大川入山

長野県下伊那郡阿智村と平谷村にまたがる木曽山脈最南端にある山

大川入山(おおかわいりやま)は、長野県下伊那郡阿智村平谷村にまたがる木曽山脈(中央アルプス)最南端[注釈 1]にある標高1,908 mである[4]矢作川水系および天竜川水系和知野川支流の大川入川の源流となる山である[5]

大川入山
南側の横岳方面から望む大川入山(2013年11月24日)
南側の横岳方面から望む大川入山
標高 1,907.74[1] m
所在地 日本の旗 日本
長野県下伊那郡阿智村平谷村
位置 北緯35度22分55秒 東経137度38分38秒 / 北緯35.38194度 東経137.64389度 / 35.38194; 137.64389座標: 北緯35度22分55秒 東経137度38分38秒 / 北緯35.38194度 東経137.64389度 / 35.38194; 137.64389[1]
山系 木曽山脈(中央アルプス)
大川入山の位置(日本内)
大川入山
大川入山の位置
プロジェクト 山
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概要

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三州街道からは大きな山容を望むことができる[6]。山頂部は見晴らしが良く、御嶽山北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳伊那谷南アルプスなどの眺望がよい[6][7][8]。また、三河方面の山並み名古屋市をはじめとした濃尾平野鈴鹿山脈も望める。さらに条件が良ければ、浜松市アクトシティ浜松遠州灘も見ることができる。

山頂部は矢作川流域で唯一亜高山帯に属している[2]。山頂部の南側と西側は原生林が伐採され、その後生育したクマザサに覆われた笹原で[6][9]コメツガトウヒなどが分布する亜高山帯針葉樹林[5]。山名の「入」はの奥、山寄りを意味する[5]。山域は中央アルプス国定公園(もと長野県の中央アルプス県立自然公園)の指定区域に含まれない[10]

以前はあまり知られていない山であったが、地元自治体によりササヤブ刈りなどの登山道が整備され、東海地方からの登山者が増えている[7][8][11]。麓の治部坂ではリゾート開発が行われ、スキー場、温泉施設別荘地、観光センター、大駐車場などがある[9]信州百名山のひとつに選定されている[12]

登山

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大川入山は登山対象とされている山で、1970年ごろに[5]治部坂とあららぎ高原スキー場の2方向からの登山道が開設された[7][11]。治部坂峠のコースの方が多く利用されている[11]。春先まで残雪があり、登山適期は5-11月[9]。山頂からは南アルプスの上河内岳茶臼岳との間の稜線越しに富士山の山頂部をわずかに望むことができる。

治部坂からのコース

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経路:治部坂 - 横岳(標高1,574 m) - 標高点1,616 m - ブナ林 四等三角点(点名「もみじ平」、標高1,683.00 m)[1] - コル - 大川入山[6][7]

横岳山頂には、三等三角点(点名が「横岳」、標高1574.02 m)[1]とベンチが設置されていて、針葉樹林の中で展望がない[11]。横岳付近から大川入山までは阿智村(旧浪合村)と平谷村との境界の尾根に沿ったルートであり、横岳の先の標高1,600 mほどの地点にはベンチが設置されていて、中央アルプスや南アルプスなどの展望が優れる[11]。中間の行程は緩やかな上り坂で、序盤と終盤は急な上り坂である。登山道ではイワウチワショウジョウバカマツルリンドウマイヅルソウなどの花が見られる。

あららぎ高原スキー場からのコース

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経路:あららぎ高原スキー場 - 標高点1,724 m - 大川入山北方稜線合流点 - 大川入山[11]

尾根に沿った登山道には、コメツガ、トウヒ、モミダケカンバナナカマドドウダンツツジなどの植物が分布している[7]

山頂部からの眺望

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地理

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木曽山脈(中央アルプス)最南端に位置し、恵那山群の一峰で[4]、恵那山から南東に延びる稜線上にある。

周辺の山

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茶臼山から望む中央アルプス(左から焼山、恵那山、大川入山、蛇峠山)

大川入山と恵那山との間にある標高1,921 mのピーク(四等三角点、点名が「波合山」、標高1,921.10 m[1])は、恩田大川入山と呼ばれている。

山容 山名 標高
(m)[1][13]
三角点等級
基準点名[1]
大川入山からの
方角と距離(km)
備考
  恵那山 2,191 (一等)「恵那山」
(2,189.81 m)
 北北西 8.1 日本百名山、信州百名山
新・花の百名山ぎふ百山
  焼山 1,709.17  三等
「焼山」
 西北西 7.6
  大川入山 1,907.74  二等
「大川入」
  0 信州百名山
  蛇峠山 1,663.58  二等
「蛇峠」
 南東 6.0
  三国山 1,161.62  二等
「三国」
 南西 12.7 長野県と岐阜県愛知県との国境
  茶臼山 1,415.23  二等
「茶臼山」
 南 17.2 愛知県の最高峰

源流の河川

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以下の太平洋側へ流れる河川の源流となる山である。

周辺の峠

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周辺には以下のがある。

  • 治部坂峠 - 大川入山と蛇峠山との鞍部。標高1,187 m。国道153号が通る。
  • 寒原峠 - 三階峰と松沢山との鞍部。標高1,073 m。国道153号が通る。

周辺のスキー場

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周辺には以下のスキー場がある。

交通・アクセス

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東側の山麓に国道153号が通る。国道153号の治部坂の登山道入口にはデンソーリゾート治部坂こまくさの保養所がある[9]

脚注

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注釈

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  1. ^ 大川入山を中央アルプス最南端とする資料[2]恵那山を中央アルプス最南端とする資料[3]がある。

出典

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参考文献

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  • 伊部高夫『長野県中信・南信日帰りの山―120山/188コース』章文館、2006年9月。ISBN 4901742051 
  • 垣外富士男、津野祐司、池上立、中山秀幸『長野県の山』山と溪谷社〈分県登山ガイド〉、1998年9月15日。ISBN 4635021750 
  • 垣外富士男、羽場崎清人『中央アルプス』山と溪谷社〈ヤマケイ アルペンガイド20〉、2000年4月。ISBN 4635013200 
  • 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 清水榮一『決定版 信州百名山』(改訂版)桐原書店、1990年5月。ISBN 4342752700 
  • 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 
  • 『日本の山1000』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1992年8月。ISBN 4635090256 
  • 余呉日出夫 著、山と溪谷社(編集) 編『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社〈週末登山コースの百科事典〉、2010年7月28日。ISBN 978-4635180177 
  • 『新・分県登山ガイド(改訂版) 長野県の山』山と溪谷社、ISBN 978-4-635-02365-8
  • 『東海・北陸の200秀山 下(東海・信州編)』中日新聞社ISBN 978-4-8062-0599-9

関連項目

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外部リンク

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