。

各段優勝・三賞

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トピック

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  • 角番の大関把瑠都が3日目から休場し、再出場しなかったため大関陥落が決定した。[1]
  • 9日目に4関取(碧山琴禮千代鳳竜電)が同時に途中休場。それぞれの対戦相手(稀勢の里宝富士里山大喜鵬)に不戦勝がついた。1場所15日制が定着してから関取4人の同時休場と4つの不戦勝出現は史上初めてだった。[2]また、そのうちの琴禮が14日目から再出場をしたが、今度はその対戦相手である政風がその日から途中休場となり、琴禮は再出場初日に不戦勝となった。同様の記録は2003年5月場所以来、史上2度目だった。[3]
  • 同じく9日目の豪栄道日馬富士の取組で、日馬富士の足が出たと湊川審判委員が手を挙げて行司式守伊之助に取組を止めさせたが、3分以上にわたる長い協議の末、勝負がまだついておらず、勘違いによるものであったとして、史上初の「やり直し」という事態となった(やり直しの結果は日馬富士の勝ち)。行司がまだ勝負のついていない取組に軍配をあげてしまったことはあったが、審判委員が勝負を止めてしまうのは史上初めてのことであった。また、この取組は全勝の関脇と1敗の新横綱という好取組のため、このような誤審に納得できないファンも多くいた[4]。この一件以降、微妙な判定が発生した場合はすぐに取組を止めずに行司が軍配をどちらかに上げてから協議することになった[5]
  • この場所では先述した6人の他、隠岐の海朝赤龍も負傷休場をしたため、休場をした関取の数は8人にのぼり、2011年11月場所以来の大人数となってしまった。
  • 三役格行司の木村玉光が全休、同じく木村正直が10日目から途中休場、幕内格行司の木村玉次郎も13日目から途中休場をした結果、幕内格以上の行司が不足してしまった。このため、通常は2番しか裁かない幕内格行司のうち、木村元基は14日目と千秋楽に3番を裁くことになってしまった。

参考文献

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  1. ^ 大関把瑠都 陥落が確定/九州場所‐大相撲ニュース:nikkansports.com
  2. ^ 4関取不戦勝の珍事も/九州場所‐大相撲ニュース:nikkansports.com
  3. ^ 琴禮 再出場でいきなり不戦勝…史上2度目の珍事 スポニチアネックス 2012年11月25日
  4. ^ 大誤審「日馬の足出た」/九州場所”. 日刊スポーツ (2012年11月20日). 2021年11月22日閲覧。
  5. ^ 佐々木一郎@Ichiro_SUMOのツイート”. Twitter (2021年11月21日). 2021年11月22日閲覧。
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